20170729主要五紙社説一覧

本日主要五紙の社説です。

5紙で8本の社説ですが、取り上げられているのは2点のみ。

全紙で取り上げているのが「稲田防衛相の辞任」。毎日と朝日はこの件にのみ集中。

日経・読売・産経は上記に加えて「核のゴミ処分地問題」を取り上げています。

稲田防衛相(政治家)辞任では、防衛省事務次官(官僚トップ)、陸上自衛隊陸上幕僚長(陸上自衛隊トップ)も辞任しています。

三営業本部制を取る会社に例えれば、CEO・CFO及び営業本部長の一人が同時に辞任するということでしょうか。

異常な事態です。

この事態を招いた原因は「防衛省における隠蔽体質」と「状況判断の甘さ、辞任に至った判断プロセスの問題」の二点だと思っています。

前者はこの問題を発生させた根幹であり、後者はこの問題を大きくしてしまった原因にあたります。

「辞任でけじめをつけました」では終わりません。上記二点をしっかりと見直し、今後、同じような問題が起きないようにして頂きたいと切に願います。

三トップが辞任という状況下、北朝鮮が7月4日以来となる弾道ミサイル発射を28日深夜に断行しました。

外国からの侵略行為に国家・国民の生命・財産を物理的に守るための組織である防衛省と自衛隊。

この組織に対してしっかりとしたガバナンスを効かせる必要があることに異論はないと思います。

そういった点を踏まえて、憲法改正論議では、与野党ともに建設的な議論を進める必要性があります。

さて、「トイレなきマンション」と原子力発電所は皮肉られます。理由は発電のために使用した核燃料から出た「核のゴミ」をどう処分するかが決まっていないからです。(一時的な中間貯蔵施設があるのみ。)

特に「どこ」に処分(=保管)するかが重要な問題となっています。高濃度のゴミの場合、放射性物質が出なくなるまでの期間が万年単位だからです。(ヨーロッパ各国では地層処分施設の管理期間を10万年としています。)

今回「経済産業省」から、この核のゴミを地下深くに埋める最終処分(地層処分)について、国民全体で考えるための『科学的特性マップ』が公表されました。(経済産業省資源エネルギー庁公表HPのURLは以下のとおり。)

http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/nuclear/rw/kagakutekitokuseimap/

国土を四段階に分けて色塗りしており、もっとも好ましいとされた区分が国土の約3割を占めます。

ここから、どう候補地を絞りこんで、決定していくのか地元自治体との「丁寧な」話し合い・議論が求められています。

なお、今後、原発を廃止するとしても「核のゴミ」は既に出てしまっています。少なくとも今あるものをどこにどう処分するかの議論は必要です。

ちなみに個人的には、このマップが「経済産業省」から公表された点もポイントの一つだと思っています。

原子力規制委員会を傘下におく環境省や、地理関係を携わる国土交通省ではなく、エネルギー政策を考える資源エネルギー庁を傘下におく経済産業省から公表されました。

<社説一覧>
日経:自衛隊の隠蔽体質ただせぬ政治の無力/核のごみ処分地をどう絞るか
http://www.nikkei.com/news/editorial/

読売:稲田防衛相辞任 体制刷新で混乱に終止符打て/地層処分マップ 科学的な理解を深める契機に
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/

産経:稲田防衛相の辞任 国の守りは大丈夫なのか/科学的特性マップ 最終処分に至る第一歩だ
http://www.sankei.com/column/newslist/editorial-n1.html

毎日:陸自日報問題で稲田氏辞任 文民統制に疑念を招いたhttps://mainichi.jp/editorial/

朝日:陸自PKO日報問題 隠蔽は政権全体の責任だ
http://www.asahi.com/news/editorial.html

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