うなじのほうからやってきた

最近の石原さとみの無双感からすれば、鏡月のCMなんてのはもう大変なことだ。「ほろ酔いの無双と二人で飲む」なんてシチュエーション、非暴力絶対服従だ。さらに最新版は浴衣。「ほろ酔い浴衣無双」だ。もうわけわかんないけど、とにかく大変だってことはわかる。っていうかもうずるい。それはずるい。しかし次の瞬間、無双はこう言う、

”あ〜、今うなじ見てたでしょ〜?浴衣のうなじチラチラ見てぇ〜。”

なんだろう、このモヤモヤする感じは。いや、でも振り返ってみればこれは前回のバージョンで飲んでるグラス差し出して「間接キッスしてみ?」って言われた時にも少し感じてたような気がする。横綱相撲で押し切られてうやむやになっただけで。

主観視点のAVとかで「あ、今おっぱい見てたでしょ〜?」とかはありがちだ。「でへへ〜、すいません」っつって。ひとりで。おちんちん出して。そこいくと「うなじ」っていう部位はそれとは対極に位置する、というよりまずうなじって「部位」なのか?例えば「うなじ」と呼ばれる首のあのへんの部分を切り取ったとしても、それはもううなじじゃないような気がする。

見られる側発信で「浴衣のうなじ」ってはっきり言われるとガッカリだ。小説の文章と文章の間に「※ここの行間を読むこと」って注意書きが添えられた時みたいだ。そんな時ないけど。前のめりで、即物的で、あまりに身も蓋もない。身も蓋もないものはあんまりエロくもないだろう。いや、そりゃうなじ見るけどさ。見るよ、当然。ただそこにそっちからずかずか踏み込まれる筋合いもないと思うわけだ。見るけどね。

いい機会だから改めて見てみたんだけど、初期のバージョンはもうほろ酔いの石原さとみと他愛ない会話してるってだけなんだ。そこから前回の間接キス、今回のうなじと、着実に具体的なフェチにずかずか踏み込んできてる。この調子で進んでくんだろうか、このシリーズ。二人でどうでもいいことしゃべりながらしっぽり飲んでたあの頃のほうがエロかったけどなあ。まあ飲んだことないけどさ。

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