坊さん弔って通夜

ネーミングって難しいなあ、とぼやきたくもなる。「母さん助けて詐欺」だもんなあ。オレオレ詐欺改め、振り込め詐欺改め、母さん助けて詐欺。名前を公募にしてどうなるかと思ったらこうだった。

母さん助けて詐欺をニュースで実際に聞く時はくるんだろうか。さすがにいまんとこ「『母さん助けて詐欺』に決まりました」っていうニュース以外には聞いてないけど、「母さん助けて詐欺グループリーダーを逮捕」とかほんとに言うんだろうか。「じゃあ露出狂は『ねえちゃん見てくれ痴漢』だね」みたいな言葉遊びのネタとして消費されちゃいそうだ。公からの提案って意味ではどうも「バスケットボールストリート」臭もするし。

それにしても、「オレオレ詐欺」犯が「オレオレ」って言うやつだけじゃなくなって「振り込め詐欺」に、「振り込め詐欺」犯が手渡しとかもやり出して「母さん助けて詐欺」に、どんどん細分化していく手口をより大きな網を作ってくくっちゃおうっていうネーミングいたちごっこは興味深い。

次はまず「母さん」あたりがまずいだろう。母さんとは限らないぞ?「家族のみんな助けて詐欺」じゃなくていいのか?いやいや、なにも家族に限った話じゃない、友達だって恩師だってあるかもしれない。「みんな助けて詐欺」か?いやいやいや、知らない人だって詐欺の標的にはなる。「誰か助けて詐欺」?

こうやってったら最終的にはどうなるんだろう、「ザ・詐欺」とかか。だから詐欺じゃねえか、それ。とにかくどこまでエスカレートしてくかは「母さん助けて詐欺」の初動売り上げ枚数にかかってる。だいじょぶかなあ。やっぱりあっさり聞かなくなる気もするけど。最初から「なんかおかしくね?」って空気でスタートしてるっぽいし。結局「BSE、いわゆる狂牛病」パターンで「母さん助けて詐欺、いわゆる振り込め詐欺で…」くらいに落ち着いちゃったりして。

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