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夜光 self liner notes 01

個人的な気持ちではセルフライナーノーツというものは読まなくてもいいもの。でももしかしたらあなたの世界を広げるもので、もしかしたら既にあなたの世界のもの。まったく違う言語の惑星。

曲はあくまであなたのものなので、アナザーストーリーくらいの気持ちで楽しんでもらえたら嬉しいな。

ぼくもライナーノーツで書く以外にもストーリーや思いもあったりして、これがすべてじゃなくて、でも確かなひとつ。

どうかあなたにとっての夜光を見つけてもらえたら、


夜を待って光を灯す。

太陽のような大きな光には夜を待つ必要がない。
真昼の中で光を放つことができるし、その姿を写すことができる。

ひとりの部屋の中で
朝日がのぼっていくのを見ていた。

朝日を浴びて今日が始まったことが全身に伝達されていく。その時、確かに身を潜めていく存在を感じる。

ぼくの光はより大きな光の前では霞み、見えなくなってしまう。誰の目にも写らなくなって存在すらなかったことみたい。「確かにあったんだよ!嘘じゃないってば…」なんて言ってまわる子供の頃だけ見える妖精の類の様、昼には星があなたの目には写らないこととすこし似ている。

消えてしまったんじゃないか。
元々どうにか保っていたような微かなものだ。昨日がその最後の灯火だったとしてもおかしくはない。途端に怖くなった。
昼間にはどれだけ探しまわっても見つからない。社会的な人工的な光は溢れているのに、すれ違う、すれ違う、どれも匂いがしない。
生きた心地が、しない。

そのくせ夜にはひょっこりと顔を出して
よぅ なんて何事もなかったように声をかけてくる。どこに行っていたんだと問うても困ったように誤魔化すばかりだ。

でもぼくらはきっと感じている、本当はどこにもいっていないことを。
確かにそこにあるのに見失ったように感じて不安になる。昼だろうが夜だろうがぼくらはどこにもいったりしない。それはどこにもいけない、とは別だとぼくは思う。

ただ、夜には自分の目にも自らを写しやすいことは確かだ、他の人にすら見えてしまうほどに。

その間に精一杯の光を灯そう。消えたりしないから、大きくなくていいから、弱くて微かでもいい。あなただけの光を灯すことは昼間もあなたを守る。
光は見えなくなってもそばにあって、どこにもいかない。

大きな光のように光ることができなくても嘆かなくていい。あなたにはあなただけの光があって、それは誰にも奪えない。

たとえどれだけあなたがあなた以外を求められても、どれだけ否定されたとしても夜にはあなたがありたい自分を灯して。

存在を感じながら大きな光の中を生き抜いて、夜にはまた君と待ち合わせをする。

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