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令和5年-徴収法〔労災〕・問9-A「労働保険事務組合・委託事業主」

労働保険徴収法

労働保険事務組合・委託事業主

今回は、令和5年-徴収法〔労災〕・問9-A「労働保険事務組合・委託事業主」です。

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労働保険事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に主たる事務所を持つ事業の事業主のほか、他の都道府県に主たる事務所を持つ事業の事業主についても、当該労働保険事務組合に労働保険事務を委託することができる。

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「労働保険事務組合・委託事業主」に関する問題です。

次の問題をみてください。

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【 H29-雇保10-B 】
労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することができる事業主は、継続事業(一括有期事業を含む。)のみを行っている事業主に限られる。

【 H21-労災8-C 】
常時300人以下の労働者を使用する建設の事業の事業主は、事業の期間が予定される有期事業(一括有期事業を除く。)については、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することはできない。
 
【 H29-雇保10-A 】
労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することができる事業主は、当該労働保険事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に主たる事務所をもつ事業の事業主に限られる。
 
【 H15-雇保9-B 】
労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することができる事業主は、労働保険事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に主たる事務所を有するものに限られる。

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労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することができる事業主の要件は、前述した規模要件などがありますが、それら以外にも論点にされる点があり、ここに掲載した問題は、それらに関するものです。
委託することができる中小事業主って、“継続事業の事業主であるか、有期事業の事業主であるかは問いません”。この点も何度も出題されています。
【 H29-雇保10-B 】【 H21-労災8-C 】では、有期事業の事業主は、委託することができない内容となっているので、誤りです。
有期事業だからといって委託することをできなくするというような合理的な理由はありませんから、有期事業の事業主であっても委託することができます。
さらに、もう1つ論点があります。それは地域的な要件です。
労働保険事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に主たる事務所を有する事業主に限って委託することができるかどうかですが、これは限定されません。他の都道府県に事務所を有する事業主も委託することは可能です。したがって、【 H29-雇保10-A 】【 H15-雇保9-B 】は誤りで、【 R5-労災9-A 】は正しいです。
ちなみに、令和元年度までは、委託事業主について、一定の地域的制限があったので、労働保険事務組合の主たる事務所の所在する都道府県以外の都道府県に主たる事務所が所在する事業の事業主は、いくらでも委託ができたのではありません。そのため、このような出題が行われています。
ということで、委託事業主に関する問題の論点は
❶ 団体の構成員に限定されない
❷ 中小事業主に限られる
❸ 継続事業であるか、有期事業であるかは問わない
❹ 地域的な制限はない
の4つです。これらをしっかりと確認しておきましょう。


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