よくわかんないもののかっちょいい言い方

佐世保で凄惨な事件があったのを知って二番目くらいに思ったことは、今日のミヤネ屋でまた「心の闇」くるな、ってことだった。我ながらどうかと思うけど、そうだったんだから仕方ない。

そして始まったミヤネ屋のトップニュースのトップ画像、どん。

いただきました、「闇」。期待を裏切らないな。ミヤネ屋ではトピックスの見出しの先頭に必ず赤に白抜きで「衝撃」とか「感動」とか「ゾノ逮捕」(前園が逮捕された時)とかのつかみの言葉が添えられるが、ここに「闇」ときたか。

ワイドショーで殺人事件を扱う場合、大抵それは殺人犯と「我々」がいかに違うかの確認作業だ。いじめだの複雑な生い立ちだの猟奇趣味だのロリコンだの、とにかく自分たちからなるべく離れていくような要素を積み重ねる。

さらにここにゲームだアニメだネットだが入ってくるのは、主な狙い目であるおじちゃんおばちゃんたちにとって未知で、しがらみも少ないからだろう。同じアニメでもジブリ好きは強調されないし、姑を殺した主婦が犯行時にイヴフワトを着用して髪にボリューム感を出してたとしても、それは無視だ。言われても困るけど。

で、元々わかりゃしない他人の心理にそういう未知をどんどん盛ってぐんぐん「我々」から遠ざける。「最近はこういう事件が多いから」なんていう「街の声」で団結を強めつつ。あとは「関係ないけどなんとなく納得いくようないかないような」動機を貼っつけて「闇」一丁上がり。動機の「納得いかないような」の部分も「闇」の一言で片付くし、そもそも動機にしっかり共感なんてしちゃったら大変だ。

今回もとりあえず「アニメ好き」の強調は始まってるみたいだし、ミヤネ屋でも「犯行の方法をネットで学んだんじゃないか」的な謎の推測してたし、「小動物を解剖してた」なんていうある意味ベタな話(「異常」とされる人たちに「ベタ」があるってこと事態が色々怖い)も出てきてるし、ぬかりなさそうだ。

ところでこの対「心の闇」、ミヤネ屋ではあの臨床心理士が登板するんだろうか。すごく”ヅラに見える”人。ここで登板なかったら、やっぱ普段は若干確信犯的に使ってるってことなのかもしれない。「今回は事が事だから」みたいな。

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