オシリア

相変わらず、誰に頼まれたわけでもなく生理用品のCMには注目してる。最近も「ハーブイン『タケダ』」のCMで、生理前の便秘なるものの存在を知ったばっかりだ。またひとつ賢くなったな。

ところで急に話題がスライドするが、「ハーブイン『タケダ』」のCMで登場するうんこが気になる。漢方の成分を表す木の葉でコーティングされた、パステルカラーのフェルトっぽい質感の腸壁らしきものの真ん中をすぅっと通過していくピンクの固形物。ここまでかろうじてファンシーだが、固形物にははっきり「カチカチ便」と表記されている。

言葉がストレートな割に見た目はまだファンシーを保とうとするのが最近の生理用品CMの傾向なわけだが、っていうか昔の生理用品CMの傾向なんか知りゃあしないんだが、とにかくこれがうんこにも当てはまるんだなと。たしかに「経血」に比べれば深刻さを薄める加工がなされた形跡のある言葉ではあるが、「経血」と明言されてしまう水色の液体と、「カチカチ便」と書かれちゃうピンクのうんこの違いは程度の差でしかない。そしてやっぱり思う。最初の「便秘」の一言で後は全部通じるんじゃないか。そういうわけにはいかないのか。

さて、ここで小林製薬の肛門用軟膏のCMを見てみよう。やっぱりパステル調で描かれた尻のキャラクターの「おしりの穴かゆい、かゆ〜い!」の一言からスタート。ただ同時に出るテロップの方は「おしりかゆ〜い!」に省略されてる。やっぱ文字で「穴」まではあれだってことなのか…と思いきや、違う。「そんな肛門のかゆみに、『オシリア』」のナレーションとともに映しだされる「オシリア」のパッケージには「肛門のぶり返すかゆみ・痛みに」と。

「肛門」、そして「肛門」からの「ぶり返す」の威力。もうかゆくない肛門がかゆい。「小林製薬」ってだけでなんかかゆそうなのに(それもどうなんだろう)、ダメ押しだ。っていうかまず「オシリア」って。「ナ」だけじゃないか、あと。それをまるでドラクエみたいな、「オシリア姫をすくってくだされ!」みたいな感じで名付けてる。さすがは小林製薬。いっそネーミングまで開き直っちゃえばいいのかな、生理用品も。

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