【1$の価値】その6。

シモダです。相も変わらず秋ですね。

10月に突入し、ついに消費税率も10%に。ただでさえ上限金額設定が厳しいこの企画において、2%(2円)の増額は致命傷レベル。テイクアウトをしたりなんだり、鼻で笑いたくなるような軽減税率の隙間にある小手先の技を駆使してなんとか企画を存続させよう。なんて強い志を持ちつつも、一方で消費税はノーカウントというガバガバ采配で今回もお送りしていく。ちなみに10月1日現在の1ドルは日本円価値にして107.76円。あと0.24円あれば。惜しい…!

過去の投稿で駄菓子屋、BOOK ●FF(古本屋)、DAIS●(百均)をことごとく利用し、使える手札も少なくなってきた。そんな中で今回はCDレンタルのTS●TA●Aにお邪魔してきた。「レンタルのあるところに中古販売CDあり」という古くからの言い伝えにもあるように、この日はまるで屍肉を貪るハイエナのような気持ちで、時代の流れに取り残されたCDを探しに向かった。

初めて入る店内でもレンタル落ちのCDが置かれている場所はなんとなくわかる。新譜などが並べてあるキラキラした空間を素通りして、少しばかり淀んだ空気が流れる場所へ一目散。店内奥の片隅、こんなとこにあるはずもないのにと言わんばかりの細々とした空間に中古販売CDは並べられていた。

聴いたことある往年の名曲を中心に手にとると、どのCDも若干色褪せている。写真などで古めかしさを演出するためにあえてセピア加工をする技法があるが、それとは比べものにならない生々しさ。脳内では中島みゆきの『時代』がBGMとして流れ始めた。ちなみに『時代』のCDは探したけどなかった。時代を超えて色褪せない名曲である。

そもそも100円で買えるCDはシングルに限られる。いやシングルでもCDを100円で手に入れられるのはありがたい。昔少ないお小遣いをかき集めて買ったGLAYの某曲も100円で売られていた。昔の自分に買ってあげたい。

危うく望郷の念でGLAYを手にレジまで突っ込む誘惑に駆られながらも、なんとか思いとどまり棚に沿って順に物色していく。以前古本を買った時もそうだったが、金額設定があるとコスパのパ部分だけを意識すれば良いので選択が面白くなる。100円でいかに周囲の度肝を抜けるか。それだけでいい。

そして棚の終盤で度肝を抜かれ、購入したのがこちら。

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『PRISMIC』YUKI

「嘘でしょ…これが100円!?」という読者の驚嘆の声が聞こえる。さらに驚くなかれ、このCD。税抜き価格96円だった。消費税を加味しても103円。当企画の厳しいハードルを余裕で潜る価格帯。そんなのおかしいし、中身が入ってない(ケースだけ)ケースも想定したが、幸い円盤も入っていた。

ちなみにYUKIで余談だが、仕事柄年の離れた学生などと話す機会もあり、時折YUKIに関する話もするが(好きなので)、今日びの大学生はもはやYUKIを知らないのである。「ほら、あのそばかすの!」と前身バンド時代の名曲をあげても、なんならるろうに剣心すら知らないから驚きだ。これ以上しつこくいうと晴れて老害認定されてしまうのでおとなしく引き下がるが、時代の移ろいを実感してちょっぴり寂しくもなるのであった。了

…余談のつもりが筆を置いて遠くを見つめてしまいそうになったが、本題に戻る。とにもかくにも思わぬ形でYUKIのソロデビューアルバムを手に入れることができた。この価値は人それぞれだと思うが、少なくとも自身にとってはお金にならない価値があるので、もうそれでいいと思う。

振り返れば学生時代、アルバイト先へ向かう自転車の道中でこのアルバムを聴いていた。今や自転車走行中のイヤホンは犯罪になってしまうが、まだそんな制度がなかった頃の話。当時とにかくバイトに行くのが嫌だったので、どの道中せめて気分だけでもあげようとYUKIの声をひたすら聴き続けていたのである。

期せずして十数年ぶりにこのアルバムを手にし、改めて聴くことでアルバイト時代の思い出(良い思い出1割)が蘇った。音楽には聴いていた当時を思い出す不思議な力がある。ぜひみなさんにも100円を握りしめて当時の思い出を探しに中古販売CD売り場へ足を運んでみていただきたい。そしてHOT LIMITでも聴きながらお互いの黒歴史を発表しあいましょう。

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