在宅ハロウィーン

"警視庁渋谷署によると10月31日午後9時50分ごろ、JR渋谷駅前のハチ公前広場で、川崎市の40代の自営業の男が10代少女の尻などを触ったとして、都迷惑防止条例違反の疑いで現行犯逮捕された。容疑を否認している。男は体をなで回している最中にこの少女本人に取り押さえられ、近くの警官に突き出された。(スポーツ報知)"

普通のニュースだ。これを「普通のニュース」と思ってしまうこと自体が情けないことではあるが、残念ながらよくあるニュースである。ただ、これが起こった時間と場所を考えると、一味違ってくる。このニュースの見出しはこうだ。

「渋谷ハロウィーン仮装行列、40代男が少女の尻触る」

ハロウィーンに参加したこともする予定もない自分が、今のところ唯一感じているハロウィーンによる恩恵がこれだ。普通のニュースがちょっとだけ面白くなる。ゾンビがゾンビの尻を触ってゾンビに取り押さえられたのかもしれないし、バットマンが白雪姫に羽交い締めにされたのかもしれない。たまたま周りにいたふなっしーやジバニャンが加勢したかもしれない。

この痴漢にしても、これまた渋谷で起こった警官ぶん殴り事件にしても、ほんとしょうもないし被害者は気の毒だけど、「仮装」というキーワードが乗っかることでそれとは別に「仮装して何やってんだ」というレイヤーが生まれる。ハイテンションで仮装してる人が怒ったり焦ったり怖がったり、心の仮装だけが一瞬解ける瞬間は、勝手に想像する分には面白い。

つきましては、ハロウィーンの日に起こった小競り合い、軽犯罪の類のニュース記事は、当事者たちが何の仮装をしていたかもなるべく詳細に報じていただきたく。「マリオ、ルイージ殴打」とか「ぬりかべが局部露出」とか。まあ、どこまで笑えるかのバランスがすっごい難しいだろうからやらないほうが無難だけどな。とりあえず勝手に想像しとこう。これがいまんとこのハロウィーンの個人的楽しみ方だ。家から出てない。

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