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「健康寿命」と「不健康」の関係から

みなさん今週もお疲れ様です!工藤です。

「健康寿命の延伸」という言葉がいつの頃からか発信されるようになりました。その背景としては、厚生労働省が推進してきた政策があります。

私もヘルスケアやウェルネス、フィットネスの仕事を進める中で、「健康寿命の延伸」というワードに関わる機会がありました。

  

🥚健康寿命のイメージ

きっかけはシニアの方を対象にした新規事業の調査でした。

私は企画の前段階で、改めて「健康寿命」とは何なのか、調べてみました。

ちなみに、昨日紹介した『2020年版 全47都道府県幸福度ランキング 健康分野』(東洋経済・出版)には、このように記載されています。

健康寿命は、平均寿命から介護や寝たきりの期間を差し引いて算出する。「いかに自立し健康で暮らせるかどうか」という生活の質(QOL)の水準を測る指標。

 

厚生労働省の健康情報サイトにはこのように説明されています。

WHOが提唱した新しい指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間。(e-ヘルスネットより)

このように、健康寿命の「定義」を調べていた時点では、理解に大きな相違はありませんでした。

 

私がウェルネスやフィットネスの現場で働く時間が長かった数年前には、健康寿命を延伸するために、少しでも社会貢献がしたいと思う気持ちが強かったように思います。(もちろん今もその気持ちは持っています)

ちょうどその頃は、厚労省が《健康日本21》の「すこやか生活習慣国民運動」を推進している時期と重なり、正にその影響を自分も受けていたわけですが、それを意識することはほとんどありませんでした。

 

🥚健康寿命はどうやって算出されるか

ところで、健康寿命はどうやって計算されているのでしょう。

よく考えると知らないな、と思い、私は引き続き調べてみました。

 

《健康日本21》で、健康寿命の算出方法として採用されたのは、年齢別で健康な人のデータを用いる、「サリバン法」と呼ばれるものです。

詳細の計算方法は割愛しますが、現在日本では、

①「日常生活に制限のない期間の平均」

②「自分が健康であると自覚している期間の平均」

この2つが健康寿命として算出されています。

 

このうち、「日常生活に制限のない期間の平均」は、厚生労働省の国民生活基礎調査の質問から算出されています。

全国から無作為抽出された国民が対象です。

「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」という質問に対し、「ある」と回答した人は不健康、「ない」と回答した人は健康とみなして計算されます。

この方法で計算された健康寿命が「日常生活に制限のない期間の平均」となります。

こちらは国際的にも標準的な調査方法と言われています。

 

私は、この客観的な事実を全く理解していませんでした。

「健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」

これでYESと答えたら、不健康とカテゴライズされることがある。

これが不健康と分類される・・・

もちろんこれが健康寿命の全てではないことは理解していますが、このような事実があるのだと知ったことは、私の考えに少なからず影響を与えました。

私は「健康寿命」という言葉から発生するイメージだけで会話をしていました。でも、その数値の成り立ちも知らないで推進はできないと思うようになりました。

健康は画一的にはできない。しかし時には定量化する必要もある。

その両面に考えさせられます。

 

 

 

2018年に沖縄から書いたブログ「価値観をぶっ壊せ!亜熱帯から届けるメッセージ」はこちらからご覧いただけます。


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