おすすめNetflix作品のはなし

Netflixに加入することをためらっている人を奈落に突き落とせるように、見ない理由がない作品を紹介させてもらおうと思う。

① Don't Look UP

巨大彗星が地球に衝突する可能性を必死に訴える2人の天文学者。だが、情報が氾濫する世界では、誰ひとりとしてその警告に耳を貸そうとせず…。

Netflixより

強烈な社会風刺が効いた作品なのに、説教感もなく見事にエンターテインメントとして昇華させている作品。また超豪華な俳優陣によってその完成度は見事なまでに高められている。人類滅亡が差し迫っている中で、政治家にその危機を伝えようとしても伝わらない、メディアに訴えかけても伝わらない、SNSでも伝わらない。至る所で起きていく分断に目も当てられなくなっていく。最終的に危機に気づいたときにはこの作品に登場する人物の大半が愚かに見えてしまうのだが、これは笑い話ではなく現代のいたるところで起きているのではないかというリアルさに笑えなくなってくる。ふざけているようで真剣に現実を描いたコメディを見た後に現実の世界に目を向けた時にどう思うかが大事な気がします。見て欲しい!

② SEX EDUCATION

タイトルのせいで一部の人からは敬遠されそうだがそんなこと気にせず、恐れず、ためらわずに再生ボタンを押してほしい。絶対後悔しないです。
タイトル通り「性教育」を軸に置いて描いていくストーリーなのだが、描きたい本質はそこだけではなく、ジェンダーやドラッグ、コミュニケーション、中絶、性被害など多岐に渡る。また「性」そのものを面白おかしく描写するのではなく、誰しも抱える性の問題に対して真摯に誠実に描いていることに対して、制作陣の細やかな配慮と世間に対して示したいメッセージが読み取れる。とりあえずこれは高校で必修にしたらええやん。

日本であればある程度の年頃になれば性に関する知識が付いていて当たり前だという風潮がある。しかしそれは正しいものとは言えるはずもない形骸化したようなものばかりで、情報源はAVだったりする。セックスというものを「恥ずかしいもの」「忌み嫌うもの」としてまるで腫物のように教育現場で扱うのではなく、「SEX EDUCATION」のように正しく取り扱うことが本来あるべき姿なのではないだろうか。ええ作品です。

③ American Factory

米オハイオ州にある工場が不況のために閉鎖。そこに中国企業が進出し、工場を再開させる。しかし、米中の価値観や考え方の違いが随所で浮き彫りになることで少しずつひずみが生まれていく。Netflixが手掛けたドキュメンタリー作品のレベルの高さに驚かされた。中国人経営者から見るアメリカへの目線、アメリカ人労働者から見える中国人、全くかみ合わないのが印象的だった。生まれ育ったバックグラウンドが明らかに違うことによる弊害、米中の対立をリアルに描いていることでより真実味を感じる。互いに分かり合えない、歩み寄れない、世界の分断の訳をアメリカにある中国企業の工場がまさに示していると言えるだろう。そりゃアカデミー賞とるわ。

おわり

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