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隣の芝生の芝目を読みながら実りの秋を想う


 私が今持っているtwitterアカウントはひとつが育児メインのものでもうひとつが趣味のアカウントである。

 育児アカウントに居たころにはバイアスがあって気付かなかったのが「へえ…子供いらないっていう人結構多いんだな」ということである。まあそりゃ育児アカウントだって「子育てしんどい、夫は頼りにならない」という怨嗟に溢れている。娯楽に溢れている世界でわざわざ不自由を選び取る人はいるまい。世間の流れはそうだろう。

 さて、まだ長女がお腹の中にいたころ、一度老人ホームにいた祖父母に時節のあいさつに訪問した時だったか。夏祭りのイベントが開かれていて、たまたま夜店のような賑やかしで姓名判断の易者がいた。ちょうどいいとお腹の中の娘の名前を色々考えていたので、占ってもらおうとすると、微妙な顔をされた。

「この名前はおかあさんとの相性が良くないから『○○子』にしたほうがいい、おかあさんの言うことをよく聞く子になる」

えーーである。

 …私もそこそこ保守的な思想の持主であることはみとめるが、従順な子供を求めるというのはナンセンスな発言だと思った。とはいえ私もあまり親との折り合いの良くない身であり、できれば衝突は避けたい。とはいえ夫と一緒に考え抜いた、これからの成長に願いを込めた名前で意味も文字の並びも美しい名前を簡単に変えたくない。

 朝7時のワーストだった星座占いと朝8時の超ラッキーだった血液型占い、あなたはどちらを信じるか。超ラッキーだった方を選び取るタイプである私は、迷うことなく友人の知り合いだった星詠みの占い師さんに連絡を取った。

 子供の性格と親の性格が全く折り合わない、よくある悩みのひとつである。上の子のほうがかわいい、下の子のほうがかわいい、どうにも憎たらしくて反りが合わない、兄弟で、姉妹で差をつけられて育ってきたから、子供を産むのに平等に愛せるか躊躇するというのは命題のひとつである、生まれてくる子供を愛せるか、かなり哲学的なテーマを背負って占いに臨んだ。


 占い師という職業柄人の悩みを聞くことの多いその人は私にこう言った。

「たぶん、相性の良い悪いって、もちろんあると思うんですよ、でもね、相性が悪いからって愛せないということはないし、愛してないことはないと思うんですよね」

 かくして出生届はそのままの漢字で役所に届けられ。

 時に、仮にあの占いを信じて○○子とつけたら従順な馬の合う子供が産まれてきて、もっと楽に子供を愛せてもっと楽に子育てできていたのかな、と、時々思う。

どういうときに思うかといえば、夕飯の時刻におかずを作っているとき「マヨネーズを作りたいんだけど?」と卵とお酢でマヨネーズを作る羽目になったりする時だろうか。それは多分お手伝いをしたと思っているのだろうがお手伝いとは言わないな!?!


 太陽と月に照らされ実るほど頭を垂れる稲穂、そういう意味を込めた名前の通り実りの秋を迎えるまで、まだ時間はかかりそうだ。

きょうはここまで。

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