老いるとは (Ⅴ)
物忘れ
年を取ると、やはり物忘れがひどくなる。人や物の名前がスムーズに出てこなくなる。
長く生きて来て、記憶の書庫が一杯になったからかもしれないが、思い出しにくい名前や物があることは事実だ。
同じ名前がくり返し出てこないとショックが大きく、自分自身にがっかりする。
「 今度は絶対に忘れないようにしよう! 」と思えば、思うほど出にくくなる傾向があるようだ。
過度の緊張も、思い出すことに悪影響を与える。
「 君ならできる!できる筈だ! 」と鼓舞してみても、ベースの機能が落ちているのだから、むなしく響くのみ。
忘れやすいことはその場ですぐにメモしたり、検索して解決しなければいけない。
物忘れを年のせいにして逃げてしまうと、症状がどんどんひどくなっていく。
何とか踏みとどまらなければいけない!
その方法とは?!
くり返し思い出せないものは、スマホのリマインダーにforgotという項目を作り、私はそこに書き込むようにしている。
そして思い出せないことがあった時には、必ずリマインダーをまず開いて確認する。
そこに忘れたことの記録がない場合には、Google検索をする。
何と検索すれば良いか難しい場合もあるが、かすかな関連項目から、労力を惜しまず、粘り強く検索を続ける。
そしてその名前が出て来たら、リマインダーのforgotの項目に、念の為⁈ 追加して置く。
この作業をくり返し粘り強くやって、忘れやすい言葉や人の名前を、頭の書庫の入り口付近に持ってくるようにしている。
スマホがないときには、頭の中にア行からワ行までの表を描いて、アイウエオ・・と頭の中でくり返して行くと、ある場所でふと思い出すことがある。
引っかかる文字が出て来ると、その次の文字をまたア行から当てはめていくという『砂を噛むような作業』をすることもある。
濁点の付くひらがなまで行くと、さらに困難を要する。
こんな作業をしなければならない自分が情けないと思うこともあるが、「 物忘れを進行させない為には頑張るしかない! 」と自分に言い聞かせながら行っている。
どんな方法でも良いから粘り強く、思い出す努力を続けることが大切なのだ。
「 まぁいいか・・ 」などと自分をごまかしてはいけない。
たゆまぬ努力が、物忘れの進行をslowにさせてくれるのだ。
思い出す努力をしないで、自信をなくして行くことが、『 物忘れ 』の一番の大敵である。
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