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令和5年-国年法・問1-A「追納」

今回は、令和5年-国年法・問1-A「追納」です。

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保険料の全額免除の規定により、納付することを要しないとの厚生労働大臣の承認を受けたことのある老齢基礎年金の受給権者が、当該老齢基礎年金を請求していない場合、その承認を受けた日から10年以内の期間に係る保険料について追納することができる。

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「追納」に関する問題です。

次の問題をみてください。

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【 H21-2-C[改題]】
繰上げ支給の老齢基礎年金を受給している者であっても、65歳に達する日の前日までの間であれば、保険料免除の規定(国民年金法第88条の2に規定する産前産後免除期間を除く。)により納付することを要しないものとされた保険料につき、厚生労働大臣の承認を受けて、当該承認の日の属する月前10年以内の期間に係るものについて、その全部又は一部につき追納することができる。

【 H14-1-C[改題]】
老齢基礎年金の受給権者は、保険料免除の規定(国民年金法第88条の2に規定する産前産後免除期間を除く。)により納付することを要しないとされた保険料について、厚生労働大臣の承認を受けて追納することができる。

【 H15-9-D 】
老齢基礎年金の受給権者で、支給の繰下げの申出をしている場合にも保険料の追納はできない。

【 H30-3-B 】
被保険者又は被保険者であった者(老齢基礎年金の受給権者を除く。)は、厚生労働大臣の承認を受け、学生納付特例の規定により納付することを要しないものとされた保険料につき、厚生労働大臣の承認の日の属する月前10年以内の期間に係るものに限り、追納することができる。

【 H11-6-A[改題]】
被保険者又は被保険者であったすべての者については、国民年金法第89条から第90条の3の規定により納付を要しないものとされた保険料の全部又は一部につき追納をすることができる。 

【 H24-5-D[改題]】
保険料の免除(国民年金法第88条の2に規定する産前産後免除を除く。)を受けている第1号被保険者が障害基礎年金の受給権を有する場合でも、厚生労働大臣の承認を受け、免除を受けた期間の保険料(承認の日の属する月前10年以内の期間に係るものに限る。)の全部又は一部を追納することができる。

【 H28-6-D[改題]】
被保険者又は被保険者であった者が、保険料の全額免除の規定(国民年金法第88条の2に規定する産前産後免除期間を除く。)により納付することを要しないものとされた保険料(追納の承認を受けようとする日の属する月前10年以内の期間に係るものに限る。)について厚生労働大臣の承認を受けて追納しようとするとき、その者が障害基礎年金の受給権者となった場合には追納することができない。

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「保険料の追納」のうち、老齢基礎年金の受給権者等が追納することができるかどうかという点を論点とした問題です。
 
追納は、厚生労働大臣の承認を受けて、当該承認の日の属する月前10年以内の期間に係るものについて、行うことができます。
行うことができるのは、被保険者であるものだけでなく、被保険者であった者についても行うことができます。
ただし、老齢基礎年金の受給権者は、その年齢にかかわらず、追納することはできません。
老齢基礎年金の受給権者であれば、その請求をする前であろうと、追納することはできません。
また、支給を繰り上げていようが、繰下げの申出をしていようが、追納することはできません。

したがって、最初の3問は誤りで、続く2問、【 H15-9-D 】【 H30-3-B 】は正しいです。
 
その次の【 H11-6-A[改題]】ですが、
この問題では、「老齢基礎年金の受給権者」という記述はありませんが、「被保険者であったすべての者」とあります。
これですと、「老齢基礎年金の受給権者」も含まれてしまうことになります。
誤りです。

「老齢基礎年金の受給権者」と明確にしていなくても、それを含むような記述であって、追納ができるとしていれば、誤りですからね。
このような出題の場合は、注意です。
それと、【 H24-5-D[改題]】では、障害基礎年金の受給権者は追納できるとしています。
これは、正しいです。
【 H28-6-D[改題]】では、
「障害基礎年金の受給権者となった場合には追納することができない」
としているので、誤りです。

追納することができないのは、老齢基礎年金の受給権者だけで、障害基礎年金や遺族基礎年金の受給権者は、「受給権者である」ということ理由に追納が制限されることはありません。
ですので、老齢基礎年金の受給権者でないのであれば、追納することができます。

ちなみに、障害基礎年金の額や遺族基礎年金の額は、保険料の納付状況にかかわらず決定されますが、老齢基礎年金の額は、保険料の納付状況によって異なります。この違いが、追納することができるかどうかに影響しています。

ということで、
年金の受給権者すべてが追納することができないというのではありませんから、この点は、間違えないようにしましょう。


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