見出し画像

令和5年-厚年法・問5-C「死亡の推定」

今回は、令和5年-厚年法・問5-C「死亡の推定」です。

☆☆===========================================☆☆

船舶が行方不明となった際、現にその船舶に乗っていた被保険者若しくは被保険者であった者の生死が3か月間分からない場合は、遺族厚生年金の支給に関する規定の適用については、当該船舶が行方不明になった日に、その者は死亡したものと推定される。

☆☆===========================================☆☆

「死亡の推定」に関する問題です。

次の問題をみてください。

☆☆===========================================☆☆

【 H26-国年2-B 】
船舶に乗っていた者がその船舶の航行中に行方不明となり、その生死が1か月間分からない場合には、死亡を支給事由とする給付の支給に関する規定の適用については、行方不明となった日に、その者が死亡したものと推定する。

【 H12-国年2-D 】
船舶が行方不明となった際、その船舶に乗っていた者の生死が6か月間分からないとき、死亡を支給事由とする給付の支給に関して、行方不明になった日にその者は死亡したものと推定する。

【 H22-国年4-D 】
船舶が行方不明になった際に現にその船舶に乗船し、行方不明となった者の生死が分からない場合は、その船舶が行方不明となった日から3か月を経過した日にその者は死亡したものと推定する。

【 H7-国年1-B 】
船舶が沈没し、現にその船舶に乗っていた者の生死が3か月間分からない場合には、死亡を支給事由とする給付の支給に関する規定の適用については、その船舶が沈没した日から3か月を経過した日に、その者は、死亡したものと推定することとされている。

【 H14-国年9-E 】
船舶が沈没若しくは行方不明になった際現にその船舶に乗船し、行方不明となった者の生死が3か月間分からない場合は、その船舶が沈没若しくは行方不明となった日から3か月を経過した日に、その者は死亡したものと推定する。

【 R元-厚年6-A 】
行方不明となった航空機に乗っていた被保険者の生死が3か月間わからない場合は、遺族厚生年金の支給に関する規定の適用については、当該航空機の到着予定日から3か月が経過した日に当該被保険者が死亡したものと推定される。
 
☆☆===========================================☆☆

「死亡の推定」に関する問題です。

まず、
【 H26-国年2-B 】では、「生死が1か月間分からない場合」
【 H12-国年2-D 】では、「生死が6か月間分からないとき」
に死亡の推定が行われるとしています。

死亡の推定は、生死が「3か月間」分からない場合に行われます。
ですので、いずれも誤りです。

これらの問題は、どれだけの期間が経過したら死亡の推定が行われるのかを論点にしています。
そのほかの問題では、いつ死亡したものと推定するのかが論点です。

【 H22-国年4-D 】では、
「行方不明となった日から3か月を経過した日」
【 H7-国年1-B 】では、
「沈没した日から3か月を経過した日」
【 H14-国年9-E 】では、
「行方不明となった日から3か月を経過した日」
に、その者は死亡したものと推定するといずれも死亡と推定する時期を「3か月経過した日」としています。

【 R元-厚年6-A 】は、厚生年金保険法の問題で、航空機に関するものですが、死亡と推定する時期を「航空機の到着予定日から3か月が経過した日」としています。
国民年金法でも、厚生年金保険法でも、考え方は同じで、死亡の推定の時期は、
● 船舶であれば、「船舶が沈没した日」や「船舶が行方不明となった日」、「その者が行方不明となった日
● 航空機であれば、「航空機が墜落した日」や「航空機が行方不明となった日」、「その者が行方不明となった日
つまり、事故が発生した日、その日に、その者は死亡したものと推定されます。
ということで、いずれも誤りです。

【 R5-厚年5-C 】も厚生年金保険法の問題ですが、これは正しいです。

「死亡の推定が行われるまでの期間」と「死亡と推定される日」
この2つの関係が混乱してしまうと・・・・・
間違えてしまうので、注意しましょう。

それと、死亡の推定については、労災保険法にも出てくるので、あわせて確認しておきましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?