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井筒俊彦についての読書ノート!

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井筒俊彦の思想に触れたい!と言う人のためのマガジン。何かしらのヒントになれば幸いです。
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#本質

読書ノート 「井筒俊彦 起源の哲学」 安藤礼二

 この本は井筒俊彦の現段階における最新の思想概説を提示してくれる。英文著作を含めた井筒のエクリチュール全体を概観することが安藤礼二によってやっと可能になった。安藤が書いているように、2000年代初頭においては井筒の著作の全体像は一般には掴みきれない状況であった。若松英輔の仕事や河出書房新社の特集本を機に、井筒俊彦が広く関心を持たれるようになったのはここ最近のことである。ここでは私が初見であったり、重要であると思った部分を取り出していく。これ一冊で井筒俊彦の全体像が朧げながら見

読書ノート 「井筒俊彦ざんまい」 若松英輔 編

目次  若松英輔   知られざる井筒俊彦 井筒俊彦年譜 I ── 原点と回想 白井浩司  時代への批判者 柏木英彦  遠い日の井筒先生 松原秀一  つかずはなれず四十年 牧野信也  師としての井筒俊彦先生 丸山圭三郎  〈読む〉ということ 河合隼雄  井筒俊彦先生の思い出 安岡章太郎  あの頃の井筒先生 日野啓三  言い難く豊かな砂漠の人 佐伯彰一  求む、井筒俊彦伝――ポリグロットの素顔 瀬戸内寂聴  豪華な学者夫妻 立花 隆  職業選択を誤らなかった話 伊東俊太郎  

読書ノート 「存在認識の道」 モッラー・サドラー 井筒俊彦 訳

 『井筒俊彦監修 イスラーム古典叢書』のうちの一巻。他に『ルーミー語録』『顕照哲学』『イスラーム法理論序説』など。1978年第1刷版。  50ページに及ぶ、井筒俊彦の解説が大事なので、そこから読む。  巻頭、井筒の吐露から始まる。イスラーム哲学史の研究の進展を喜ぶとともに、いままでの迷妄した研究に苦言を呈している。西洋中心世界のなか、イスラーム哲学は不当に歪められて認識されてきた。1970年以降、この分野の研究は井筒やアンリ・コルバンの尽力により、その世界的重要性が認めら

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