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令和4年-国年法問3-C「脱退一時金」

国民年金法・厚生年金保険法


脱退一時金


今回は、令和4年-国年法問3-C「脱退一時金」です。

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脱退一時金の支給の請求に関し、最後に被保険者の資格を喪失した日に日本国内に住所を有していた者は、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日から起算して2年を経過するまでに、その支給を請求しなければならない。

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「脱退一時金」に関する問題です。

次の問題をみてください。

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【 H30-厚年3-オ 】
脱退一時金は、最後に国民年金の被保険者の資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して2年を経過しているときは、請求することができない。

【 H18-厚年5-C 】
脱退一時金は、日本国籍を有する者には支給されず、その者が最後に国民年金の被保険者の資格を喪失した日又は同日において日本に住所を有していた場合には資格喪失後初めて日本国内に住所を有しなくなった日から起算して2年を経過しているときにも支給されない。

【 R3-厚年9-C 】
ある日本国籍を有しない者について、最後に厚生年金保険の被保険者資格を喪失した日から起算して2年が経過しており、かつ、最後に国民年金の被保険者資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して1年が経過した。この時点で、この者が、厚生年金保険の被保険者期間を6か月以上有しており、かつ、障害厚生年金等の受給権を有したことがない場合、厚生年金保険法に定める脱退一時金の請求が可能である。

【 H26-厚年4-D 】
最後に国民年金の被保険者の資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して1年を経過しているときは、脱退一時金を請求することができない。

【 H12-国年2-E 】
日本国内に住所を有していた日本国籍を有しない者が第1号被保険者の資格を喪失した日より後に初めて日本国内に住所を有しなくなった日から起算して2年を経過しているときは、脱退一時金の支給の請求ができない。

【 H13-国年10-B 】
脱退一時金を請求することができるのは、最後に被保険者の資格を喪失した日から2年を経過した日以後である。

【 H23-国年1-C 】
脱退一時金の支給要件の1つとして、最後に被保険者の資格を喪失した日(同日に日本国内に住所を有していた者にあっては、その後初めて日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して2年を経過していることが必要である。

【 H13-厚年5-A 】
厚生年金保険の被保険者期間が6か月以上ある日本国籍を有しない者が、最後に国民年金の被保険者の資格を喪失した日から2年以内に出国するときに限り、障害厚生年金その他政令で定める保険給付の受給権を有したことがない場合には、脱退一時金を請求することができる。

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「脱退一時金」に関する問題です。
 
脱退一時金については、厚生年金保険法にも、国民年金法にも、共通の規定があります。
支給額の算定方法は異なっていますが、支給要件などは基本的に同じなので、このような箇所は、あわせて勉強してしまうというのが、効率的です。
 
ここに挙げた問題は、いずれも、支給の請求をすることができる時期を論点にしています。
 
【 H30-厚年3-オ 】【 H18-厚年5-C 】では、国民年金の被保険者の資格を喪失した日などから起算して2年を経過しているときは「請求することができない」又は「支給されない」としています。これは、正しい内容です。
2年を経過してしまえば、請求することはできません。
 
【 R3-厚年9-C 】では、「最後に厚生年金保険の被保険者資格を喪失した日から起算して2年が経過」とありますが、厚生年金保険の被保険者資格を喪失した日からどれだけ経過しているのかというのは、支給に影響しません。国民年金の被保険者資格を喪失した日などから起算して2年を経過していないのであれば、その他の要件を満たす限り、請求することができます。この問題の場合、要件を満たしているので、請求が可能です。
正しいです。
 
【 H26-厚年4-D 】は、単純な期間の置き換えによる誤りです。
「1年」とあるのは、「2年」です。
これは、間違えてはいけないところです。
【 H12-国年2-E 】【 R4-国年3-C 】は、国民年金法の脱退一時金についてですが、請求期限は厚生年金保険法と同じですから、正しいです。
 
一方、【 H13-国年10-B 】【 H23-国年1-C 】は、請求することができるのが「2年を経過した日以後」、「2年を経過している」とあるので、誤りです。
では、【 H13-厚年5-A 】ですが、「国民年金の被保険者の資格を喪失した日から2年以内に出国するときに限り」とありますが、そうではありません。
 
【 H30-厚年3-オ 】に、
最後に国民年金の被保険者の資格を喪失した日
又は
「同日において日本に住所を有していた者にあっては、同日後初めて日本
国内に住所を有しなくなった日
とあるように、資格を喪失した際に日本国内にいる場合、出国までの期間を問わず、その後、国内に住所を有しなくなってから2年以内であれば、請求することができます。
 
それと、【 H18-厚年5-C 】に「日本国籍を有する者には支給されず」とありますが、この点についても論点にされることがあるので、確認を忘れずに。
 
どんな場合でも、日本国籍を有している者には支給されることはありませんよ。


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