見出し画像

オバケレインコート(ショートショート)

あなた、わたしが見えるのでしょ? だったらこのレインコートをあげます。御礼はあなたが今持っているカップ酒の残りでいいですよ

俺は残業の疲れを癒すために酒をあおりながら歩いていた。相手は浮浪者だ。透明の安っぽいレインコートを出している。

俺は疲れてすぎてその話を受けた。

浮浪者は、俺の酒を飲んだ後、消えた。雨が降ってきたので俺はそのレインコートを着た。フード付きだが足もおおわれ、でかすぎた。その瞬間俺はオバケになったようだ。道行く人が皆俺の方を見て、驚いている。

おい、あそこにおしりだけが浮いている!

深夜なのに人だかりがしてきた。

おしりだけのオバケだ!

レインコートを脱ごうとしたが脱げない。おしりに手をやるとそこだけ穴があいていた。俺は穴から手を出すと、案の定おしりから手が生えたと騒がれた。

レインコートが巨大で助かった。俺はおしりの穴から手をだし、腕を出し全身を出した。拍手が来た。脱ぎ捨てたレインコートは跡形もなくなっていた。

ありがとうございます。