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BLAZE UP NAGASAKI レポ

長崎は、ひたすら不便な街だ。
東京から飛行機で二時間。車で行こうと思えば十四時間もかかる。
それでも、それでもこんな西の果てに人が、バンドが集まった。
BLAZE UP NAGASAKI。
今年で八回目。ハウステンボスでは二回目の開催となる比較的新しいバンド主催のフェスだ。
私は、このフェスがまだ当時のNCCホールで開催された頃に一度行ったことがある。
メンツは良かったし、フロアにいる分には楽しかったけど、それ以外の運営部分が荒の目立つイベントだった。
しかし、ハウステンボスの駐車場を『ライブハウス』に変えて行われたこのフェスは、パンクバンド主導でありながら、親子でも十二分に楽しめる素晴らしいフェスに進化を遂げていた。
まず、シートエリア、テントエリア、キッズエリアを作っていたのは英断だった。
場所取りはまあ揉める原因にもなるし、それでいて取り合いになりがちな前面エリアを有料で提供することで、ある程度解消していたように思う。
また、テントエリアは小さいお子様や体力がない人が木陰で休みながら楽しむにはうってつけの陣地を作ることができる。
キッズエリアだって、無料で前の方でもみくちゃにならず楽しめるのは大きい。
ただ、出来ればテントの高さに上限を付けて欲しかったな、とフロントエリアと後方エリアを行き来しながら食事していた身は思わなくもなかったが、概ね満足度の高い作りになっていた。
食事もご当地料理に力を入れており、茂木(“もてぎ”ではなく“もぎ”と読む)のフグをあんな安価で食べれるのは本当にありがたい。また、チリンチリンアイスも出店しており、初夏の日差しに火照った体にざらりとした舌触りのアイスが心地よい。
日中こそ暑かったものの、冷たい風が吹き抜けており、とても過ごしやすい一日だった。
個人的にこれは他のフェスでもぜひ導入してほしいのがこれでした。
ワンステージとかツーステージとかのフェスだとすごい楽だなあ。

【四星球】
さて、トップバッターはSHANKと同じように、地方――四国は徳島を拠点に全国で活動する四星球。
初っ端からエレキトリックパレードで登場し、多分あれ見た全員が「ハウステンボス出禁にならない?大丈夫?」って思ったであろうスタート。(公式のTwitterやInstagramで写真が上がっているので是非見てほしい)(スペースワールドネタが地味にツボに入るアラサー)
ところでいつからU太さんのベースストラップ、BRAHMANなんですか?(荒い息)ベーシストでそれ使っていただけると軽率にファンになるからやめてほしい(真顔)
あと鋼鉄の段ボーラーまさゆき聞くと、去年BRAHMANと対バンした時の写真思い出すから笑いかみ殺すのに必死だった。
多分曲自体は四曲か五曲ぐらいしかやってないんだけど、腹筋と涙腺をぶっ壊してゆく四星球ワールドで大満足のスタートダッシュだった。
クラーク博士と僕、Mr.COSMOはやっぱり名曲。

【ENTH】
勉強不足で大変申し訳ない。後ろの方で食事しながら見ていたが、懐かしいザ・メロコアの風を感じた。こういうど直球のバンド、やっぱりいいなあ。

【dustbox】
めちゃくちゃ好きなのに相変わらず曲とタイトルが一致してない(猛省)
もう全員が「ライブ」が大好きで、この場所が大好きなのがわかるレベルでニコニコしながら演奏してて、見てるこっちまで笑顔になってしまった。
ジョージおじさんに推し変してしまうかと思うくらい、素敵で困った。
tomorrow聞いたら泣いてしまうけど、「時間余ったからやります!!!」は流石に笑っちゃう。
フロントエリアいっぱいに出来たサークルモッシュ見ながら、彼らを始めて見たF-Xのことを思い出していた。
あれも、「野外ライブハウス」だったなあ。

【CROSSFAITH】
スカジャンで以前見た時、ちょっと苦手だなあと思っていたんですけど、TLの洗脳を受けて見た今回の彼らはめちゃくちゃすごかったです。
楽曲はちょっと好みとは違うんだけど、それでも『ステージを魅せる』というところに並々ならぬ情熱を注いでいるのは傍目に見ても伝わった。
最後の曲で、音が鳴り止む瞬間に五人がバッとお辞儀をした瞬間、鳥肌が立った。
そういうこだわりを感じる瞬間、そのバンドのことがぎゅっと好きになっちゃう。
そんな素敵なライブを魅せてもらいました。
SiMのMAH様迎えて魅せる曲も本当かっこよかった。
ちなみにわたしは頭が大して良くないので、ライブ始まった瞬間、「LDHの世界だ!!!!HIGH&LOWだ!!!!!!」ってはしゃいでしまった。
あとボーカルの方のライブのオラオラっぷりとInstagramなどで見せるオフのきゃるきゃるしたギャップに負けました。

【G-FREAK FACTORY】
BRAHMANを見に来たつもりだったのに、一番ぐっとわたしの心を言葉で撃ち抜いてしまったバンド。
茂木さんの口から紡がれる、早口でありながら聞き取りやすい言葉の雨はそれこそ弾丸のようで、聞くものの心を、魂を揺さぶり響かせていく。
ロックンロールなんて、やっぱりLOVE&PEACEであって、長崎なんて特に『PEACE』の部分はとにかく叩き込まれているところがあって。
「長崎の人たちの、平和について、それを求めるDNAは嫉妬するほどだ」とMCで言っていたのが印象的だった。
けだもののようにステージを闊歩し、咆哮し、鮮やかで生々しい言葉を吐き出すその姿に、THE BACK HORNの山田将司に似たものを感じてしまった。
Too oLD To KNowから立て続けにダディ・ダーリン。
袖でMAKOTOさんが見てたから、ああ、チームBRAHMAN到着してるんだなあって思っていたし、もちろん、それを期待せずにはいられなくて。
だけど、自分が思っていた以上に、茂木さんの言葉によっていろんなものがオープンになっていたせいで、二番から乱入してきたTOSHI-LOWの姿を見た瞬間、涙が止まらなかった。
ダディ・ダーリン、あまりにも素晴らしすぎて、同じ生年月日、同じ血液型、長崎から遠く離れた北関東で生まれ育った二人、その共鳴を見せてもらいました。
しかしなんでTOSHI-LOW半裸だったんだろうな…?

【04 LIMITED SAZABYS】
曲好き!!!!!!メンバー可愛い!!!!!!ファン嫌い!!!!!!
みたいな気持ちになったので、ああ、もう老害に片足突っ込んでんな……と思った。
ジーフリとかBRAHMANとか、やっぱり私と同世代かそれ以上ぐらいの年齢の男性ファンが多いから、ダイブするにも安定しているんだけど、若い女の子が多いバンドはその辺難しいねえ……と思いました。でもダイバーがいるときに逃げると、ダイバーも下で支える人も、お互いに危ないから気をつけてほしいなあ。
あと茂木さんの早口なのに聞き取りやすいMCの後に、GENちゃんのMCはめちゃくちゃ聞き取れなくて笑ったけど、ああ、この子の音楽という血に、わたしのルーツと同じようなものを感じてしまったので、多分そういうところが好きなんだよなあって思った。

【SiM】
本当久しぶりに見たな?!??!!!
でもやっぱりMAH様はお美しかったし、SINくん可愛かったし、すごい元気になった。
SiMも「魅せる」「見られる」というところにめちゃくちゃ力と熱を注いでいるバンドで、そういう意地の張り方はめちゃくちゃ好きです。
MCで「BRAHMANのファンはおじさんばっかりだもんな!!!!!!」ってキレててめちゃくちゃ笑った。わたしは前のエリアで楽しんだので許してほしい…あとGENくんのMCのまねしてて笑った。
元々ライブバンドとして、モンスターの片鱗を持っていたけど、それをさらに凌駕するあまりのかっこよさ、素晴らしかった。
KILLING MEは何度聞いても元気になる。
何より、CROSSFAITHで呼ばれたからには呼び返して、ツインでボーカルはかっこよすぎた。

【BRAHMAN】
初期衝動
雷同
BASIS
box
BEYOND THE MOUNTAIN
不俱戴天
GREATHELP
Answer For...
鼎の問
満月の夕

セットリスト、覚えられていて良かった……。
一か月とちょっと見ていないだけで、こんなに飢餓感を覚えていたのか、と改めて突き付けられてしまった。
初期衝動始まり、そしてこれはイベントだよな?と思ってしまうboxやGREATHELP。そして、わたしとしてはあまりにも個人的な思い入れの深すぎる、Answer For...。
七年前、あの山で聞いたこの曲を礎に、必死に生きてきた。
そしてまた長崎で、BRAHMANというバンドも、わたし自身も、無事に生きて聞けたことが嬉しくて嬉しくて嬉しくて。
来て良かった、と何度も何度も思った。セットリストが良かっただけじゃない。
長崎という街で、決してライブハウスにも地理的にも恵まれていない街で、そこで必死に反骨精神一本で必死に抗っているバンドのフェスで、最強の”ハードコアパンクバンド”が見れた。それだけで幸せだった。
しっかし、多分間違いなく最年長であろうMAKOTOさんがあれだけ暴れて吠えて弾く姿が本当美しくて目が離せなかった。
みんなBRAHMANというとTOSHI-LOWっていうけどさ、やっぱり私にとってはMAKOTOさんが最強で最高なんですよ。プレイヤーとして、パフォーマーとしてあまりにもすごすぎて、ぐっと心をつかんで離さない。
一秒目を離すと本当視界からログアウトしてますからね、あの人。
何をしでかすか分からない。それでいて、プレイヤーとしては間違いなく最強。そんなところに惚れて今後も追っかけるんだよなあ、と思った日でした。

【HEY-SMITH】
ヘイスミ、今年スカジャンにも出るんだね!長崎好いてくれてて本当にありがとう…としか言えない。
楽しさであれば断トツ、華やかさでも断トツ、とにかく踊ってしまうグッドミュージックは良かったなあ!
でもさすがにBRAHMANで力尽きていたので(BBA)、後ろで晩御飯がてら見たけど、良いなあって毎回思う。
ただ、この時に、二メートル近くあるテントが前にあると見づらいなあとちょっと思った。

【SHANK】
SHANKとの付き合いはかれこれ十二、三年ぐらいで、ただしがっつり追いかけていたわけではないのだけど、同郷・同世代というところもあって常々動向は気にしているんですよね。
特にここ近年はBLAZE UP NAGASAKIというイベントを始めていて、最初あれだけメンツ以外悪いところしかないようなイベントから神の島を経由して、ハウステンボスでやれるほど大きなフェスに成長してくれたのは本当にすごいし、長崎の誇りです。
十年ぐらい前にキャパ200ぐらいしかないstudio Do!で見て、それが5000人近くいる人たちの前で歌っている姿、ぐっと胸を掴まれる素敵な光景でした。
あとやっぱりKnockin' on the doorやられると長崎出身はきゅんとしちゃうね。


本当音出し止められる二十時ギリギリまでやってくれたSHANKのみなさん、そしてワンステージでありながらオンタイムで進めてくださったイベンター、スタッフのみなさま、ダイバーやむなしのメンツなのに下はコンクリートだからこそ怪我をさせないように動いてくれたセキュリティの方々に多大な感謝をしたいと思います。
BLAZE UP NAGASAKI、最高の初夏フェスでした!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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