見出し画像

令和5年就労条件総合調査の概況<みなし労働時間制>

今回は、令和5年就労条件総合調査による「みなし労働時間制」です。
 
みなし労働時間制を採用している企業割合は、14.3%となっています。
 
企業規模別にみると、
1,000人以上:26.5%
300~999人:16.3%
100~299人:14.4%
30~99人 :13.7%
となっています。
 
みなし労働時間制を採用している企業割合を種類別(複数回答)にみると、
「事業場外みなし労働時間制」:12.4%
「専門業務型裁量労働制:2.1%
「企画業務型裁量労働制」:0.4%
となっています。
 
また、みなし労働時間制の適用を受ける労働者割合をみると8.9%で、これを種類別にみると
「事業場外みなし労働時間制」:7.6%
「専門業務型裁量労働制」:1.1%
「企画業務型裁量労働制」:0.2%
となっています。
 
みなし労働時間制に関しては、「事業場外労働」以外は、採用割合がかなり低いという状況です。
 
そこで、過去の出題をみると、
 
【 H11-2-C 】
労働省の「賃金労働時間制度等総合調査」によると、企業規模30人以上の企業における事業場外労働のみなし労働時間制の適用部門は、平成9年においては、運輸・通信部門が最も適用割合が高く、次いで販売・営業部門で高くなっている。
 
【 H24-5-D 】
みなし労働時間制を採用している企業の割合は全体では約1割だが、企業規模が大きくなるほど採用している企業の割合が高くなる傾向がみられる。
 
【 H28-4-B 】
みなし労働時間制の適用を受ける労働者割合は、10パーセントに達していない。
 
というものがあります。
 
【 H11-2-C 】は、かなり厳しい問題です。
出題当時、販売・営業部門が最も適用割合が高くなっていたので、誤りですが、ここまでは押さえておく必要はないでしょう。
 
【 H24-5-D 】は、正しいです。
みなし労働時間制を採用している企業は約1割でした。
令和5年調査では、1割を超えている状況で、約1割と言えるかというと微妙です。
企業規模別の状況については、規模が大きくなるほど採用している企業の割合が高くなっています。
 
【 H28-4-B 】は、勘違いに注意です!
【 H24-5-D 】は採用している企業の割合を論点にしているのに対して、【 H28-4-B 】は適用を受ける労働者割合です。
ですので、「10パーセントに達していない」というのは正しいです。
 
ということで、みなし労働時間制については、【 H24-5-D 】と【 H28-4-B 】の出題内容と「事業場外みなし労働時間制」の採用割合が高いこと、この程度を知っておけば、十分でしょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?