日本のみんな

世界規模描写とでも言うのか、「地球の命運がかかってる」的な規模のSF映画なんかでよくある、世界の色んな国の人が同じ隕石を指さしてたり、同じ宇宙人の侵略を受けてたりする様子を順番に映してく、みたいなやつ。それぞれの持ち時間が短いだけにかなりステレオタイプな描き方になりがちな印象だ。アフリカはとりあえず裸足の子供でいいや、とか。

これの縮小版が「ワールドカップを観戦する日本各地の様子」のVTRなんじゃないか。日本規模描写だ。「歓喜の日本列島」とかなんとか言って「みんな観てた」を仕立てあげなきゃならない。この場合もやっぱりおさえるとこおさえて架空の「日本全国」を作るわけだけど、さすがに世界規模描写よりは細かくおさえなきゃいけない。選手の母校とか、相手国の人が日本でやってる郷土料理屋とか、あと日本人と相手国の国際結婚カップルの家とかもある。

で、今日のミヤネ屋。コートジボワール戦観戦の様子として登場したのはかなり大規模なパプリックビューイング会場(どっかのスタジアム)、コートジボワール人もコートジボワールのなんちゃら村の名誉村長の日本のおっちゃんもくる岐阜の商店街、あとどっかの飲み屋、さらにテレビを見る舞妓さんたち。なんだろう、舞妓さんって。

それこそ、世界規模描写で日本のシーンに舞妓さんならわかる。SFだったらおかしいけど。でもそれが、日本人に向けた「日本のみんな」の中にポンと登場するとなんだか不思議だ。誰に向けた舞妓さんなんだろう。思えば「サムライブルー」のサムライもそうだ。どうも対海外に臨むにあたって「日本らしさ」を確認しあおうみたいな話になると、結果なぜか海外視点のステレオタイプジャパンに落ち着く傾向にあるのかもしれない。なかなかややこしい自意識だ。

まあ舞妓さん、超かわいかったからいいけど。出勤前の薄化粧な感じとか最高だった。なんだかんだで舞妓さんを選んでくれてありがとう、と言いたい。

ここから先は

0字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?