男性が男性と踊っているときにBGMで流れていてほしい曲7選

 私のフェチの一つとして男性と男性が音楽に合わせてダンスしているのを見るのが大好き、というものがあります。この場合の「ダンス」は、一人一人が軽く体を揺らす感じというよりは(ダンスの定義なんてナンセンスなことをしてしまい申し訳ありません。便宜上)、手に手を取って踊るワルツ的なやつです。ダンス中の音楽は雰囲気を作る上でやはり大事なポイントであるので慎重に選びたいところですね。というわけで洋楽と邦楽から合わせて7曲ほど選んでみました! 皆さんも男性と男性が踊っている場面をイメージするとき、あるいは自分が誰かと踊るときの参考にしてみてください!(^^)!

Tiny Dancer / Elton John

1曲目から大本命を出してしまいました。
私のフェチの話を繰り返してしまい恐縮ですが、男性と男性がダンスを踊るときに流れている曲は、ある特定の女性がテーマになっていればいるほど良い、という持論を持っているため、このような選曲に相成りました。メカニズムが全然わからないのですが、男性と男性がダンスしているときに流れる曲がある特定の女性について歌っているものだと頭の中のミラーボールがぐるぐると回りだし、いてもたってもいられなくなります。ドラゴンカーセックスとかと同じか。仕組みなんて誰にも分らないよね。
話を戻しますがTiny Dancerはエルトン・ジョンの作品の中ではかなり有名な曲で、映画にも使われています。「あの頃ペニーレインと」とかが有名ですね。
やはり最近だとエルトン・ジョンの半自伝的フィクション映画「ロケットマン」での使われ方が印象的でしょうか。この曲はエルトンの音楽制作上の相棒かつ作詞家のパートナー、バーニー・トーピンが、当時の恋人でのちの妻となる女性へ向けて書いたものだと言われています。映画内では、バーニーに片思いしているエルトンが、彼とモデルの女性が暗がりに消えていく後ろ姿を見つめつつ、自らの失恋を確固たるものにするさいのBGMとして使われています。歌詞的には失恋ソングでもなんでもないのですが、使い方によって作中随一の失恋ソングに昇華させているんですね。
どういう基準で曲を選んでいるのかと言うと、まあ八割がたフィーリングなのですが、やはり一人の女性について歌っているという部分が大きなポイントになります。女性像が具体的であればあるほど高得点です。その点、Tiny Dancerで歌われている「彼女」は、仕事から行動から仕草まで事細かに歌詞に記されていて完璧ですね。
失恋する直前か、失恋した直後のダンスで流れていてほしいな。失恋するまで自分の感情にも気づかなかったレベルの淡いやつがいいです。皆さんもそう思いますよね。どういう状況?まず男性と男性が踊るシチュエーションってなに?出身は?恋人はいるの?調べてみました!(*^-^*) 青春時代に洋楽聴きまくったせいで脳がプロムの呪いに侵されていて、プロムみたいな暗くてキラキラした場所でメロウな音楽に乗って踊ることに異常な物語性を感じちゃうんですよね。通常プロムにはたくさん人がいますが、この曲で踊るときは人がいない方がいい。プロム終わりの装飾が剝がれかけた会場とかがいい。ずっと一人でなんの妄想を書いているんだろう。こんな状況なのに毎日東京に通っているせいでおかしくなっています。電車の中ってこういうこと考えるのとツイッター以外娯楽ないんで。
皆さんも歌詞が気になるところですよね!親切なので和訳を乗せようと思います。親切なので。ただ文法的にも分脈的にも私の和訳にケチを付けるのはやめてください。違和を感じたらそれを押し殺し、ご自身で和訳して公開してください(喧嘩)。


Blue jean baby, L.A. lady
Seamstress for the band
ブルー・ジーンズを履いた、LA出身のあの娘
バンドの衣装係をしてる

Pretty-eyed, pirate smile
You’ll marry a music man
かわいい瞳に勝気な笑み
きっとミュージシャンと一緒になるんだろうね

Ballerina, you must’ve seen her
Dancing in the sand
バレリーナのようだ、君も目にしただろう
砂の中で踊る彼女を

And now she’s in me, always with me
Tiny dancer in my hand
そして今、彼女は僕のそばに いつも僕の隣に
僕の腕の中の小さなダンサー

Jesus freaks out in the street
Handing tickets out for God
通りでは狂信者が
神のもとへ向かうチケットを配ってる

Turning back, she just laughs
The boulevard is not that bad
振り返って、彼女はただ笑う
大通りもそんなに悪くはないよね、と

Piano man, he makes his stand
In the auditorium
ピアニストの彼は
行動でスタンドを立てている

Looking on, she sings the songs
The words she knows, the tune she hums
彼女が歌うところをぼんやりと眺めている
彼女が知っている言葉、彼女が口ずさむ音楽

But oh how it feels so real
Lying here with no one near
Only you and you can hear me
When I say softly slowly
ああでも、こんなにも本物だと感じる
誰もいない場所に横たわって
君だけだ、僕の声が聞こえるのは
優しく、ゆっくりと語りかけるとき

Hold me closer tiny dancer
Count the headlights on the highway
Lay me down in sheets of linen
You had a busy day today
もっと近くに抱き寄せてくれ、かわいいダンサー
高速道路に光るヘッドライトを数えて
リネンのシーツに僕を寝かせてくれ
今日も大変な一日だったね

“You had a busy day today”というフレーズが最高ですよね。ラブソングっていうより労わりの歌なんですよね。ダンスって人生への労わりなのでこんなにマッチするのかもしれないですね。自分たちが蚊帳の外の曲でメロウに踊る男二人が、見たいよ~。ワルツっぽい感じでくるくるしかしゆっくり踊ってほしい。キャンドルしか明かりがないようなところで。これから訪れる失恋の予感を振り払えないまま素晴らしいだけの「いま」に身を任せる行為←これがダンスの本質です。は?
【警告】ここから先ずっとこんな感じなんで注意してください!


Debra / Beck

私がDebraを大好きなのは周知の事実ですよね。Debraは1999年に発売されたBeckのアルバム、”Midnight Vultures”に収録されています。このアルバムはいつものベックのごちゃついた感じにファンクやR&Bなどの要素がふんだんに盛り込まれていて聞きごたえがあるのでオススメです。
これは「デボラ」って名前の女の子へ向けたラブソングなんですが、Tiny Dancerと比べるとかなりふざけてます。というかこれギャグ曲なんですよね。壮大な曲調とかメロウなイントロとか音楽的な全てをフリにつかったベック渾身のジョークです。なんせサビの歌詞が “I want to get with you, and your sister. I think her name is Debra”ですから。ズコーポイントをめちゃくちゃ分かりやすく作ってくれているんですね。タイトルにもなっている「デボラ」ってそっちかい、という。
とにかくこのプリンスチックな曲の展開と歌詞のチープさが抜群にマッチしている最高の曲がDebraです。しかしメロディだけ聞いている分にはダンスにうってつけの夢見がちかつきらきらしたR&Bサウンドなのが憎いところですね。これはすごくジャンクかつチープ場所で、とてつもなく煌びやかな正装をした男二人に踊ってほしいな。ダイナーとかで。ダイナーで踊るのってパルプ・フィクション以外の作品では禁止されているらしいです(嘘情報)。歌詞にも出てきているJC Penney(ショッピングモール)とかも舞台としてはいいですよね。業務終了後の大型モールでこの曲で踊るのよすぎるだろ!!!!!!!! 書いているうちにめちゃめちゃいいことに気づいてしまいこの感嘆符の量です。この曲はこれで行きましょう。
それではこの歌も歌詞の和訳をしたので載せておきますね。Beckがふざけて書いているのは一目瞭然ですので意味不明な部分があっても文句はBeckに言ってください。みなさんのために訳注も入れておきました。なんて優しいんだ……。


I met you at JC Penney¹
I think your name tag said "Jenny"
I could step to you with a fresh pack of gum
Somehow I knew you were lookin' for some
きみと出会ったのはJC Penney
名札にはたしか「ジェニー」ってあったよね
きみに歩み寄ることだってできたんだ
どうしてかわかったからさ きみが何か探してるって

1:JC Penneyはアメリカにあるショッピングモールの名前です。比較的安価な品揃えで有名です。

Like a fruit that's ripe for a pickin'
I wouldn't do you like that, Zankou Chicken²
Cause only you've got a thing
That I just got to get with
I just got to get with you
And you know what we're gonna do
まるで収穫を待って熟れてるフルーツみたい
きみにそんなことしないよ、ザンコウ・チキン
だってきみしか持っていないものこそが
僕が手に入れなきゃならないもの
とにかく一緒にいたい 
これからどうなるかは分かるよね

2:ザンコウ・チキンというのはアメリカのロサンゼルスに実在しているレストランです。Ripe for a pickin’とZankou chickenで韻を踏んでいるんだと思います。

I want to get with you
And your sister
I think her name's Debra
きみと一緒にいたいんだ
それからきみの姉妹とも
確か名前はデボラだったっけ

I pick you up late at night after work
I said "lady, step inside my Hyundai"³
I'm gonna take you up to Glendale⁴
Gonna take you for a real good meal
仕事が終わったら迎えに行くよ
そしてこう言うんだ「レイディ、僕のヒュンダイ へどうぞ」
グレンデール に連れていってあげる
すごく美味しいディナーをご馳走するよ

3:ヒュンダイは韓国の大手自動車メーカーである現代(ヒュンダイ)自動車で作られた車のことですね。

4:ロサンゼルスにある都市の名前です。

Cause when our eyes did meet
Girl you know I was packin' heat
Ain't no use in wastin' no time gettin' to know each other
You know the deal
Cause only you got a thing
That I just got to get with
だって僕らの目が合ったとき
わかるだろ、僕の身体は熱を持って
お互いを知るのに時間を持て余す余裕なんてない
知っているんだろ
きみしか持っていないものこそ
僕が手に入れなきゃいけないもの

I want to get with you
And your sister
I think her name's Debra
きみと一緒にいたいんだ
それからきみの姉妹とも
確か名前はデボラだったっけ

Lovely lady
Girl you drive me crazy
かわいいひと
きみが僕をおかしくさせる

歌詞キモ。歌詞ってキモければキモいほどいいらしいです。岡村靖幸が言ってました。プリンスから続く歌詞と歌い方がキモイ歌手の系譜についてはイラレで図解させていただきましたので下の図をご参照ください。

アートボード 1-100

まず始まり方が最高ですね。「きみに会ったのはJC Penney」。こんなに壮大な曲なのに歌詞の内容自体は安いショッピングモールで出会った名前もあやふやな女の子との恋愛なんですよ。きっと十五年くらい経ったら顔とか忘れてるんだろうな。
この曲でのBeckは普段あまり使わないファルセットを多用、というかほぼファルセットで歌唱していてもろにPrinceをオマージュしていますね。後半へ行くにつれて声色も必死になっていってライブだと普通に終盤泣いたり発狂したりします。またライブ演出を見ていただければわかる通りこの曲のテーマって”seduce”なんで、天から降りてきたベッドの上で身をくねらせながらパフォーマンスしたりもします。こんなジャンクな曲なのにテーマが誘惑なのよすぎるだろ。マックで飲むワインみたいだね(マックでワインを飲んだことはありません)。ちょっとふざけながらもハッとする瞬間がありつつの男性同士のダンスにうってつけです。ティーンエイジャーくらいが一番合うかと思いきや、三十代四十代くらいでも普通に行けますね。まあ世代的にもそのくらいですからねこの曲。
歌詞を見ればわかると思いますが固有名詞が多いのもポイント高い。ロサンゼルスの地元ネタというかローカルレストランの名前出してきたり。歌詞なんて具体的であればあるほどいいですからね。Debraにのって男二人が踊るのにうってつけの大型スーパーの名前を知っていたら皆さんぜひ教えてください。コストコとかもいいね。コストコにケーブルライト飾りまくってすごいチープなプロム会場みたいにして、そこで踊るのはどうですか?やべーまたプロムに思考乗っ取られてました。この呪いいつ解けるんだ。ったく……(暗黒微笑)

Beautiful Ones / Prince

 そろそろ天下のプリンス殿下の曲をご紹介させていただくか。殿下の曲は全て踊るために作られているようなものなのですごく悩みましたが、「特定の女性について歌っている」度が熱烈だったのと曲調が良すぎるのとでBeautiful Onesを選曲させていただきました。
 これもDebraと似ていて誘惑の歌ですが、Debraよりは真剣です。真剣を通り越してもう最後のほうは命とか賭けそうな勢いになってきます。
ちょっとエレクトリックな電子ドラムの音が特徴的ですね。水滴に滲んだ紫色のネオンが一番似合う曲です。曲調も壮大で、ロマンチックで、弾き語りにもってこいという感じですね。こんな曲弾き語りできんのプリンスだけだが……。
これも特定の女性に向けてのラブソングですが、肝心の女性についてはそこまで明らかになっておらず、とにかく相手を口説くことを第一目標にしている感じです。ほぼ歌詞の内容は泣き落としと脅しです。殿下は結局女性を落とすには泣き落としと脅しが一番効果的だということを分かっているんでしょう。状況としては彼女を狙う恋敵がもう一人いて、そいつと俺とどっちを選ぶんだ、と迫っている、というお決まりのアレです。最後のほうは真剣白刃取り対決みたいな迫真のパフォーマンスになってきますので、気になる方は映画”Purple Rain”をご鑑賞ください。
この曲は比較的ちゃんとしたバーみたいなところでじっくり踊ってほしいですね。多分この曲で踊るの気力と体力がいると思うので。ものすごくメロウできらめいた曲ですのでちゃんとした格好でダンスしてほしい。タキシードとか。後半のめちゃくちゃ盛り上がるところはちゃんと踊りとしても盛り上がってほしいです。ヤバい。ダンスの知識が「Shall We ダンス?」止まりだから語彙が乏しすぎる。体動かしゃダンス(格言)。これはTiny Dancerとは違ってものすごく人口密度が高い場所でもぞもぞ踊ってほしいです。もうほぼ身動きとれないくらいの場所がいいかな。煙と二酸化炭素とスモークのせいで、かなり顔を近づけないと表情がわからないような地下がいいです。二人の顔が赤とも青ともつかない光に照らされている間中お互い「なんだこれ……」と「いずれこうなってたな」の間を行き来していてほしい。おい表現の天才表れちゃったな。いずれこれを使って二次創作を書くと思いますので皆さんお楽しみに。
この曲も和訳しました。プリンス殿下の歌詞を和訳するのは岡村靖幸の歌詞を英訳するくらい難しいことなので、多少の難には目をつぶりましょう。GOGOGOGO!!!!!!!


Baby, baby, baby
What's it gonna be?
Baby, baby, baby
Is it him or is it me?
Don't make me waste my time
Don't make me lose my mind baby
ベイビー
これからどうなるんだろうね
ベイビー
彼をとるのか、俺をとるのか
時間を無駄にさせないでくれ
もうおかしくなりそうなんだ、ベイビー

Baby, baby, baby
Can't u stay with me tonight
Oh baby, baby, baby
Don't my kisses please u right?
U were so hard 2 find
The beautiful ones, they hurt u everytime
ベイビー
今夜は一緒にいてくれないか
ベイビー
僕のキスじゃ満足できないのか
きみみたいな人はそういない
美しい人、みんながきみを傷つけるだろう

Paint a perfect picture
Bring to life a vision in one's mind
The beautiful ones
Always smash the picture
Always everytime
完璧な絵を思い浮かべて
頭の中に理想通りの人生を描くんだ
美しい人
いつもきみがそれを粉々にしてしまう
いつだって

If I told u baby
That I was in love with u
Oh baby, baby, baby
If we got married
Would that be cool?
もしも僕がこう言ったらどうする
きみに恋しているんだって
ベイビー
もし僕らが結婚できたら
すてきだと思わないか

U make me so confused
The beautiful ones
U always seem 2 lose
きみのせいで霧中にいるようだ
美しい人
きみには叶いそうもないよ

What's it gonna be baby?
Do u want him?
Or do u want me?
Cause I want u
Said I want u
Tell me, babe
Do u want me?
I gotta know, I gotta know
Do u want me?
ねえ、どうするんだ?
彼がいいのか
それとも僕がいいのか
だって僕は君が欲しい
君が欲しいんだ
教えてくれ
君は僕が欲しいのか
知りたいんだ
僕がいいのか?

Baby, baby, baby
Listen 2 me
I may not know where I'm going baby
I said I may not know what I need
One thing, one thing's 4 certain baby
I know what I want, yeah
And if it please u baby
Please u, baby
I'm begging down on my knees
I want u
Yeah, I want u
Baby, baby, baby, baby
I want you
Yes I do
ベイビー、よく聞いてくれ
これからどうなるのかなんて僕自身もわからない
なにが必要なのかすらはっきりしていない
ただ一つ、ただ一つだけ確かなのは
僕が今欲しいものだけだ
ねえもしきみが望むなら
望むのならば、ベイビー
僕は跪いて希おう
君が欲しい
ベイビー
君が欲しいんだ
本当だ

プリンスの曲を和訳している時ほど日本語って無力だなと思うときないよ。というかもしかしてこの曲相手の性別限定がされていない? girlとかherとか使われていないので対象の性別がわかりませんね。殿下にしては珍しい。
「美しい人」への焦燥じみた憧憬がたくさん詰まったいい曲ですね。スローテンポなのになんでこんなに焦りを感じるんだろう。Do you want me? からの数フレーズはもうほぼ叫んでますからね。音割れプリンス(音割れポッター)。
映画「パープル・レイン」のパフォーマンスでプリンスがこの曲を弾き語りしてくださるんですが、途中からピアノ放り出して情熱的に歌い始めます。最後には床に倒れ伏して胸をかきむしりながら怒鳴ります。ライブパフォーマンス中に発狂してめちゃくちゃになる人が大好きだから最高でした。アマプラにもネトフリにもありませんが、古代遺跡ことTSUTAYAで借りてみんなも見よう!

Mother We Just Can’t Get Enough / New Radicals

これは今までの曲と打って変わってアップテンポなメロディですね。ポップというよりロック寄りかな。EMOの文脈を強く継いでいるというかその源みたいな曲だと思います。
New Radicalsは2000年代初頭に売れたロックバンドで、楽曲がGleeに使われていたりと結構有名なんですが、一つだけアルバム出して解散したせいで伝説みたいになってます。まるで尾崎豊のようだね。曲の内容も尾崎みたいな感じです。
最も有名なのはU2のボノが絶賛したことで名高い”You Get What You Give”でしょうが、ここはあえてこの曲を選ばせていただきました。なんせタイトルが”Mother We Just Can’t Get Enough“ですから。こういうテイストの曲で「母親」に呼びかけているのがすごすぎる。もちろんこれも特定の女性について歌っている曲というカテゴリーに入れさせていただきます。歌詞の対象は「きみ」でも、サビで呼びかけているのは母親なんで。
この曲で踊るのはやっぱティーンエイジャーかな……。Mother We Just Can’t Get Enoughですからね。ふらついていて足元もぐらぐらな十代の時期を預けあうような二人が森の奥とかで踊るやつがいい。これに関してはダンスっぽいダンスというよりはもうほぼ暴れているみたいな雰囲気の方がいいな。あーでもこの曲自体のMVを模倣して大型モールで踊るのもいいですね……またモールかい!!!!!! この記事書いてる意味なくないですか? いい感じの曲にのせて男二人にモールで踊ってほしいだけの人じゃん。まあいいや。事実なので。この曲のMVは若者がモールを占拠して大人たちをペット用のケージとかに閉じ込めながら好き放題する、というまあまあ過激なやつなんですけど、それをオマージュする感じで誰もいないモールで踊るのもいい。無人スーパーマーケット概念が好きすぎる。
この曲も和訳しました。どぞ(*^-^*)

 すみません、この曲だけ公式動画がなかったので映画のMADで勘弁してください。Spotifyでは問題なく聴けます。

There's something about you
Tears me inside out whenever you're around
There's something about you
Speeding through my veins until we hit the ground
きみの中の何かが
いつでも僕のことを内側からめちゃくちゃにする
きみの中の何かが
ぶっ倒れるまで僕の血管を駆け巡る

And there's something about this rush
Take it away
It made me feel so good
I get a feeling, you get a feeling, we got a feeling
Like we could die
この焦りの中の何かが
僕から奪っていく
すごく気分がいいよ
予感がするんだ きみもその気だろ 僕らもその気だ
このまま死ねるかもってね

Mother
We just can't get enough
We just can't get enough
Lover
We just gotta get it up
We just gotta get it up
母さん
こんなんじゃ全然足りない
もっと欲しいんだ
恋人よ
もう起きないといけない
目を覚まさないと

There's something about you
That tears me inside out whenever you're around
And there's something about you
That makes me fly
You're a heart attack, just the kind I like!
きみの中の何かが
いつでも僕のことを内側からめちゃくちゃにする
きみの中の何かが
僕に翼を授ける
きみは心臓発作みたいだ とびきり僕好みの!

And there's something about your kiss
Haunting and strange
That makes me feel so good
I get a feeling, you get a feeling we got a feeling
Like we're alive
きみとのキスの中の何かが
奇妙に僕の心の中から消えない
すごくいい気分なんだ
予感がする きみもわかるだろ 僕らもそう思う
まるで生きているみたいだってね

Mother
We just can't get enough
We just can't get enough
Lover
We just gotta get it up
We just gotta get it up
母さん
こんなんじゃ全然足りない
もっと欲しいんだ
恋人よ
もう起きないといけない
目を覚まさないと!

This world ain't got too much time
But baby I'm fine because maybe you're mine
We just can't get enough
You better give up, come on and give up
Give up your life
It's you for me, and me for you
You make my dreams come true
Off the wall, I wanna say
I gotta be with you now, baby
You're on my mind all the time
I found a million dimes
I rolled the dice, and lost them all
And baby I just dont mind, mind, mind, mind—
もうこの世界にはそんなに時間がない
でもベイビー僕は大丈夫だ だってきみは僕のものだから
こんなんじゃ足りない
諦めたほうがいい さあ諦めよう
人生を諦めよう
きみのための僕 僕のためのきみ
きみが僕の夢を現実にしてくれる
馬鹿げたことをしよう 今声に出したい
今きみと一緒にいたい ベイビー
いつだって僕の頭からきみは離れない
小銭ばかりだけど大金を見つけた
サイコロを振って全部それをダメにした
だってベイビー そんなのどうだって、どうだって、どうだっていい!

Social Security Number, please
Credit card number, please
Money, please
Money, please
Money, please
Soul, please
Please deposit 85 dollars
For the next three minutes, please
Aww yeah, alright, feel good tonight
「社会保障番号を入力してください」
「クレジットカード番号を入力してください」
「お金を入れてください」
「お金を入れてください」
「お金を入れてください」
「魂を入れてください」
「85ドルを入金してください」
「今から三分間の間に手続きをお願いします」
ああ、そうだね、今夜はすごく気分がいいよ

訳してみてわかったけどすごいセカイ系ですねこの曲。全て「きみ」と「僕」で。生きることに前向きなのか後ろ向きなのかよくわかんないところもポイント。社会や大人に対する不信感をストレートに歌詞にしているところに時代を感じる。
こんなに希望的な曲調で盛り上がるのにサビ近いところで”give up your life”って言っちゃってますからね。なんなんだ。最後の”Social Security Number Please”から始まる一節も中二病まるだしなんですが当方も中二病ですのですごく魅力的に聞こえてしまいますね。十七歳なのかな。あと呼びかけるのがMotherとLoverなのがすごい象徴的な気がする。個人的な感想というか憶測なんだが歌詞中のYouはMotherでもLoverでもないんじゃないでしょうか。しかし「こんなんじゃ足りない」「目を覚まさないと」と主張する相手は母親と恋人という。そこにこの曲の肝がつまっている気がします。皆さんはどう思いますか(*^-^*)
(*^-^*)←この顔文字使いすぎて真剣に使ってると思われてたらどうしよう。冗談なんで真に受けないでください(マジレス)。

Hurricane Jane / Black Kids

この曲も現代寄りのプロムミュージック。プロムミュージックとは私が勝手に定義した音楽ジャンルで、シニアプロムのBGMで流れて居そうな曲のことを指します。Black Kidsも超有名な代表曲が一つ存在するタイプのバンドで、”I’m Not Gonna Teach Him How To Dance With You”がこのバンドの「顔」ではあるんですが、あれは女性と女性のアンセムなのでここではHurricane Juneを選ばせていただきました。タイトルからわかる通り、”Jane”という特定の女の子について歌っている曲です。
この曲はやっぱり高校のプロムで流れているのがいいよね。お互いプロムとかに縁がないけど学校行事だから仕方なく参加しているナードの男子が踊るときの曲ということで。なので今までとは違って、しっかり体を寄せて目を見ながら踊るというよりは離れた場所で個々で踊っているときにふと目が合う、位の距離感がちょうどいい曲ではあります。まあこの曲でがっつり踊っていただいても全然かまわないんですけど。
この曲も和訳しました。英語って難しいなあ(あたりまえ体操)。


Jane, I've made it plain
Although I'm faded as a ghost
I want you here inside me
Say the word
Oh, you've been playing nice
But I can see it in your eyes
You're thinking, "Christ
He's everybody's girl."
ジェーン、僕ははっきりさせたんだ
いま幽霊みたいに消えかかってるところだとしても
僕の中にもぐりこんでなにか言ってよ
ああ、外面を取り繕ってるみたいだけど
きみの目を見ればわかるよ
こう考えてるんだろ
「ねえ神さま!彼なんてみんなのオモチャじゃん」

You can't spend the night
「あなたは夜をやり過ごせないよ」

Jane, I've seen you at the club
You were tearin' up the rug
With no regard for form
You're such a brute!
You had a ready elbow
For the girls you hate
Or just don't know
You head-butt me
Cos you thought it was cute
ジェーン、きみのことをクラブで見かけたよ
なりふり構わず絨毯を引き裂いて
まるで獣みたいだった!
いつだって肘を構えていたよね
嫌いな女の子や、新入りをぶつためにさ
きみは僕に頭突きをする
それがかわいい仕草だと思ってるんだろ

You can't spend the night
Yes, I'm sure you're right
You can't spend the night
Yeah, I'm sure you're right
You can't spend the night
Yes, I'm sure you're right
But we could spend the night together
Or alone, that would be better
「あなたは夜をやり過ごせない」
ああ、それくらいわかってるよ
「あなたは夜をやり過ごせない」
ああ、それくらいわかってるから
「あなたは夜をやり過ごせない」
ああ、それくらいわかってるってば
でも一緒に夜を過ごすことはできるだろ
「それなら一人のほうがましだよ」

It's Friday night and I ain't got nobody
Oh, what's the use of making the bed?
I took something and it feels like karate
It's kicked me down and left me for dead
It's Friday night and I ain't got nobody
So what's the use of pulling a shape?
I put what I want, when I want, in my body
I'm never gonna give what I take
金曜日の夜なのに隣には誰もいない
ベッドを綺麗にしておいた意味がない
僕が手にしたなにかはまるでカラテみたいだ
僕を蹴り倒して、死体のまま置き去りにする
金曜日の夜なのに隣には誰もいない
じゃあダンスしたってなんの価値もない
僕の身体には、欲しいときに欲しいものしか入れない
絶対僕が手にしたものを明け渡したりしない

Jane, I've seen the pain you've dealt
You've been with all my friends
You tell me guard my heart
I might get hurt
No doubt you'll hurt my feelings
And it's a given I'll be kneeling
But I'm telling myself
That it's gonna be worth it
ジェーン、きみが僕にしてきた仕打ちは知ってる
僕の友達をのきなみ奪って行って
私があなたのハートを守らなきゃ
いつかケガするよって言うんだ
きみが僕の気持ちをめためたにして
それに跪くことになるってわかってるのに
ずっと自分に言い聞かせてる
悪いようにはならないはずだってね

You can't spend the night
Yes, I'm sure you're right
You can't spend the night
Yeah, I'm sure you're right
You can't spend the night
Yes, I'm sure you're right
But we could spend the night together
Or alone, that would be better
「あなたは夜をやり過ごせない」
ああ、それくらいわかってるよ
「あなたは夜をやり過ごせない」
ああ、それくらいわかってるから
「あなたは夜をやり過ごせない」
ああ、それくらいわかってるってば
でも一緒に夜を過ごすことはできるだろ
「それなら一人のほうがましだよ」

It's Friday night and I ain't got nobody
Oh, what's the use of making the bed?
I took something and it feels like karate
It's kicked me down and left me for dead
It's Friday night and I ain't got nobody
So what's the use of pulling a shape?
I put what I want, when I want, in my body
I'm never gonna give what I take
金曜日の夜なのに隣には誰もいない
ベッドを綺麗にしておいた意味がない
僕が手にしたなにかはまるでカラテみたいだ
僕を蹴り倒して、死体のまま置き去りにする
金曜日の夜なのに隣には誰もいない
じゃあダンスしたってなんの価値もない
僕の身体には、欲しいときに欲しいものしか入れない
絶対僕が手にしたものを明け渡したりしない

海外サイトの考察を見るに薬物(ドラッグ)について歌った曲であるという説が支持を集めているようですね。真偽のほどは定かでないですが。しかしBlack Kidsっていつも歌詞の切り口がすごい特徴的というエッジ効いてて感心する。もっと曲出してほしい。
シンプルに歌詞の内容を受け取るとすごく乱暴な女の子と、気弱な男の子のラブソング的なシチュエーションですかね。ラブ感薄いですが。「ハリケーン・ジェーン」というタイトルも女の子のニックネームなんでしょう。日本語にすると台風みたいなあの子というような感じですかね。たった一人の女の子に思春期をめちゃくちゃにされ、それに対して割とガチギレしてる感じなのがすごくいい。満更でもないとかでもなく、普通に嫌で嫌でしょうがないけど力量差がありすぎて従わざるを得ない感じ。この歌詞の「僕」と「ジェーン」が三十代半ばになったときの物語とか読みたすぎますよね。
AメロBメロのぼそぼそ呟くような歌い方から一転、サビは叫ぶように癇癪でも起こしたかの如く声量がデカくなるのいいよね。I put what I want, when I want, in my body←このフレーズ良すぎてタトゥーで彫ろうかと思いました。でもこういう部分とか深読みすると確かにドラッグの曲っぽいな。ミュージシャンがクスリをドラッグになぞらえて歌ってる曲全部名曲説(水曜日)。
この曲に関してはCDから流すよりも生バンドで演奏してほしい。もちろんですがプロム中の話をしています。生歌でさえない男子がぼそぼそ歌っているのがプロムの真骨頂という感じがしますね。誰も歌なんて聞いてないし。ずっといじめられてきた男子がプロム中にジョックと踊る片思い中の気の強い女子(あるいは男子)に対してステージ上から歌う歌って感じがするんですよね。こういうネトフリの映画ありそうだな。まずい。ネトフリでこういう映画しか見ていないことがバレる。次行こう次。

You! Me! Dancing! / Los Campesinos!

 You! Me! Dancing!を人生の標語としてこれから生きていこうかな(心の俳句)。Los Campesinos! は新譜が出たらいまだにCDで買うくらいには大好きなバンドなのですがいかんせん初期と最近で音楽性が違いすぎるんで紹介するときにすごい困りますね。日本のバンドで言うとスピッツをもっとアングラにした感じです。ほの暗さと不安定さがポップに昇華された最高の歌を作る素晴らしいバンドなんですけど、あんまり知られてないですかね。あれ俺またなんかやっちゃいました?(なろう)。とはいえ地元のTSUTAYAには結構あったから日本で人気あるのかもわからん。
 これはかなり初期かつ代表作の一つで、多分彼らの歌の中でも一番有名なやつです。イントロから歌に入るまでの流れが世界一美しいことで有名。洪水あるいは大騒ぎ(全校集会で全生徒がざわついているときのうるささに近い)と表現したくなるようながちゃがちゃしたイントロがギターのカッティングで切り取られ、そこからぱきっと歌が始まっていくところなんかは神が作りたもうたとしか思えませんね。
 この曲は歌詞も素晴らしく、サビ前の” If there's one thing I could never confess
It's that I can't dance a single step”というフレーズはもうこれよりもいい英語知らないよ、と言いたくなるレベル。「ダンス」という行為の神聖さと俗っぽさがこの曲に全部詰まってて最高。
 流石に馬鹿の一つ覚えみたいにモールで踊らせるのはやめて、ゲームセンターとかを舞台にしようかな。無人のアーケードでいろんな機体がきらきら光る中でひそひそと踊ってほしいですね。親友と恋人の間を行ったり来たりしている関係の男子二人がいい。ここで” If there's one thing I could never confess, It's that I can't dance a single step”の神フレーズが光る!!!! 名采配だね。サッカーチームの監督してる気分になってきました(狂人?) イメソンってこう言うこと考えてる時が一番楽しいからね。いつからイメソンの話になったんだろう。
この曲も和訳しました。この曲の和訳ごちゃついてて楽し~。ただサビの訳が難しいですね。それではお楽しみください!(^^)!


The beats, yeah, they were coming out the speakers
And were winding up straight in your sneakers
And I'm dancing like every song he spins is Bis
Or like all my dance heroes would if they exist
And yeah, it's sad that you think that we're all just scenesters
And even if we were, it's not the scene you're thinking of
Just taking props from '90s boy band fashions
All crop tops and testosterone passion
そうさ、スピーカーから飛び出てきたビートが
巻きあがってきみのスニーカーの中に飛び込むんだ
それで僕は踊る DJが同じ曲を二回流したときみたいに
それか僕の憧れのダンスヒーローが実在しているかのように
ねえ、きみが僕らのことみんなミーハーだって思ってるなら悲しいよ
それが事実だったとしても、きみが思っているようなことじゃなくて
90年代のボーイズバンドのファッションをパクった
全部はクロックトップスとテストステロンの情熱だ

If there's one thing I could never confess
It's that I can't dance a single step
ねえ、誰にも打ち明けていないことが一つだけあるんだ
ダンスなんてワンステップも踊れないって

It's you, it's me, and there's dancing
It's you, it's me, and there's dancing
きみがいて僕がいて
それだけでもうダンスさ

Not sure if you mind if I dance with you
But I don't think right now that you care about anything at all
And if only there were clothes on the floor
I'd feel for certain I was bedroom dancing
And it's all flailing limbs at the front line
Every single one of us is twisted by design
And dispatches from the back of my mind
Say, "So long as we're here, everything is alright"
きみと踊ってもいいのかな
でもいまのきみがなにかを気にしているようには見えないし
床に服が散らかっていさえすれば
ベッドルームで踊ってたって確信できるのに
最前列で揺れ動く手足
僕たちはみんな生まれつき捻じれてるんだ
だから心の底からこう言ってみせるよ
「ここにいる限り、全部上手くいく」

And I always get confused,
because in supermarkets they turn the lights off when they want you to leave,
but in discos they turn them on.
And it's always sad to go, but it's never that sad,
Because there's only so many places you're guaranteed of getting a hug when you leave.
And then on the way home, it always seems like a good idea to go paddling in the fountain,
And that's because it IS a good idea.
And were just like, how Rousseau depicts man in the state of nature:
we're undeveloped, we're ignorant, we're stupid, but we're happy.
僕はいつも困り果ててるよ
だってスーパーから出て行ってほしい人がいるとき、みんな電気を消しちゃうだろ
なのにディスコだと電気を点けるんだ
いつだってもう行かなきゃってときは悲しいよ、でもそこまでじゃない
別れ際にぜったいハグできる場所がたくさんあるからさ
それに家へ帰る途中、いつも水槽を泳ぐことができたら最高だなって考える
ねえ、それってめちゃくちゃいいアイデアだろ
ルソーがありのままの状態の人間をこう記したみたいに
僕たちは発展途上で、無知で、ばかだけど、それでも幸せだ

この曲が収録されているアルバム名が”Hold On Now Youngster…”なの完成され過ぎてないか。当アルバムはこの曲以外にも同じような感じのミュージックがたくさん詰まっていて、かわいくて古い服屋の福袋みたいな感じで最高です。”we're undeveloped, we're ignorant, we're stupid, but we're happy” ←これを歌詞の最後に、しかも堂々と、語りで持ってこれるのすごすぎるだろ。覚悟を感じる。
これのMVは一つの文明が発生してから滅亡するまでの様子をポップなアニメーション風に描いていて楽しいのでオススメです。PUI PUI モルカーと同じようなテイストなのでね(詐称)。
しかし段々「特定の女性について歌っている曲」というコンセプトから離れてきましたね。まあすべての曲がそうだとは言っていないので(え?)。ただそうであるとより興奮します、と宣言しているだけなので。こちらを責められても困りますね。文句があるなら同じような記事書いてやり返してください。なんでこんな喧嘩腰なんだろう。別に誰とも争いたくないんですけど……(フェードアウト)。

Mr. Brightside / The Killers

 安心してください。これは特定の女性について歌っている曲なので。全米が誇る執着ソングバンドことThe Killersが堂々トリを飾ります(紅白歌合戦)。
 この曲のテーマはずばり「嫉妬」で、好きな女性が寝取られるところを間近でみせられて僕はマジでもうおかしくなりそうです、というようなことを延々と歌っています。今まで上手くやってきたのにお前のせいでめちゃくちゃだ、というファムファタル概念を多分に含む曲でもありますね。でもすごい一人称の当事者がすごいポジティヴなんで後味よくすっきり聴くことができます。そんなことあるんだ。
 これもイントロが良くて良くて良くて一説によるとこのイントロを5秒聞くだけでランニング4キロと同じくらいの健康的効果が得られるらしいです。こうやって堂々と嘘つくと色々なものを失うのでやめたほうがいいですよね。ただイントロがいいことだけは本当です。オルゴールみたいなギターの音色に叩きつけるような撫でるようなドラムの音が重なり、次の瞬間歌が始まる過程は何度聞いても感動します。あ~一度でいいので生で聴きたい。サマーソニック、頼めるか。
 しかしこの曲は相手の女性について熱を込めて歌っているというよりかは、思い人を寝取られている「僕」の気持ち、正確、辛さに重点を置いて歌っている歌なんですよね。扱いが難しい。Hurricane Janeのときみたいにステージ上から恨みつらみちょっとの優越感をこめて思い人に歌ってほしい曲ではある。あと全然意中の相手じゃない人と踊っているときにこの曲がかかりはじめて、視界の端では思い人と全然知らないやつが楽し気に踊っていて……とかそういうシチュエーションにぴったりなんだよな。なのでちょっと応用編みたいな感じで紹介しますね。この曲ってやっぱ本邦ではNTRのイメージソングみたいになってんのかな(最悪)。余談ですけどこの曲を目を見てまっすぐに歌われたらめちゃくちゃ怖いんだろうな。そんなこと起こりえないが。


I'm coming out of my cage
And I've been doing just fine
Gotta gotta be down
Because I want it all
檻から飛び出してきて
今まで順調にやってきたのに
全てだめになっていく
全部を欲しがったから

It started out with a kiss
How did it end up like this?
It was only a kiss, it was only a kiss
きっかけはたかがキスだったのに
どうしてこんな展開になるんだよ
たかがキスだったのに、たかがキスで!

Now I'm falling asleep
And she's calling a cab
While he's having a smoke
And she's taking a drag
僕が眠りに落ちる寸前
彼女がタクシーを呼んで
やつが煙草を吸っている間
彼女はドラッグに興じる

Now they're going to bed
And my stomach is sick
And it's all in my head
But she's touching his chest
Now, he takes off her dress
Now, letting me go
二人はベッドルームへ消える
腹の底がむかむかしてきた
全部僕の妄想なのに
でも彼女がやつの胸に触れて
やつが彼女の服に手をかける
いっそどうにかしてくれよ

And I just can't look ― it's killing me
And taking control
だって見ていられないんだ、死にそうに辛い
全部持っていかれそうだよ

Jealousy, turning saints into the sea
Swimming through sick lullabies
Choking on your alibis
But it's just the price I pay
Destiny is calling me
Open up my eager eyes
Cause I'm Mr Brightside
嫉妬が聖人の足を海へ向ける
病んだ子守唄の間をかきわけて泳ぎ
きみの言い訳に息が詰まる
でも自業自得なんだろ
運命が僕を呼んでいる
だからしっかり目を見開いて
僕は陽の光を浴びる男なんだから

I'm coming out of my cage
And I've been doing just fine
Gotta gotta be down
Because I want it all
檻から飛び出してきて
今まで順調にやってきたのに
全てだめになっていく
全部を欲しがったから

It started out with a kiss
How did it end up like this?
It was only a kiss... IT WAS ONLY A KISS!
きっかけはたかがキスだったのに
どうしてこんな展開になるんだよ
たかがキスだったのに、たかがキスで!

Now I'm falling asleep
And she's calling a cab
While he's having a smoke
And she's taking a drag
僕が眠りに落ちる寸前
彼女がタクシーを呼んで
やつが煙草を吸っている間
彼女はドラッグに興じる

Now they're going to bed
And my stomach is sick
And it's all in my head
But she's touching his chest
Now, he takes off her dress
Now, letting me go
二人はベッドルームへ消える
腹の底がむかむかしてきた
全部僕の妄想なのに
でも彼女がやつの胸に触れて
やつが彼女の服に手をかける
いっそどうにかしてくれよ

And I just can't look ― it's killing me
And taking control
だって見ていられないんだ、死にそうに辛い
全部持っていかれそうだよ

Jealousy, turning saints into the sea
Swimming through sick lullabies
Choking on your alibis
But it's just the price I pay
Destiny is calling me
Open up my eager eyes
Cause I'm Mr Brightside
嫉妬が聖人の足を海へ向ける
病んだ子守唄の間をかきわけて泳ぎ
きみの言い訳に息が詰まる
でも自業自得なんだろ
運命が僕を呼んでいる
だからしっかり目を見開いて
僕は陽の光を浴びる男なんだから

 “Mr Brightside”←これを和訳するの無理があるだろ。まあなんとなくニュアンスで察しでください。「明るい場所に立つ男」みたいな感じで、要するに開き直ってるんですよね。すごい解決の仕方だな。常人には思いつかないよ。将来大成しそう(言いたい放題)。
 サビのメロディがダンスに向いているというか、舞踏会で流れてる曲っぽいんだよな。すごい馬鹿な語彙で説明してしまい申し訳ありません。なのでやはりワルツ中に思い人のダンスを見つめながら……というシチュエーションが一番いいと思います。最悪のディズニー映画というイメージです。余談ですけれどもこの曲のPVは絶対にヲタクが好きなやつなんで強くお勧めします。この曲をテーマにして映画一本くらいできそうだな。ネトフリ、頼めるか。


番外編
Miami Nights / Work Drugs

 このあたりになってくると「特定の女性について歌っている」要素がほぼなくなるので番外編として紹介させていただきます。この1曲だけなのでご安心ください。ただこの曲の歌詞が本当にボーイズ・ラブでボーイズ・ラブで和訳したくて仕方ないというだけなので。


Hanging tough, Friday nights
First slow dance, still hoping to get it right
I want you to know
A lonely heart, it never can show
Take me back, a need in your eyes
Baby come a little closer, we’ll be alright
One chance, no regrets
I swore to you a promise I’d never forget
なんとか持ちこたえてる 金曜日の夜
手始めのスロー・ダンス まだ決着がつくことを望んでる
きみに知ってほしいんだ
誰にも見せられない孤独な心を
僕を連れ戻してよ、きみの瞳の中に
ベイビー、もう少し近くに来て、大丈夫だから
チャンスは一度、後悔はしない
絶対に忘れたりしないってそう誓っただろ

Take me home
Im ready to fight
This time I know I’ll get it right
Straight talk, where we begin
Go for broke, shut it down and we’ll do it again
家まで連れていってよ
やりあう覚悟ならできてる
今回は正解を選べる気がするんだ
まっすぐ話して、そこから始めよう
当たって砕けて、全部ダメにして
それでまたやり直せる

So take it off, you got the touch
Don’t it feel like heaven, no its never too much
You hunger, for paradise
So you trade Hollywood for those Miami nights
How long, it’s a mystery
Your mind is made up and you wanna believe
You still searching , for emotion
You’re holding on that feeling since the day it was broken
そろそろ出ようか きみもわかっただろ
天国みたいに感じないか いや、まだ足りないか
きみの楽園へ向けた渇望
だからこのマイアミの夜とハリウッドを交換するつもりだね
どれくらいかかるかは知る由もない
決心ならついてるし、それを信じたいはずだ
きみはまだ自分の気持ちを探ってる
壊れてしまった日からずっとそう感じてる

Take me home
Im ready to fight
This time I know I’ll get it right
Straight talk, where we begin
Go for broke, shut it down and we’ll do it again
We’ll do it again
家まで連れていってよ
やりあう覚悟ならできてる
今回は正解を選べる気がするんだ
まっすぐ話して、そこから始めよう
当たって砕けて、全部ダメにして
それでまたやり直せる

Taken
Gets harder to admit
Shakin, why don’t you let me quit
Breaking, coming back
Way down low,
Feels like years since we ran the show
奪われると
認めるのが難しくなっていく
振り切って もうこんなことはやめにしないか
壊れていく そしてまた元通り
どんどんだめになっていく
僕らが主役だったのが遠い昔のようだね

Take me home
Im ready to fight
This time I know I’ll get it right
Straight talk, where we begin
Go for broke, shut it down and we’ll do it again
Take me home
Im ready to fight
This time I know I’ll get it right
Straight talk, where we begin
Go for broke, shut it down and we’ll do it again
Come on come on till the morning light
Where do we begin? Where do we begin?
家まで連れていってよ
やりあう覚悟ならできてる
今回は正解を選べる気がするんだ
まっすぐ話して、そこから始めよう
当たって砕けて、全部ダメにして
それでまたやり直せる
朝日が昇るまえにどうにかしよう
どこからはじめる? どこからはじめようか?

 “Take me home”からのサビがメロディも歌詞も最高で絶対にこの曲でダンスしてほしいです。舞台はダイナーがいいな。それこそタイトルにちなんでマイアミのダイナーがいいですね。人生お先真っ暗でなにをしていいかわからない男二人がとりあえず未来のことを忘れるために踊る、って感じが最高なんですよね。しかも”Take me home I’m ready to fight”だからな。一度関係が粉々になってしまったけれどこれからまた構築していこう、という希望も感じますね。ジュークボックスからこの曲が流れて来て、しばらくゆっくりスローダンスしたあと、午後2時くらいに帰るか……っつって二人の家に帰り、またなんとか日常をやっていってほしい。そういう曲です。乙(乙で締めるな)。

 以上です!いかがだったでしょうか?!(^^)! すべて私が夜中に聴きまくっている珠玉の曲達ですのでお気に召していただければ幸いです。なんかジャンルの問題か絶対数の問題か分からないんですが、特定の曲に合わせて男性二人がモール、プロム、ダイナーで踊る話ってすごく少ないんですよね。二次創作も含め。せめて二次創作では多くあれよ。というわけで男二人ダンス二次創作が増えることを願っています。もちろん一次創作もです。この曲もうってつけだよ! というような意見があればぜひ教えてください。それでは。


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