19歳高卒ニートの人生

俺は俗に言うニートだ。新卒で入社して3ヶ月で会社を辞めた。でも今、働きたい欲はある。どなたか正社員で雇ってくれませんか。

どうしてこうなったのか

俺は2020年4月、関東の高校を卒業して都内の一般企業に就職した。職種はシステムエンジニア。全くの未経験だったが「研修があるしなんとかなるだろ」と思い応募を決め、無事採用されたので入社した。

なぜシステムエンジニアになろうと思ったのかは単純で、「それしかできそうになかったから」。俺の周りのオタクもSE多かったし、プログラミングはやったことないけどパソコンは好きだったので俺もSEで食っていけるだろとか思ってた。今思えばこの時点で進路選択をミスってたんだよな。

で、入社してからとあるプログラミング言語を学んでたんですけどまあ理解できない。最初はこんなもんかと思ったけどどんどん分からなくなっていく。Excelの関数とかとは全然違うんすよプログラミング。文字を打ってそれが一つのコードになってシステムが動く、その仕組みを知れば知るほど頭の中は「?」でいっぱいになるし、研修課題だった~~システムを作ってみましょうと言われても、どこをどうして何から始めていいのか分からない。そもそもこれはどういう意味でどういう事が書いてあるの?何をすれば目標達成なの?と何もかもが理解できなかった。俺はプログラミングをやめた。

hello world!とか出してた頃はプログラミングって面白い!だったけどだんだん話が壮大になってついていけなくなった。そのうち1ミリも読めぬソースコードを目の前にして萎えてしまい、一切の作業が進まなくなった。「分からないところが分からない」とはこの事だと痛感した。

こんな人はプログラミングに向いてない

① 英語が苦手

当たり前だろ。まず英語ってのは文法を理解せな1つの文章にならん。今からこういう動作をするのに何を定義してここで何を命令しなきゃいけないってのを1つの文章にするにはその言語の文法に則らなければならないので、英語が苦手、英語が理解できないという人は日本語以外の文法そのものを理解できない可能性が高いのでプログラミングに向いていない。コード自体が英語で書かれるのだからこんなもん3秒考えればわかる。ちなみに俺の英語の成績は万年2だった。赤点は回避していたが英語ほんまに分からん。

② 勉強する習慣がない

プログラミング、エンジニアとは常に勉強の世界だ。未知の言語、未知のソースコード、未知のエラー、これに対応できるようになるには知識をつけなくてどうする。特に俺みたいな未経験からモノを習得するにはそりゃ経験者に少しでも早く追いつくようにプライベートの時間でも勉強をしなければならないところを、俺は勤務時間の研修だけで賄おうとしていた。そして研修でも分からなかったのにそれを放置し続けた結果が今だ。学生の頃から探求心や勉強する習慣がないとこうなる。

③ そもそも未経験からSEになろうとするな

最終的にこれに尽きる。システムエンジニアやっててそれを楽しんでる人って「プログラマーを目指してた」じゃなくて「気付いてたらなってた」パターンだろ。要は将来の夢に「システムエンジニアになりたい」とか言ってるやつは120%地雷ということだ。システムエンジニアはあくまでも通過点であって、最終的な将来の夢として正しいのは「ゲーム開発者になりたい」とか、「俺はメル〇リを超えるサービスを作ってやるぜ」とか、「世界中の人を便利にするアプリを開発してやるぜ」みたいなことだろう。

そして例えばそう書いた小学生がいたとする。そしたらその小学生は何の努力もしないまま高校生になって大学に進んでゲーム会社に就職すると思うか?違う。本気でゲームを作りたいと思う子供は小学生のときからパソコンに触れてプログラミングというものを始めて中学生くらいになると実際にゲームを1本完成させ高校生あたりでそれをフリーゲームとして配布してみたり販売してみたりしてその能力を生かして就活をするというのが正解だ。もしその子供が小学生の時点でパソコンに触れて「ああ俺はプログラミングに向いてないのかもしれない」と思ったらそこでまた違う進路を選択すればいい。

話が逸れたが、俺はそんな壮大な夢を持っていたわけでもなく、ただ「それしかできそうになかったから」という漠然とした理由でシステムエンジニアを目指し、たった数ヶ月の間にその進路を決定してしまった。向いてるか向いてないかの判別さえせずにだ。実際のところは卒業までの間にjava scriptとか触って「へー面白いじゃん」とか思ったりはしたけど今ここでハイその時と同じWebサービスを作ってくださいと言われても何もできない。「プログラミングが習慣付いてる人」じゃないとこの仕事をやってはいけない。今流行りのプログラミングスクールとやらが業界から嫌悪されているのも大体そんな理由だと思う。

余談だが、俺の小学生の頃の夢は寿司職人だった。これはすぐに無理と分かった。(コミュ障・修行に耐えられないと思う・サービス業なので土日祝日が休みじゃないため)

それとは別に、交通系や都市計画に興味があったので母親から「将来は国交省の官僚か?」と冗談を言われたことがあった。俺も地方公務員になれればいいなと思っていたが、前述したように勉強する習慣がなかったので何の努力もしないまま進路選択のタイムリミットが来てしまい、なあなあでSEになった。あの時必死で「俺は国交省に入るんだ」って国家公務員の勉強をしてたらまた違う人生だったのかもしれないな。

やめたもう一つの理由

勤務地が遠かった。

東京に隣接するとある県から電車で片道1時間半以上。いやーきついっす。ご時世柄入社後即テレワークになったはしたけど、返ってそれが辛かった。週2,3日の出社が本当に辛かった。朝、行きは座っていけるし寝てたら着くからいいんだけど帰りは「ああ、まだここなのか・・・」と駅に止まるたびに絶望して帰ってた。通勤時間は心を壊す。俺みたいな人間は都内に勤務してはいけない、地元で職を探すべきだった。

というか俺自身、家に遅く帰ることに慣れていなかった。プライベートの用事以外は早く家に帰りたいタイプの人間だったから部活もやってなかった。部活って要は学校が終わった後の残業みたいな時間と考えていたから、さっさと帰りたかった。そんなタイプの人間がいきなり片道1時間半以上の都内に勤務したらメンタルを壊すに決まっている。

会社に申し訳ない

辞める意思を伝えた後周りはそりゃ止めてくれたさ。だってそれ言ったの6月だぜ?あまりにも決断が早すぎる。そんな周りの思い虚しく俺は退職届とまだ一度も病院で出したことのない新品の健康保険証を出したのだった。

俺は何度も「会社が悪いわけじゃない、自分が悪い」を繰り返した。だって会社には本当に何の非もないもん。研修体制、上司との関係、福利厚生、何も悪いところはなかった。自らそれを手放した俺って本当にアホだな。でもこのまま続けてても苦痛なだけだったしそのうち何もできないお荷物になっちゃうしなぁと思ってやっぱり辞める意思は変わらなかった。今ごろ俺はいなかったことにされてるし会社の人間ともう二度と会うこともないだろう。「世の中にはとんでもないやつがいる」という反面教師にでもしてほしい。

辞めた後のニート期間

辞めた後はダラダラしていた。高校時代の友人や先生にも相談できず、昼まで寝てゲームしてシコって3時過ぎに寝るとかいうクソみたいな生活をしていた。流石に家族に申し訳が立たなくなり、家事を手伝い始めた。掃除・洗濯・食器洗いくらいだけど。

3ヶ月分の給与なんて当然そう長くは持たないので、求職活動を始めることにした。転職サイトやエージェントを利用してみたがやはりこのご時世、求人なんてほとんどない。やっぱり俺はとんでもない時期に会社を辞めてしまったなと後悔し始めた。

流石に自分の力では限界を感じ、ハローワークを利用することにした。最初からそうすればよかったのだ。求人登録をして受付票というものを発行してもらった。担当者に「卒業した高校に行ってみてはいかがですか。あなたならまだ4月からの新卒扱いで取ってくれるところもあると思います」的なことを言われたが、恥ずかしすぎて母校になんて顔を出せるわけがない。

ハローワークインターネットサービスの使い方などを教えてもらうと、民間の転職サイトでは確かに見つからない地元での働き口がたくさん見つかった。やっぱりもっと早くこうすべきだったな、しかも求人票が見れるから安心だ。とこの時は思っていた。本当の地獄はここからだったのだ。

自分の希望は、給与は安くてもいいからとにかく正社員。土日祝日が休みなデスクワーク職だったので、案外たくさん見つかった。その中から数件ハローワークの担当者に電話をかけてもらった。ハローワークの紹介状がないと会社に応募できないからだ。

「19歳男性、事務職希望の方がお見えになってます・・・ああ、そうですか。失礼します」

突如担当者が電話を切ってしまった。なぜだろうか。

「こちらの事務職は女性のみの応募ということで・・・」

???????

最近は女性の社会進出だなんだ言って女性が中間管理職を務めたり会社の重要な役職を務めることだってあるのだから、男が事務職をやってもよくないか?「19歳男性」って電話口で伝えただけでお断りとかお前それ男女差別じゃないのか?これシステムエンジニアに例えてみろ、「19歳女性の方がお見えになっています」で「エンジニアは男の仕事だから」みたいな理由で断ったら今頃フェミが騒ぐだろ、なあ。

そんなに男を取りたくないならせめて書類だけでも受け取れよ。電話口でお断りはないだろ。とにかくこの会社の名前は二度と忘れねえからな。

さて、これまで何枚の紹介状を発行してもらい何枚の不採用通知を貰っただろうか。ハローワークの担当者は「パソコンがお得意なら履歴書はパソコンで作ってもいいと思いますよ」と言ってくれたが手抜きだと思われたくないから1枚1枚丁寧に書き、安くはない証明写真を撮り安くはない普通郵便代を払い、また不採用通知が来れば安くはない電車賃を払ってハローワークに通い詰める。全部書類選考で落とされ、面接に行ったのはたったの1回だがそれは書類選考がなくて応募後即面接だった会社だ。いつまでこんな生活続けんだろ、俺。

「まだまだ19だし人生何とかなるだろ!」「働き口は0じゃないだろ!」みたいな気持ちになってた俺をぶん殴りたい。人生何ともならないし働き口は0です本当にありがとうございました。

もうハローワークインターネットサービスに載ってる中で応募できる職、残ってねえよ・・・

これを見てる中学生・高校生に伝えたい

いないとは思うが、俺自身が中高生のときだいぶ捻くれていたので、ネットの海からこんな記事を見つけてもおかしくない第二第三の俺を生み出さないために書き残しておく。

自分のやりたい事はなんだ?将来どうなっていたい?こんなクソみたいな世の中で将来の希望もあったもんじゃないが、時間は止まらない。やがて大人になって俺のように進路選択のタイムリミットがやってくる。

特に「周りのオタクにSE多いし、パソコン好きだから俺もSEやろっかな~」とか思ってるそこのお前は今すぐその考えを捨てろ。お前は他に取り柄があるはずだ。たまにはパソコンじゃなくて自分と向き合え。やりたいことが分からない?将来の夢がない?なら大学へ行け。大学へ行くことで進路選択の猶予を3年は引き延ばせる。大学にさえ行けば何かが見つかるだろう。少なくとも高校で何かが見つかると思うな、高卒ではあまりにも進路選択の幅が狭すぎるし、時間がなさすぎる。大学へ行け。もし、やりたいことが具体化してるなら専門学校でもいいだろう、あそこなら「専門」とつくだけあって当然特化したことを教えてくれるからな。金がなくても奨学金を借りればいい。将来返済しなきゃいけない借金にはなるが、それを返せるだけのスキルを身につけて社会に飛んでいく覚悟があればお前なら返せる。

俺だってやれることなら今から専門学校とか大学に行きたいさ。でも一度誤った進路選択はこうして取り返しがつかなくなるんだ。一流企業に入りたければ勉強をしろ。夢を叶えたいなら専門学校に行け。勤務地選びは慎重にしろ。特に「この時間に退勤すれば何時の電車に乗って何時に家に着くな・・・」という、働き始めた体でのシミュレーションをしろ。何分残業したら帰りは何時になるかもしっかり調べろ。そしてそれに耐えられる覚悟があるならそこに応募しろ。間違っても今流行りのテレワーク出来るだろうからみたいな理由で自宅から何時間もかかる遠いところにするなよ。

これから俺はどうなるのだろうか

こんなインターネットの海で就職できね~と嘆いてもそれは氷山の一角で世の中には職を失った人がごまんといるし、誰だって正社員になりたい。テレビドラマ相棒の有名な回、「ボーダーライン」を思い出すな。まさか俺が”あっち側”の人間になるなんてな。一方で働く気も起きない引きこもりも世の中にたくさんいるだろう。俺はまだそこまで堕ちずに自分の足で求職活動をしているという事実だけで何とか踏ん張っている。本当に家から1歩も出なくなったら終わりだ。

俺は平日が憂鬱だ。みんな働いているのに俺だけ・・・という自己嫌悪がすごい。日曜の夜が特にヤバイ。みんな明日から仕事だというのに俺だけ・・・って思ってしまうので何とかその罪悪感を和らげるために毎週月曜はハローワークに通うことにしている。通うのも電車賃とかあるからタダじゃないんだけどな・・・

アルバイトを始めるのもいいかもしれないが、こうして求職活動は始めているのにアルバイトに1歩が出ない。ここがもうダメなんだろうなと思いながら過ごしている。「アルバイト始めてすぐに内定決まったら申し訳ないじゃん」という身勝手な言い訳を自分の中で繰り返している。俺、人間というか生命体に向いていないのかもしれない。蟻ですら働いているのに・・・

でも自殺願望はこれっぽっちもない。死んだら負けだと思ってるし、やり残したことはたくさんあるし趣味も充実してるし。でもこのまま親が死んで頼れる身内がどんどんいなくなって、となったときに起こりうるのは自殺じゃなくて餓死とか衰弱死とかそういう危険性。そうならないように早く就職したいんだけどな・・・

以上、19歳で人生詰んだ男性でした。俺に仕事ください。

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