足と雫'1

まず

「足と雫」というシリーズを始める。

大義はない。毎日浮かんでは消えていく、泡のような考え事を無理やり言葉のフォーマットで記録するという、いたってシンプルなコンセプト。

この題にも意味はない。今パッと「生活」というイメージから連想した語がたまたま「足と雫」だったので、これにする。だから後で変わっているかもしれない。※1  それくらいのもの。

葉の先からこぼれる雫みたいに、不規則的に放出されることばたち。それの受け皿。

※1 さっそくですが、タイトルが「足と糸」から「足と雫」に変更になります。よろしくお願いします。

2024.05.29


階段

上るのはまだ問題ないが、下るのが昔からどうもこの上なく下手である。この歳になってもおぼつかない。
上手く階段を下りるための方法があったら教えてほしい。この文章、「上」と「下」がよくでてくるな。

それだけ。以上。

2024.05.29


向こう

人一倍日差しがだめな人間だから、電車の窓側の席に座るときにはいつもブラインドを閉めるのだが、今日は不思議と世界を知りたくなって開けたままにした。あたかも命ある定点カメラのように、呆然と潤んだ瞳で雲を見ている僕は正常な人だろうか。
蔦を着こなす家屋、宙吊りになった飛行機、ホームの下で涼んでいる傘、綺麗とはとても言えない川のそばでゲートボールをするお年寄りの集まり。

おばあちゃんの家の最寄駅に着いて、僕はここで乗り換えだ。光に疲れたからブラインドを閉めて次の誰かに席を譲る。気になったなら君も開けてごらん。

2024.05.29

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