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ラヴ・シーンを14文字で書く

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14文字、14行、14話のラヴ・シーン。
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ラヴ・シーンを14文字で書く

魂し火ほのかに狹きをつらぬけ その源はもって濫ぶかすかな瀝 天寵鬮り夢の跡草原に媾う夕べ ともに動命のかぎり定命に叛く 凡下でぼんやりと至情あふるる さよならの虚を擣き実をあとう 騁懐かなうはどうしてあのとき 跳べ翼なく枷紲ぎ心裂けようと 舜の花よ咲いておくれ暁の牆に 恃りはたつた一人でござんすよ 紅を鋪き紅燭を燃やしまつ祭り 逢えた花儿へいっぱいの玫瑰を ふたりの讎与に共に天を戴かず 尚はくは君が爲に愧じぬ来世を 14文字、14行、14話のラヴ・シーン。 cover i

凡下でぼんやりと至情あふるる

かたちがなくともあなたのそら 地がさまようなら想いはまるで 月までとべたらどんなにいいか ときはなにも流さず忘れ得ない みえなくなっても届いています 星の朝はほのかに語れる夢の中 このままとまってくれればいい 道路側でさりげなく手をつなぐ 饒舌な世間話がうまい無口な人 よっぱらってしかくどかないの つぎの日にはけろりと二日酔い なにもかも覚えてないままくる きのうもきょうもあすもきてね しらないふりして愛してあげる

ともに動命のかぎり定命に叛く

あなたのことなら迷わないのに もうこれ以上はというくらいの 気がすむまでしていいんだろう ほとばしる狂気は悪魔のごとく 悪役のいきざまをみせてやるよ はかなさよ手にはいらないなら 知っていたよ君がだれを好きか あとどれくらいいいわけするの ぽっかりあいた虚しさをうめて 真っ赤になって気づいたのは朝 たどたどしいふれかた断れない もうやりなおせなくなったとき なにもかもなくしたから欲しい ふたりで信じたあすがくるまで

天寵鬮り夢の跡草原に媾う夕べ

手遅れと気づいたとき目の前に どうしたらいいかわからなくて たぶんもうこれ以上はないから せめて一言お礼を伝えたかった ちりぬるおもいにぬれるひとみ 遅い鳥は冬の花のように桜立つ 飛べなくなってもはいずるまで たとえ斃れてもつうじただろう 渺茫をこの手にたぐりよせたら いびつな恋よまっすぐになあれ さようなら君を知らなかった僕 おはよう私をわかってくれた君 一緒だねなにもかもとけあって 君に会うまでは 君に逢えたなら

その源はもって濫ぶかすかな瀝

恋はやさしいうそでできている 愛はとってもやさしい噓がいい 恋はなさけよりも青くにがい酒 何度愛してもあきたらないほど かわってもかわらなくとも恋は 心から愛したあなたともう一度 恋情つのりしたよりそっと握る きっと愛してくれる神さまなら 天使が悪魔に恋してくれたなら もし勝てたら本気で愛してやる 恋して不安と同居あなたが遠い 愛してあいして恋が終わっても 恋で鳥が翔け愛で魚が跳るよう 天下の謫愛昇れ天上に恋の虹を

尚はくは君が爲に愧じぬ来世を

ずっと一緒に闘っていたかった TheENDだと知っていても きっと出逢えるから選んだ別れ 偽者じゃないとわかっていたよ 君が何人になっても変わらない そばにいたかっただけなんだよ きっととりもどす笑えない君を 何度めだろう終わりを知る出陣 箱を開けたら想いがあふれでた アクセスできない奥底を開けて まぼろしのように消えるのなら 逢うために神になって君を創る きれいだね僕を見て目を閉じず この感情が恋ではないとしたら

魂し火ほのかに狹きをつらぬけ

いうてくれるなわが誠僞りなし 檄羽よ翔べ空を海をすべて越え 恬として愧じぬ心杳として知る 捧ぐなら冠いただく不確かな軀 火のひかり才知よあなたの如く 星うつりて惹かれ君は月のよう 恋が昇り愛は升りて地上を翔る 善心よ悪心のみさえぎってくれ 恋したういとむづかしき浮世雲 散るも花おつるも恋よ君なれば 惡んぞ私心に求むることなかれ 恋は愛よりも遅ち炎よりも淡し 一言が天に沖り視線が地を碎く 出でし想い反れ爾の愛する人へ