【1$の価値】その3。

シモダです。1ヶ月が経つの早すぎやしませんか?

今回も巷で好評な1ドルでできることについて更新していく。実は随分前に企画実行していて、あとは記事を書くだけの状態だったけど、気づけば更新の締め切りを迎えていて、やっぱり1ヶ月が経つのちょっと早いと思う。

さて気を取り直して、今回は駄菓子屋さんに行ってきた。駄菓子屋と100均はこの企画の切り札としてできるだけ温存しておきたかったが、3回目にしてすでにそんな悠長なこと言ってられなくなってきた。ちょっと早いと思うが、仕方がない。予想しておこう。4回目はきっと100均に行っている。

ルールは至ってシンプルで、1ドル(日本円換算)でどれだけパフォーマンスの高い駄菓子を買えるか。前回の反省(一人でやるのはちょっぴり淋しい)を活かして、今回は事前に企画参加者を募集してみた。

14いいねに対して4人も集まったので驚異のエンゲージメント率である。こんな呼びかけに乗ってくださった奇特な皆様をご紹介したい。

大きいお友達御一行を引き連れて、キャナルシティ博多にある『夢や』さんにお邪魔してきた。名前の通り店内に駄菓子が溢れかえる夢のような空間だった。小さいお友達用に設計されたであろう駄菓子の配置は、我々の腰と目線に優しくなかったが、大きくなるということはきっとこんな理不尽に耐えていくことなんだろうと悟りの境地に至った。駄菓子に夢中になって小さい子にぶつからないように気を配りながら、各々チョイス。その辺の気遣いも大人たる所以である。

全員無事に買い終わって、近くのカフェに移動して結果発表。明らかにコーヒーは108円以上したが、企画はあくまで「1ドルで駄菓子を選ぶ」で終わっているので、これはノーカウント。大人は細かいことを気にしてはいけない。

発表順に皆の購入商品を紹介していく。

フクミヤサオリ

『私が裕次郎』
・うまい棒(7本):77円
・ブロマイド(モノクロ):324円
 合計金額:401円

好きなお菓子のうまい棒で揃えようと思った。嫌いな味を除いたら7本になり、30円分何かないかとキョロキョロ見ていたらブロマイド(32円)が見つかったので、それを手に取りレジに持っていった。(4が隠れていただけで)324円だったが大人なので「いらない」とも言えずにそのまま買ってしまった。《本人談》

わぁ、まるで石原裕次郎に虹が架かっているようで幻想的……なんて言ってる場合じゃない。言うまでもなく失格である。予行練習で一体何をしてきたのか。本来4人目あるいは5人目で出てくるべきなのに、なぜトップバッターに躍り出たのか(発表順は挙手制)。初っ端から数多くの謎を残して彼女は颯爽と去っていった。ただ裕次郎のブロマイドが出てきた時は文句なし百点満点で面白かった。試合に負けて勝負に勝ちにいく、とんだ策士のご登場である。

本人は「戒めです。」と誰に言われるでもなく自主的に一時期SNSのアイコンを石原裕次郎に変更していた。ノリノリだったので、もしかしてただ裕次郎に変えたかっただけじゃないのか。そんな疑惑を残しつつも、終わった後まで面白かった。だが失格は失格である。

サオリさんの発表が終わり「次誰がいく?」という学校とかでよくあった何とも言えないお前いけよ感が漂う中、一人の女性がすっと手をあげた。席順で隣に座っていたから不可抗力といえば不可抗力だったのだろう。

nobara△

『幼少期の執着』
・ポテトフライ:39円
・うずまきぶどう&ソーダ:54円
・おやつカルパス:11円
 合計:104円

小さい頃にこの飴を買って貰いたくてずっと探していたが結局見つからなかった苦い記憶がある。今回駄菓子を探している中でこの飴を見つけて、そんな当時の思い出に終止符を打てた。良い機会だった。《本人談》

話を聞けば聞くほどに、渦のようなそこはかとない闇を感じるが、駄菓子選びは基本に忠実で綺麗にまとまっている。甘いキャンディに憧れを抱いていた少女が反抗期を迎えポテトフライに走り、そのままカルパスを肴に酒に溺れていく。そんな人間の成長を物語的に描く、非の打ち所がない優れた駄菓子選び。少女の執着も無事成仏したことだろう。

「もうこれ優勝でいいんじゃね?」なんてひそひそ声が飛び交う中、一人の女性が菓子の入った袋を取り出した。勇気のある行動だが、これも席順なので仕方がないといえば仕方がない。

急行2号

『DC2(サッカー部)』
・蒲焼さん太郎:13円
・焼肉さん太郎:13円
・ビーフジャーキー太郎:13円
・ポテトフライ:39円
・モロッコヨーグル:25円
 合計:103円

まずは一番好きな駄菓子のポテトフライを軸に、脇を固めていった。全体的に男子が選びそうなお菓子になったが、それに関しては特に深い理由はない。《本人談》

安定のポテトフライの脇を駄菓子業界の三太郎で固める、普段描く作品とは打って変わって男性的な菓子選びを見せた。菓子選びには人間性が出るとよく言うが、これが彼女の本性なのだろうか。全体的に男子が好んで食べそうな、というか中学生男子が部活に持っていくエナメルバッグのフロントポケットに入ってそうなお菓子が多い。選んだ本人も満更でもないようで、タイトルはそのままDC2(男子中学2年生)を当てていた。なお、野球部かサッカー部か意見が割れたが、本人たっての希望でサッカー部が選ばれた。架空の中学2年生、ぜひイラスト化して欲しい。

やっとルールに馴染んで、各々が好き勝手にコメントをするようになってきた。場が温まりきった状況で、ついに優勝候補の本命が登場。これまた言わずもがな席順である。

□くらりる

『イマジナリーメンヘラJS』
・プチプリン:69円
・ポケモンガム:11円
・プチプチ占い:23円
 合計:105円

この勝負に挑むにあたって、まずは頭の中でメンヘラの女児をイメージして、彼女のことを考えながらお菓子を選びました。プチプリンは2個入っているので、憧れの先輩と半分こすることを彼女は窓の外を眺めながら夢見ています。《本人談》

さすが本命というだけあって、コンセプトがしっかりしている。頭の中には確実にイマジナリーメンヘラJS(女子小学生)が存在しており、何を聞いても秒で回答が返ってきた。おそるべしイマジナリー。偶然かもしれないが、この日彼女が選んだ菓子は全てパ行のものだった。イマジナリーメンヘラJSとパ行の因果関係については、ぜひ誰かに改めて調べていただきたい。尚、当初「イマジナリーメンヘラJS……?」と口をぽかんと開けていた他の参加者も企画が終わる頃にはイマジナリーメンヘラJSを普通に口にするようになっていた。圧倒的イマジナリーである

これは余談だが、プチプチ占いには数多くの占い項目がある。それらの中からイマジナリーメンヘラJSが選ぶ項目は何か? というちょっとしたクイズを行った。ちなみに正解は「みらい」で、ただ一人nobara△さんだけが正解していた。彼女にもイマジナリーメンヘラJSの素質があるのかもしれない。

ここまで4人。どれも甲乙つけがたい菓子選びだが、いわば前座のようなもの。満を持して発案者の登場。そう、サオリさんが手を挙げた時から決まっていた、これも席順である。

シモダヨウヘイ

『現代版わらしべ長者』
・プチプチ占いイチゴ味:23円
・ヤッターメン:11円
・メタモルシール:65円
 合計:99円

交換を前提とした菓子選びをしました。女の子は占いが好き。男の子はシールが好き。これらを担保に交換し、より良いお菓子を集めていきます。万が一交換が成立しなかった時のリスク回避手段として、ヤッターメンを購入しました。これで100円を当てて、チャラにします。《本人談》

圧倒的不評。びっくりするぐらいすこぶる評判が悪かった。あまりに悪すぎて幼少期を心配される始末。そんな中でサオリさんだけが褒めてくれたのが唯一の救いだったので、参加者全員サオリさんになれと心の中で思っていた。敗因は12枚入りだと思っていたメタモルシールが1枚入りだったことに尽きると思う。バラマキ用のシールだと見込んでいたものが一変、一世一代の交換対象になってしまった。

プチプチ占いもやらなくても隙間から結果が見えるよと言われ、もはやヤッターメンに頼らざるを得ない状況になってしまった。これだから大人は。ちなみにヤッターメンは外れた。

□結果発表

以上で5名の菓子発表が終了。最後に投票制で優勝者を決めた。若干割れたが最多投票にて優勝を決めたのは……

nobara△!!!

菓子選びが綺麗にまとまっていることや、自身の幼児期をうまく物語に織り込んでいる等々圧倒的な賛成意見で映えある第1回目のチャンピオンとなった。おめでとうございます。是非ともカルパス肴に祝杯を挙げていただきたい。

□その他参加者の菓子発表

当日都合つかずで参加できなかったものの、数々の参加報告があった。そこに駄菓子屋と100円玉があれば参加できる、柔軟性の高い企画ゆえの結果だろう。ご参加ありがとうございます。敬意を評して、ご紹介していきます。

たけおたくや

『お菓子な僕』
 合計:107円

コンセプトは、あの頃と今の僕です。あの頃から食べているビッグカツとかわさびのり太郎、小学生のときワクワクしながら友達と開けたくじ付きのガムやグミ、そして、忘れちゃいけないカルパスを合わせて僕です。《本人談》

まるでお手本、と言わんばかりの王道の駄菓子選び。あまりに王道すぎて無難とも取られてしまう危険性も。108円の中でいかに遊べるかが今後の課題かもしれません。ただ、無難な選択が実は一番コスパ良かったりもしますよね

長野光宏

『公園に行くので』
 合計:106円

『公園に行くので』(彼女さん)
 合計:104円

手ぶらでも楽しい彼女と行く公園。そこに107円分の何かをプラスして、さらに楽しく過ごそうと試みました。ブーメラン、シャボン玉、ゴムボールと駄菓子やとはいえ色々なオモチャがある中、最も動きが予測できない物をチョイス。楽しいだけでなく、ドキドキも味わえました。ちなみにグライダーはランディング時に踏んづけてしまい全壊。スーパーボールは茂みへと跳ねていったまま帰ってきませんでした。あと、公園にはカメが沢山いました。《本人談》

お二人での投稿ありがとうございます。駄菓子屋だから菓子を選ばなければいけない訳ではない。企画の盲点をついた奇策、流石としか言いようがありません。ただし、あくまで菓子選び選手権。ここは公平にジャッジをしたいと思います。追加で送られてきた写真は参考程度に見るようにしましょう。

はい、優勝。

にいじま ちさ

『met de klok mee links』
 合計:108円

左回りの猫です。《本人談》

猫から目が離せません。その横にいる海老(ほまれやき)の屈託のない笑顔とのギャップが。無神経に笑う海老を冷ややかな目で見る猫。ひえひえっこの必然性がなんとなく見えてくるような気がします。あとタイトルは何語ですか?

まどろむくまお。

『感情のピクセル』
 合計:108円

どうぶつさんたちだいしゅうごうだわいわい《本人談》

岡崎体育氏の名曲『感情のピクセル』の歌詞を彷彿とさせる菓子選び。なかでも「どうぶつランド」とパッケージに描かれた商品が入ることでよりその色が際立ちます。唯一の欠点は、感情のピクセルが世間一般的にどの程度認知されているかに評価が左右されることぐらいでしょうか。あとちゃんとワニさんも仲間に入れて挙げてくださいね。

□おわりに

まさかこんな一大事になるとは。当初思ってもみなかったけど、実際にやってみるとそれぞれの人間性が垣間見えて面白かった。選んだ駄菓子をみんなで発表し合う時間は意外と盛り上がるので、是非皆さんも大きいお友達や小さいお友達を連れて近所の駄菓子屋さんに走っていただきたい。100円ちょっとでむちゃんこ盛り上がるので、オススメ。

今回参加してくださった皆様には大変感謝をしております。今後もこういう企画があったらぜひともそのお力を発揮しにお越しください。筆者はすでにリベンジに向けて動き出しております。次は事前にプチプチ占いで「みらい」を占ってから試合に望みますね。

それでは、第2回でまたお会いしましょう!

《追記》

急行2号さんの菓子紹介にて、DC2をイラスト化してほしいと書いたところ、なんと一晩でやってくれました。まさかジェバンニ以外にこの台詞を使うことになるとは思いませんでしたが、仕事の早さに惚れ惚れしたのでご紹介をば。


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