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サイバーセキュリティ領域に関して、自分用にメモ

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最近の記事

能動的サイバー防御、法案提出遅れる…

こんなニュースが目に入って来た。 「サイバー法案、年内見送りへ 首相交代で設計議論停滞」(共同通信)  このニュースから次の2つの事がわかる。 能動的サイバー防御に関する関連法案の成立が遅れそう 「サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議」は令和6年8月6日に開かれた第3回の会合以降、開催されていなかった。  様々なサイバー攻撃の脅威にさらされている中で、議論や法案の成立が遅れるのは、非常に残念。  個人的には、政局に関係なく、必要な議論はして欲しい

    • 身近な戦場・サイバー空間

       サイバー空間が第五の戦場と言い出したのは誰だったっけ?ネットで調べれば簡単に分かる。あー、2011年に米国防総がそう位置づけたんだ。  陸・海・空・宇宙・そしてサイバー空間で5つの戦場。  陸・海・空・宇宙。宇宙は後から追加されたもので、全く身近ではないが、どちらにしろ、これらは日本では今のところ(幸いなことに)身近ではないが、サイバー空間での攻撃については目に付くようになってきた。  5つの戦場として、ひと括りにされると「ああ、おなじ戦場なんだ」と思ってしまうが、この

      • 能動的サイバー防御をめぐる議論(その3-⑦)有識者会議(第3回)まとめ

         今まで6回に渡ってサイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議(第3回)の資料(資料構成と3つの別会合の内容)について確認してきたが、今回はそれを踏まえて、ようやく第3回の有識者会議第3回の本会議の議事要旨を確認していく。 😎会議概要サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議(第3回)  令和6年8月6日 (火 )  17時00分~18時00分  総理大臣官邸2階大ホール  第3回の本会議の構成員及び出席者は次のとおり。 なお、毎回河野国務大

        • 能動的サイバー防御をめぐる議論(その3-⑥)「アクセス・無害化措置」

           今回は、サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議(第3回)の資料から、有識者会議とは別に個別のテーマを深堀りしている別会合のうち、「アクセス・無害化措置」に関するテーマ別会合(第2回)の内容を見ていく。(資料8-1から8-6) サイバー安全保障における「アクセス・無害化措置」とは…「 サイバー攻撃を未然に防ぐために攻撃者のサーバに事前に「アクセス」して「無害化」する 」という話でこれを国としてやっていく件を議論をしているのがこの「アクセス・無害化」会合であ

        能動的サイバー防御、法案提出遅れる…

        • 身近な戦場・サイバー空間

        • 能動的サイバー防御をめぐる議論(その3-⑦)有識者会議(第3回)まとめ

        • 能動的サイバー防御をめぐる議論(その3-⑥)「アクセス・無害化措置」

          能動的サイバー防御をめぐる議論(その3-⑤)「アクセス・無害化措置」

           今回は、サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議(第3回)の資料から、有識者会議とは別に個別のテーマを深堀りしている別会合のうち、「アクセス・無害化措置」に関するテーマ別会合(第1回)の内容を見ていく。(資料7-1から7-8) ※ボリュームが多いため、2回目については次回とする。 サイバー安全保障における「アクセス・無害化措置」とは…「 サイバー攻撃を未然に防ぐために攻撃者のサーバに事前に「アクセス」して「無害化」する 」という話でこれを国としてやっていく

          能動的サイバー防御をめぐる議論(その3-⑤)「アクセス・無害化措置」

          能動的サイバー防御をめぐる議論(その3-④)「通信情報の利用」

           今回は、サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議(第3回)の資料から、有識者会議とは別に個別のテーマを深堀りしている別会合のうち、「通信情報の利用」に関するテーマ別会合(第2回)の内容を見ていく。(資料6-1から6-5)  ・有識者会議(第3回)の資料構成はこちらの記事。  ・テーマ別会合についてはこちらの記事。  ・テーマ別会合「通信情報の利用」(第1回)についてはこちらの記事。 😎「通信情報の利用」会合概要通信情報の利用に関するテーマ別会合  第2回

          能動的サイバー防御をめぐる議論(その3-④)「通信情報の利用」

          能動的サイバー防御をめぐる議論(その3-③)「通信情報の利用」

           今回は、サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議(第3回)の資料から、有識者会議とは別に個別のテーマを深堀りしている別会合のうち、「通信情報の利用」に関するテーマ別会合(第1回)の内容を見ていく。(資料5-1から5-8) ※ボリュームが多いため、2回目については次回とする。  ・有識者会議(第3回)の資料構成はこちらの記事のとおり。  ・テーマ別会合についてはこちらの記事のとおり。  ・テーマ別会合「官民連携」についてはこちらの記事のとおり。 😎「通信情

          能動的サイバー防御をめぐる議論(その3-③)「通信情報の利用」

          能動的サイバー防御をめぐる議論(その3-②)「官民連携」

           今回は、サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議(第3回)の資料から、有識者会議とは別に個別のテーマを深堀りしている別会合のうち、「官民連携」に関するテーマ別会合(第1回、第2回)の内容を見ていく。  ・有識者会議(第3回)の資料構成はこちら記事のとおり。  ・テーマ別会合についてはこちらの記事のとおり。 😎「官民連携」会合概要官民連携に関するテーマ別会合  第1回:令和6年7月3日(水) 8時30分~10時30分 オンライン開催  第2回:令和6年7月2

          能動的サイバー防御をめぐる議論(その3-②)「官民連携」

          能動的サイバー防御をめぐる議論(その3-①)

           今回は「サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議」(第3回)の資料について、その構成を確認する。 😎はじめに 「サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議」の資料について、第1回、第2回と内容を確認してきたが、今回、令和6年8月6日に実施された第3回の有識者会議の内容を確認してゆきたいと思う。  ただ、有識者会議の資料は、有識者会議本体とは別に、テーマ別に行われている別会合の結果報告等の内容を含んでいることから、回を重ねるごとに資料の量が増え

          能動的サイバー防御をめぐる議論(その3-①)

          能動的サイバー防御をめぐる議論(その2-②)「テーマ別会合」

           「サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議」(第2回)の資料より、有識者会議とは別に議論された「テーマ別会合」の位置づけを探ってみたい。(資料はここ) 😎「テーマ別会合」の経緯 「サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議」の第1回の議事要旨では、最期に次のように記されている。  なるほど。守備範囲が広いので、個別の会合で議論を深めて有識者会議に持ち帰ろう、という整理のようだ。  これを根拠に、3つのテーマについてテーマ別会合が開催され

          能動的サイバー防御をめぐる議論(その2-②)「テーマ別会合」

          能動的サイバー防御をめぐる議論(その2)

          「サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議」(第2回) 1. 日時 令和 6 年 7 月 8 日(月)18 時 00 分から 19 時 00 分までの間 2. 場所 中央合同庁舎第4号館 共用第4特別会議室 参考資料 構成最初に経済三団体(経団連・経済同友会、日本商工会議所)の意見を聞いて、それから質疑応答を行い、最後にテーマ別会合の開催状況の報告を聞く構成になっている。 出席者 委員については第1回と変更なし。  政府側は、第1回に参加していた岸田総理大

          能動的サイバー防御をめぐる議論(その2)

          能動的サイバー防御をめぐる議論

          「サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議」(第1回)議事要旨 より1. 日時 令和 6 年 6 月 7 日(金)8 時 35 分から 9 時 35 分までの間 2. 場所 内閣総理大臣官邸2階 大ホール 参考資料 岸田首相挨拶 ・国家 安全保障戦略では、サイバー安全保障分野での対応能力を欧米主要国と同等以上に 向上させることを目標に掲げ、その柱として能動的サイバー防御を導入することとなった。 ・この会議は、能動的サイバー防御の実現を始めとする我が国のサイ

          能動的サイバー防御をめぐる議論

          「能動的サイバー防御」って何処で議論されているの?

           最近、「能動的サイバー防御」についてニュースで目にする機会が増えてきた。「能動的サイバー防御」自体は2022年12月に策定された「国家安全保障戦略」で導入が明記されていたもので、いよいよ具体的な姿を見せてきた格好だ。 「能動的サイバー防御」って?  ざっくり「能動的サイバー防御」について触れると、サイバー攻撃の特徴として、そもそも攻撃者の姿が見えない、という事が挙げられる。軍事行動や物理的なテロであれば、攻撃を行った軍隊やテロリストが物理的に存在しており、攻撃された側も

          「能動的サイバー防御」って何処で議論されているの?

          政府のサイバーセキュリティに関する令和6年度予算ってどうなってるの?

           前回、政府のサイバーセキュリティの方針を示した「サーバーセキュリティ2024」から、政府のサイバーセキュリティに関する今年の施策を見てみましたが、では実際のお金の動きはどうなのでしょうか。  口でいろいろ言っても、結局はお金を含めた実行力がなければ物事は進みません(お金のかからない施策もありますが)。  という事で、令和6年7月10日に開催されたサイバーセキュリティ戦略本部※の第41回会合の資料から、今年度予算に関する「政府のサイバーセキュリティに関する令和6年度予算」を見

          政府のサイバーセキュリティに関する令和6年度予算ってどうなってるの?

          サイバーセキュリティ2024を読んで

          サイバーセキュリティ2024(2023 年度年次報告・2024 年度年次計画)  令和6年(2024 年)7月 10 日 サイバーセキュリティ戦略本部 <概要> 第1 エグゼクティブサマリより  1 昨今の状況変化   ・国家を背景とするグループによる攻撃等、サイバー攻撃の洗練化や巧妙化が一掃進展   ・利用者から見れば、デジタル化進展によりアタックサーフェス(侵入口)が拡大   ・国際情勢の緊迫化(ロシア・ウクライナ情勢/イスラエル・パレスチナ情勢)  2 サイバー空

          サイバーセキュリティ2024を読んで

          国としてのサイバーセキュリティへの取り組み

          日本のサイバーセキュリティの行く末  日本のサイバーセキュリティがこれからどのように変わっていくのかを知るために、その方針の根拠となる「国家安全保障戦略」(2022年12月策定)のうち、サイバーセキュリティに関係ありそうな部分を簡略化して抜き出してみた。 サイバーセキュリティに関係ありそうなのは上のアとオ ア サイバー安全保障分野での対応能力の向上 目指すもの ・サイバー安全保障対応能力を欧米主要国と同等以上に向上させる ・政府機関のシステムを常時評価・脅威対策・脆弱

          国としてのサイバーセキュリティへの取り組み