ベンチの話
土曜日の霞ヶ関(東京)の交差点を渡ったら、20人いたオフィス格好の人達が一斉に振り返った。
恐ろしくて固まっていたら、交差点を渡る撮影をしてるところに遭遇してた。
言えよ。怖いだろ。
霞ヶ関に行く要件は日比谷公園の野音しかない。
アイドルのライブだ。
1ヶ月前にも野音に行ったのに、土日の飲食店営業が皆無なのを忘れてた。オフィス街なので、コンビニすら営業してない。
昼飯を食わねば。
屋台がある。白いテント屋根だ。
虫のように誘われた私が入ろうとしたら、「スタッフですか?」と声をかけてきた。
何なのか分からないが「違う」と答えたら、「当日券はこちらに並んでください」と促され見たら60分の札を抱えた行列。
クリスマスマーケットだった。日比谷公園の。
反吐が出る。恐ろしい。
陰湿な私にとっては夏の海の次に苦手なフィールドだ。
陽気で浮かれてお洒落で、人混みも苦に感じない人々が行く所だ。
身の危険を感じて直ぐに離れた。
昼飯を食い損ねた私は、UberEATSを頼んだ。
日比谷公園という特殊な場所は、届くか不安なので「御手洗2と売店近くのベンチ」と細かく記載した。
念を押すように、先にチップ100円も配達員に払った。
待つ間ライブで新曲披露するタオルを使用する振り付けを覚えるために、1人ベンチでタオルを振り回した。
周りには外人家族、カップルが溢れてて浮いてる。
どうか貴方たちの写真に、不審な私が写っていませんように。こっちを見るなよ。
UberEATSが届き、チップの分オジサンがヘコヘコお礼を言っていた。
2000円のモスバーガーセット。
都内のランチは高い。
いよいよライブが始まり、新曲振付師がわざわざライブ中に振り付けレクチャーをしてくれた。
あの不審な時間はいらなかったのだ。
心まで寒くなってきた。
霞ヶ関は飲食店を増やすべきだ。
ちなみに、日比谷公園の御手洗2の前のベンチは、御手洗と売店とゴミ箱が近いのでオススメだ。
また私はあのベンチに座るに違いない。
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