夏野

文章を書く仕事をしています。 夢は、ちいさな古書店を下町に開いて、書く仕事をしながら…

夏野

文章を書く仕事をしています。 夢は、ちいさな古書店を下町に開いて、書く仕事をしながら暮らすこと。猫が好き。

マガジン

  • 映画と本のはなし。

    見たり読んだりしたものと、それに関連して書きたくなったものなど。

最近の記事

ノーリスクハイダメージな対応で、つい自分の心を削ってしまう話。

性別や身体のことに対する言及・言動に、人々の関心が高まっている今日この頃。この流れ自体を私はよいことと捉えているし、時代の変化に照らしてぼんやりと過去のことを思い返し「傷ついていたんだなぁ」と今更になって反芻することもある。「トラウマになるほどでもないが、忘れることもできないし、時々思い返して机殴りたくなる」程度の経験、世の中の人たちはどうしているのでしょうか(ありますよね?)。 ※ほんの少しでもセクハラ・パワハラめいた話に触れるのがつらい方、ここでブラウザバック推奨。そん

    • 2021年を、「なかった年」にしないために。

      今日、思い切って2021年の手帳を買った。1日1ページの、おなじみのほぼ日手帳だ。 編集の仕事をしている頃、手帳は必須だったけど、転職してからスケジュール管理はすべてオンライン上。買っても使いこなせないし、プライベートの予定もアプリで管理できるくらいの頻度だし…ということで、長らく紙の手帳からは離れていた。 それでも来年の手帳を突然、それも思い立ってえいやと買ってしまったのは、まるで2020年がからっぽな気がすることに気付いてしまったからだ。 だって、景気が陰りを見せて

      • 8月、朝のぱりぱり。

        8月のある朝。 土曜の早くに目覚めて、リビングの窓を開ける。酷暑の毎日だけれど、早朝の空気はまだひんやりとしている。蒼くざわめく庭の緑。これからぐんぐんと上がるだろう気温を予感させる、すこしだけ湿り気を帯びた風が部屋に流れ込む。起き抜けの頭でぼーっとその匂いを吸い込んでいると、「ぱり、ぱり、ぱり」というかすかな音をとらえる。 なんだろう。 風に揺れる緑に目を凝らす。ぱり、ぱり、さく、ぱり。コーヒーでも飲んでいようものなら、自分の嚥下する音にかき消されてしまう小さな音。 い

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