ファイブレインは いない。

ファイブレイン:あらゆるパズルを極め、神のパズルに挑む資格を持つ人、またはその称号。

「ファイブレイン 神のパズル」というアニメがある。簡単に言えば世界の究極の真実を求めてパズルで戦う、というストーリー。どういうことなの、と思うかもしれないが、実際パズル能力を高めた結果、死を克服したり過去を操れるようになるアニメなのだ。
さて、私はこのアニメにハマり、いろいろ噛み合ったのかパズル能力も相当高くなった。なのでせっかくなら、作中で示されたパズル最強の称号「ファイブレイン」に少しでも近づいてみたい。

パズル能力が高い、とはどういうことだろうか。作中では見せ場を作るために「複雑なパズルを早く解く」「アクシデントや理不尽にも対応できる」「美しく整った答えを導き出す」などが挙げられている。これが本当にパズル能力の高さを示すものかというとちょっと違う。
そもそもパズルは、「理論立てて考えれば必ず1つの答えを得られる」というものだ。つまり、ひらめきや知識の差はあれど、理論立てて考えられる人は必ず答えに行き着く。じゃあどこで差がつくのかと言うと「速さ」と「演算能力」と「直感」だ。バババッと解ける人はそりゃ強いだろうし、頭の中だけで答えを導ける人も強いし、数多くある選択肢からなんとなくで正解を選べるとかっこいい。作中の強キャラはこういう方面で強さを演出されていた。
しかしこれ解く側の強さであって、作る側の強さではない。パズルを作るなんて作業は、それはもう解く以上に地味で、とてもアニメにしたら映えないからあまり書かれなかった。でもそこには、違った強さがある。
簡単に言えば、違いは解くとき以上に時間を使えるという点だろう。作る側は楽しい問題、難しい問題、かっこいい問題などを、知識と根性と時間を使って生み出す。解くときのことを想像し、やりたいことが上手く伝わるような問題に設計し、調整を重ねる。ある意味これも、「正解の問題」を見つけるという意味ではパズルを解いているわけだ。では、この作る側が強くなるとはどういうことだろうか。やっぱり速さやひらめきだろうか。

そう考えながらパズルを解いたり作ったりし続けてきたが、やっぱりパズル最強なんてのはないと思う。確かに何かしらの才能があれば、直感や演算が突き出ていることもあるかもしれないが、それだって結局早い遅いくらいの差しかない。そのアニメはバトルものだから、そのステータスがそのまま強さに直結するが、私は早さや直感で誰かと競うシーンは今のところない。将棋とかはこういうのに近いが、あれはルールを複雑にして知識量で競うもの。パズル的に正解出そうとしたら必勝法を求めることになるし、そんなことできる人は今のところいない。自力でできる人がいたらそれが本物のファイブレインかもしれない。
だから、せいぜい「初見の問題に対応できる能力」さえ身につけたら、もうそれ以上先には行けないと思う。ここから先はフィクションの領域。ということで私はそこまで行ったから満足しました、というお話。

あ、満足とは言っても、早解きとか直感とかはどんどん鍛えたいから、対戦相手は募集中です。将棋クラブとかとも違うから、どこに行けば戦えるか知ってる人は教えて下さいな。

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