マガジンのカバー画像

井筒俊彦についての読書ノート!

25
井筒俊彦の思想に触れたい!と言う人のためのマガジン。何かしらのヒントになれば幸いです。
¥300
運営しているクリエイター

#イブン・アラビー

読書ノート イブン・アラビー著『叡智の台座』第 12 章「シュアイブの言における心の叡智の台座」相樂 悠太訳

「井筒俊彦ざんまい」にも言及されているように、イブン・アラビーの主著である「叡智の台座」はいまだ日本語訳がない。読みたいなあとネット検索をしていたら、慶應義塾大学, 言語文化研究所, 特別研究員(PD)の相樂 悠太さんという方が、部分ではあるが翻訳し、公開しているではないか。早速読ませていただき、メモっています。その後にもイブン・アラビーの研究を継続しているらしく、陰ながら応援しております。いつか岩波文庫になればいいな。  ここでは論文の前段と、主部である翻訳「第12章・シュ

読書ノート 「読むと書く 井筒俊彦エッセイ集」 井筒俊彦

 『井筒俊彦全集』未収録のエッセイ集。   ここには例えば、   ラカンの心理学は「無意識はコトバである」という基本テーゼが示すように、著しく言語関与的であり、その上、元来ソシュールの言語理論を継承し展開させたといわれる彼の立場は、この点では、むしろ唯識哲学の中核をなす「言語アラヤ識」論の系統に属すといっても過言ではないほど東洋的 など、琴線に触れるフレーズがいっぱい。   読むべきなのは第二章「言葉とコトバ」にある「東洋思想」「意味論序説―『民話の思想』の解説をかねて」

¥100

読書ノート 「存在認識の道」 モッラー・サドラー 井筒俊彦 訳

 『井筒俊彦監修 イスラーム古典叢書』のうちの一巻。他に『ルーミー語録』『顕照哲学』『イスラーム法理論序説』など。1978年第1刷版。  50ページに及ぶ、井筒俊彦の解説が大事なので、そこから読む。  巻頭、井筒の吐露から始まる。イスラーム哲学史の研究の進展を喜ぶとともに、いままでの迷妄した研究に苦言を呈している。西洋中心世界のなか、イスラーム哲学は不当に歪められて認識されてきた。1970年以降、この分野の研究は井筒やアンリ・コルバンの尽力により、その世界的重要性が認めら

¥100