体は思いっきり開け

皆さんこんにちは。
いろいろバタバタしており更新が遅くなってしましました。

本日は"体の開き"についてお話してみたいと思います。
またしてもちょっとセンセーショナルなタイトルを付けましたが、
これまでのゴルフの常識とは反するものですよね。
体は開くな、体の正面で打て、というのがこれまでのショットの方程式のように語られてきました。しかし最新のスイング理論では体はむしろ開いて打つ、トッププロは体は開いて打っているんだよというお話になります。

まずは以下の井上透ゴルフ大学(大好きなチャンネルです)の動画をご覧いただければと思います。

要旨としては、"体が開く"という言葉の意味はそのタイミングのどの時点を切り取るのかによって変わってくるのだ、ということ。プロは切り返しの時点では肩は閉じており、インパクト時点では腰も肩も開いているということを、Gearsのトッププロのデータを基に丁寧に解説しております。

体を開くとフェースも開いて右に飛んじゃうんじゃないの?

ここまで読まれた方は、「いやいや、体開くと右行っちゃうじゃん」と思われた方もいらっしゃると思います。
私もその気持ちはめちゃくちゃわかります。
「思いっきり体開いていったら、振り遅れてフェースが戻ってこないから右プッシュするでしょ」と。
それは実体験とともに皆さんの脳裏に強く焼き付けられている右に行く"方程式"として刻まれていることでしょう。

そもそも"体が開く"というこの言葉が非常に厄介で、非常に抽象的な言葉ゆえに人々の解釈が異なっていくので、私は危険な言葉と思っています。
冷静に考えると、体とはどの部分を指しているのか?開くってスクエアに対して何度開くことなのか?いつの時点で開くことを言っているのか?などたくさんの論点が出てきますよね。

体が開く=右に行くとはどのような現象なのか

まず、右に飛んで行くということは物理運動的にどのようなことが起きているかを整理してみます。
私が今後も使い続けるであろう以下の記事をまずはご理解くださいw

右に飛んでいく現象は大きく2つの要因またはその組み合わせです。
①飛球線方向に対してカット軌道(アウトサイドイン)でクラブが入り、スライスが起きる
②インパクト時のフェースアングルが飛球線方向に対して右を向いているため出球が右に飛んでいく

では上記2つの現象が起きる代表的なパターンを2つ紹介したいと思います。

わかりやすくドライバーを持って思いっきり体を開きに行ったときを想像してほしいor鏡を見ながらスローモーション再生してほしいのですが(想像するだけでも恐ろしいですねw)、

1)トップからの切り返しのタイミングで肩が開いていく
→これはカット軌道になる要因です。①の現象にたどり着きますね。
鏡を自分の右側において、クラブを持ってトップから肩をスローモーションで開いていって自分を見てほしいのですが、クラブ軌道はカットになると思います。

2)インパクト時に右肩が落ちて左脇が空いて開く
→これはインパクト時にフェースが右に開く要因です。②の現象にたどり着きます。
「体思いっきり開いて打って」と伝えて実践させるとほとんどの人がこういう打ち方をして右プッシュが出る印象です。

"体を閉じる=左に行く"の大間違い

私もそう思っていたのでよーーーくわかるのですが、練習していて右プッシュが出ると、「あ、フェースが開いていたんだな。フェースを閉じないといけないから体の開きを抑えてフェースが戻ってくるインパクトを作ろう」と判断することありませんか?
あれ、完全なる間違い(厳密には左に行く確率は増えますが左右のブレ幅が大きくなるはず)です。
実はそれをやるとますます右に出球が行きやすくなるか、鬼のようなチーピンwになります。

なぜか?

まず、上記の「体の開きを抑えてフェースが戻ってくる」という動作がどういうものかというと、フェースローテーション(これも奥深いのでどこかで解説します)でもってフェースアングルをスクエアに戻そうとする動きです。
インパクト時に肩は飛球線方向に対して真っすぐ、かつフェースを手首
と腕で戻して打つというイメージかと思いますが、基本的にインパクト時のフェースがオープンからクローズに大きく角度を変えていく中でどの角度でヒットするかということに依存します。

そう、フェース開閉のタイミングがすべてになるので安定しません。
フェースを閉じるのが遅れれば右に行き、フェース閉じるのが早すぎれば左に飛んでいきます。

原則論としてフェースの開閉を手首と腕で行うのは大変危険ですので修正していったほうがスコアアップにつながるでしょう。フェースの開閉をできるだけ少なくしてインパクトゾーンを長くするのは方向性安定の絶対条件といえます。(この話はいったん置いておきます。また解説します。)

"体を思いっきり開く"は結果的に"体を思いっきり閉じている"

決して禅問答の話ではありませんw
皆さんの言葉の解釈と体の動作が実は結果的に逆の動きをしてしまっているというお話です。
"体が開く"=右に出るの方程式が脳裏に刻み込まれている人の大多数は上記の2)インパクト時に右肩が落ちて左脇が空いて開くをやってしまっていると思っています。
これも鏡で見ながらゆっくり再現してインパクト時のフェース向きを見てください。右向いてますよね?

実はこの動きって自分の意識では"体を開いて"いるかもしれませんが、結果的に肩と胸の角度は飛球線方向に対してほとんど開いていません。(つまり閉じている)

腰と肩を回す方向が重要。"正しく"体を開くとむしろ右に行かない

トッププロはめちゃくちゃ体開いて右に行かないのにアマチュアは開いて右に飛んでいくのって実はこういう原理なんじゃないかと思います。

これは皆さんの思う"体の開く"という動きは飛球線方向に対して回していくのに対して、トッププロの"体を開く"という動きはおへそを自分の背中側(後方)に回していくという動きの違いによるものです。
体を思いっきり回してというとほとんどのアマチュアのフィニッシュはへそや胸が飛球線方向を向いておらず、右斜め前くらいを向いています。
一方でトッププロは漏れなくへそや胸の位置が正面もしくは左斜め前くらい体が回ってますよね。

アマチュアは縦方向、トッププロは横方向の動きになる

これもぜひスローモーション再生して欲しいのですがおへそを正面向けるように動くと実はフェースアングルはスクエアに戻ってくるんです。

つまり皆さんが開こう開こうと思ってやっている動きというのは実は肩や胸は開いておらず(むしろ肩と胸は閉じる動き。いわゆる「詰まる」というやつです。)、左脇がひたすら開いていく動きなのでフェースが右を向いてしまうというわけです。

"正しく"体を回そう

ここまで長々と解説してきましたが、まとめます。
・体が開くという言葉の解釈を間違えないようにしよう
・体を開くと意識するあまり、左脇が開いていってしまう動きは間違い
・具体的には左脇は閉じつつおへそを正面に向けていくフィニッシュをとる動きによってフェースをスクエアに戻していくのが正しい動き

今後は"体を開く"ではなく"おへそを正面に回していく"という動きであるという言葉の訂正が必要だと考えています。
イメージは松山英樹選手ばりにフィニッシュはおへそを正面に向けていく意識がいいのではないでしょうか。

とはいえこのボディターンを習得するのはアマチュアには難易度がそこそこ高い

元も子もないですが、これは「言うは易し行うは難し」で、習得するのはなかなか難しいと思います。
私自身も最近この気づきを得て、とてもいい感触でショットが打てているのでこれを積み重ねて習得していこうと思っている次第です。
実際にはクラブを自分の左斜め前方向に振り抜いていくようなイメージで練習しています。

ボディターンのやり方・練習方法などについてはまた別の記事で書いてみたいと思います。

それでは。

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