ヨガスマッシュ

はいはい、モデルさん恒例のヨガの話ね。そんで半身浴してアロマ焚いて、朝はスムージーね。「PON!」で道端ジェシカがヨガの話をしてるのをそんな感じで聞き流してた。ただ、それが最終的に「ヨガをテーマにした映画やります。劇中にはお客さんのための瞑想タイムもあります。」ってとこに着地したんだから、これはかなり話変わってくる。映画、ヨガ、瞑想ときたら、これはもうおれだろう。おれのやつだろ、これ。

公開2日後の「シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸」月曜、初回。メンズデイだけど女性が多い。ヨガパワーだな。ダルシムだ。恥ずかしながら、個人的にはいまだに「ヨガ=ストⅡのダルシム」である。手足伸びたり、火吹いたり(ヨガファイヤー)、テレポート(ヨガテレポート)したり。さすがにそれは期待してないけど。

とりあえず映画のあらすじは、家出同然で青森から上京してきた田舎娘(門脇麦)がたまたまテレビで見かけた人気モデル兼ヨガインストラクター(道端ジェシカ)に憧れてそいつのヨガ教室へ、ひょんなことから同居したり、ヨガ教室で出会った類型的ゲイと友情を深めたり、それぞれ挫折を経験するもヨガによって癒やされたり、みたいな感じだ。

ヨガを軸に据えた企画物なので、最終的にトラブルはヨガで解決する。さらに、「不穏」を表す描写もヨガヨガしい。例えば「ヨガ教室に顔を出さなくなる」が「何かあったのかしら…」に結びつく、これは単純だ。ダンス教室だろうが、行きつけのバーだろうが一緒だし。それがここではさらに「台所のゴミ箱にカップ麺の容器が…」も、「今度はハンバーガーの包紙が…」も、「何かあったのかしら…」になる。この世界では「カップ麺のゴミ=食生活の乱れ=不穏」という公式が成立するわけだ。ヨガ文脈だな。ダルシムにはなかった技だ。

ラスト、「行こっ!」と走り出した田舎娘とモデルとゲイの3人組が着いた先でいきなり2,300人を率いて取り行われる大ヨガも、この人達が誰なのか、この広場がどこなのか、一体なんの集まりなのか、その辺一切説明はないが、ヨガ文脈には乗っかってる。インド映画のラストに必ずみんなで歌って踊るみたいなやつのヨガ版だ。ヨガもインドだし。

そいえばダルシムの技に、相手を捕まえて「ヨガ!ヨガ!」って何度もゲンコツで殴る「ヨガスマッシュ」ってのがあったな。大ヨガ後の瞑想タイム(5分間)に延々続く青空の映像にのせて「心の声に耳を澄ませましょう」とか言われながら、そんなことを思い出した。そんな映画だ。その点、期待通りだったとも言える。あと津軽なまり全開の門脇麦の田舎娘はとてもかわいかった。それがなかったらヨガスマッシュでKOされてたな。ダルシム以外のヨガ、むいてない。

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