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キス・シーンを14文字で書く

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14文字、28行、14話のラヴ・シーン。
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キス・シーンを14文字で書く

心廻しきかなさみしいますらお 失すりゆく偲び乞いし紅のつや 摘み枯らし待たん慕わじあなた わが児いつくしみ頰をよせあう 斎潔白ふれるはとけて消えゆく 荒ぶ神々凍てつく氷を天に砕く 去にし陽沈めど日向し共に待つ 殉情のひとようたい身もゆだね 惻隠の情でもいいからなにかを 鮮麗なくちびるに囚われていま 清新の気をぬくもりにもよせて 真情の流露をつたえてください 感佩するほど深く激しくもとむ 冲天の勢いささやかにぶつける 14文字、28行、14話のキス・シーン。 cover i

キス・シーンを14文字で書く 1 心廻しきかなさみしいますらお

ただ一瞬で一生を終えてもいい 焼かれてしまえばあとは想い出 最後とわかっていた、あのとき 去りぎわだけきれいなあなたへ 背を預けあっていられたらいい 想像するのはまず先にあなたと つめたいよりあたたかいがいい あなたの空をわたしにください 別離を告げられたから反抗した あなたが愛しいのだけはわかる 誰よりも感じているはずだった 不確実性だらけ、回避はしない 愛情を誰にも与えてこなかった あなたを信じるのは意味がある 挫折だらけの人生を忘れさせて どうやったら生きていいですか

キス・シーンを14文字で書く 2 失すりゆく偲び乞いし紅のつや

諦められる行為だったらしない 熱く深く甘くあなたを知りゆく 初めての儀式その先もあなたと 後ろめたい悖徳行為をあなたと 必死でさようならの代償行為を 人生に苦しむあなたを救いたい 今まで一度もがまんしない幸運 言葉と行為とどちらがいいの? 簡単にできることじゃないよね 踏みだすのは怖い。勇気を出せ 魔剣で斬って、できるものなら やましいことしていないってば だめだよ、帰ったほうがいいよ これから何されるか知っている 真昼間から何をやっているの? 一発でだめになるような濃いの

キス・シーンを14文字で書く 3 摘み枯らし待たん慕わじあなた

言葉を発するのはあとでもいい 傷が癒えても君とすればきっと 大事すぎてふれる事もできない 無限に欲望がつきない壊れた君 この快感に勝てるものがあるの たった一瞬、ほんの一秒以上で 同じ人を好きになるのなら君と 血液が逆流するほど抱きしめて 愛情に一切固執してないあなた 嫌いだよ本当はふれたくもない 噓も本当もいらない、本気だけ 終わったあとに背をむけないで 終わったあとも初めの熱がいい 億の約束よりもただひとときを 好きの先は愛ですか。違う、恋 好きといったら好きだといって

キス・シーンを14文字で書く 4 わが児いつくしみ頰をよせあう

中途半端ないまが一番いいかも 失恋が怖くて恋はできないけど 届かない想いを抱えていたって ラヴ・ソングが聴けなくなった なにをいわれたってされたって わたしの想いも消えてしまうの 強く優しくなれたら恋をしても 壊すとうみだすは同じではない 好きになるための絶望がほしい 最初からふりきってくれたよな いまのうちだけ泳がせてあげる いつまでも追いかけてきやがる 無間の愛は時と場所を選ばない パラレルワールドでもすれ違う 前の世界でも逢っていないけど 別の世界に飛ばされてもきっと

キス・シーンを14文字で書く 5 斎潔白ふれるはとけて消えゆく

君とこの想いだけが残ればいい やりがいのない生き方にこれで 重い設定とかたさなくていいよ 救いにきたからいっぱい頼って 君と離れたらときめきも消えた あなたがいわないひとつの秘密 レースカーテンのように繊細に はらはらと舞う花びらのように 最初にふれる箇所がそこなの? 繰り返し、繰り返し想いを叫ぶ 息衝く行為、炎のしるしが熱い 摩天楼と万華鏡を一緒にほしい あいまいはいらないもう決める 僕よりも強く優しい手と腕の君 羽を翼を想いとともに空を舞え 世界を、宇宙を、次元を超えて

キス・シーンを14文字で書く 6 荒ぶ神々凍てつく氷を天に砕く

鏡の前でうろうろとそわそわと 助手席の鍵が閉じていて泣いた 手をつないで夜道を歩くだけで 膝枕をしてめがねを預かりたい もうこうなったらなんでもいい 写真写りを意識しだす。笑顔で 隙なんかどこにもないのに迫る きっときてくれると信じていた しらふでもそうしてくれたなら このまま時がとまってくれれば ぼうっと座っていたらいきなり 他人には無口なの信じられない しらふじゃないからさせないよ そんなのそういうふうにするの うそでしょう、ノーガードだよ 目を開けていられないほど君を

キス・シーンを14文字で書く 7 去にし陽沈めど日向し共に待つ

底まで見えた海をあなたと歩く 見ているからいつもきてくれる 閉じこめてあげる、逃がさない 放し飼いしてあげる、どこでも 呑んで打って食べて吸って賭け ぎりぎりだったけど認められた なにもいわずいつのまにかいる 薔薇の花を贈られても驚かない とても高く海を見下ろす四段目 なにがどう正しいかは知らない 見えない気持ちだけが青空の下 一番通じてほしいおまじないは 見ることも、知ることもなく今 月を見て、ばかな相手を考える 海に落ちそうな月を君と見たい いわないいってもらえない残酷

キス・シーンを14文字で書く 8 殉情のひとようたい身もゆだね

あなたの視線だけが噓じゃない 追いかける夢は果てしなく遠く 勝ち負けの前には君であっても 危険とわかっても賭けるこの恋 この気持ちの名前はなんですか 心を許せるひとへの想いがそう 胸襟を開いてずぶりと刺される ぶっ飛んでいるあなたが好きよ いなくともいい。どうか自由で いつもは豪胆で大胆だけれども 殴りあいしようか。正々堂々と どれだけ強くても負けはしない 平常心でいられなくして、常に 欲しい言葉がいらない時もある 右からでも左からでも攻撃して 守るつもりは一切ない。こい!

キス・シーンを14文字で書く 9 惻隠の情でもいいからなにかを

涙に濡れた淡い息でからみつく わきあがる気持ちをあなたから 最初で最後のお情けをください わからなくなってもこれだけは 信じるとしたら今すべてを君に 信じる道が考えが違っても私を 敵でも味方でもあなたがほしい あー……気持ちいい。このまま 温かいとか寒いとかどっちでも なにをされてもいい好きだから あげても戻ってくるよ、こいつ 全開で無防備になるなよ忙しい ずたぼろでもいいよにあうから 抱きついて絡めとって離さない けっこう緊張するなあ素っ裸は こぼすなよ食べるからいいけど

キス・シーンを14文字で書く 10 鮮麗なくちびるに囚われていま

あなたの傷痕に一生くちづける これだけでもう背をむけるの? 永遠に愛でる花はこの腕の中に 甘え下手ほどいい。こうできる 涙に濡れた淡い声でからみつく ようやっと手にしたと気づいた その気がなくとも、このままで もっと求めてはいけないですか ひょっとして、これで終わり? やさしい炎でつつみこむように 手に入れられないと思うほどに 一生の思い出に勝てる行為を今 遠くにいたのにこんなにも一緒 ほどかなくともいい。ただ一瞬 さようならのしるしにはしない ずっとこのまま叶うならもっと

キス・シーンを14文字で書く 11 清新の気をぬくもりにもよせて

たとえ気まぐれだったとしても 逢えただけでもよかったのに… 今だけ永遠を信じていいですか 次も、つぎも、その次もの約束 あなたの知らない人とこうして 空の音を聞いたような気がした どこまで危険か試してみたいの 許してしまう弱い想いを衝かれ 聞かなくともいい信頼のあかし どこかがおかしい空虚を埋める 夢中になって情感たっぷり濃く かなり必死だって気づいてた? ぐっちゃぐちゃになるまでした こぼれるように漏れる息の熱さ 一番淋しい箇所をめがけて二人 静かな沈黙のあとを待ちわびる

キス・シーンを14文字で書く 12 真情の流露をつたえてください

ついさっきまで見ず知らずの唇 どうして最後にありがとうなの 逢えたらもう終わりのはずじゃ 鍵を手中としているのはどちら 変わらぬ純情をあなたに捧げる 余裕があればいいのにどこにも 言葉にできない想いを熱に伝え あなたの一番をわたしに下さい 十年前の約束をずっと覚えてる これが初恋の味きっと忘れない 噓、あれもうそでもこれからは 百万の言葉よりこの行為を乞う 膝を抱えて泣いているあなたへ 背中を追いかけたらふりむいた 情炎が真っ白になって最奥まで 目が覚めると隣にあなたがいる

キス・シーンを14文字で書く 13 感佩するほど深く激しくもとむ

もうそろそろ愛していいだろう 誰にふれたとしてもこれからは 傲ったプライドを砕いてむかう 燃えあがるのは不確かな前より きらわれた代償じゃなかったの 教えた分だけうまくなって焦る ふれたら戻れないほのかな確信 好きになってはいけませんか? 本気の全力に応えて心臓が飛ぶ ホワイト・クリスマスを一緒に 一年の始まりをあなたとともに 三日月のように輝き落ち沈めて 寒いからふたりで熱くなろうよ 感傷めくほどかれたのち残る跡 凡人の生きざまを教えてやるよ 淋しい真ん中を満たしあおうよ