ミライの授業②(ベーコン)

こんにちは。なかむらともやです。

昨日から瀧本哲史先生のミライの授業という本について書いています。

今日は偉人の2人目であるフランシス・ベーコンという人について書きたいと思います。

ベーコンは高校の時に倫理をとっていた人は知っているかもしれませんが、教科書では哲学者となっています。

しかし彼は、わずか12歳でケンブリッジ大学トリニティカレッジに入学し、法律家であり、政治家でもありました。

政治家としては今の日本で言う菅官房長官のような地位にもついていて大政治家でもあります。

さらに科学者でもあり、彼を一概に哲学者の枠で捉えるのは認識としては若干ずれているかもしれません。

彼が他の哲学者と決定的に違う点は自信が哲学者でありながら哲学者のことを厳しく批判している点です。

一見矛盾しているように思えますね。

ベーコンが批判した哲学者は理屈だけこねて現実を見ようとしない理想主義である人たちでした。

なぜならベーコンは「観察と実験」を最も重視した人物だからです。

観察と実験は皆さんも理科の授業で何回もやっていると思います。顕微鏡での微生物の観察や化学反応の実験などです。

これはスポーツでも皆さんやっています。誰かうまい人の動きを見て(観察)、真似する(実験)。これは結構やっていると思うので、それをやるのは当たり前じゃんと思う人もいると思います。

ベーコンが一番言いたいのはこの観察と実験をやり続けなければ、本当に正しいことは見出せないと言うのです。

そして観察と実験を習慣化し、繰り返した人だけが未来を変えるような発明、発見をすることができます。

なぜこれほどベーコンは観察と実験を大事だと言うのでしょうか?

それは人間がおちいる「思い込み」の罠を恐れていたからです。

思い込みとは別の言い方で「普通」と言います。

例えば1つ例をあげます。東京に住んでいる人はほぼ100%ICカードを持っていると思います。電車に乗る時切符で通っている人は東京ではほとんど見ません。

これは首都圏に住んでいる人からしたら「普通」ですね。

しかし離島の、電車も通っていない、通っていても切符でしか通れない人がいるとします。

その人がいきなり東京に来て改札の前に来たらどうでしょうか?どうすれば改札を通れるのかわからないと思います。

首都圏に住んでいる人の普通は、別の地域に住んでいる人にとってみたら普通ではないのです。

ベーコンはこうした思い込みを4つに分類しています。

・人間の思い込み(種族のイドラ)

・個人の思い込み(洞窟のイドラ)

・言葉の思い込み(市場のイドラ)

・権威の思い込み(劇場のイドラ)


1つ目の種族のイドラとは、人は脳や身体的な面で様々な制約を受けているということです。

こうした人間に生まれてしまったからこそ生じた思い込みのことです。

これだけではわからないと思うので例をあげます。

例えば遠近法です。写真を撮る時、レンズに近い人が大きく見え、レンズから遠い人は小さく見えます。これは脳がおちいっている思い込みです。

本来物体の大きさは変わらないはずなのに、脳が勝手に大きくしたり、小さくしたりしています。これは人間に生まれてきた全員がおちいる思い込みです。

2つ目は洞窟のイドラです。

これは簡単に言うと自己中な思い込みのことです。これは種族のイドラと違って意志の中でおちいるので注意が必要です。

例えば野球をやっている人が「野球が一番面白いスポーツだ」と思って別のスポーツをやっている人に押しつけると言った行為です。これはダメですよね。

このように洞窟のイドラは常に「みんな違う」という意識を持っていなければ簡単におちいります。

それが原因で人間関係が壊れたりするので注意が必要です。

3つ目の市場のイドラですが、これは簡単に言うと噂話を信じることによる思い込みです。

これもおちいりがちです。

よく「あの子とあの子は仲が悪い」とか「あの子は変だ」とか噂話ってみんな好きですよね。で、それを少し信じますよね。それ、市場のイドラにおちいっています笑

実際、その噂になっている人と喋ってみたら全然違った時がかなりあると思います。これは会って話すというベーコンの観察と実験をちゃんとやったから噂に惑わされることなく真実に行き着いたわけですね。

4つ目の劇場のイドラですが、これは僕もおちいりました。

大学生の方々に聞くのですが、皆さんはなんで大学に入ったのでしょうか?

その理由として「高校の先生が大学行っておいたほうがいいって」って言われた人が結構いるのではないでしょうか。

もちろん自分の意思で入った人はここでは大丈夫なのですが、僕も散々先生に言われてました。

学校の先生の言ってることって疑わしく思いながらもその通りにしがちですよね。

これが権威のイドラです。偉い人が言ってるからという理由で信じてはいけません。

大切なのは「誰が言っているのか」ではなくてその人が「何を言っているか」だということです。

世の中には正しそうに見えて正しくない情報がたくさんあります。

ベーコンが言っているのはこうした「思い込み」に惑わされないように常に考え、観察と実験を繰り返すことだと言っています。

まとめとしては自分がこれだと思ったことでも何度も実験して観察することが必要であるということです。

ベーコンはその大切さを教えてくれています。

次回も偉人について紹介したいと思います。

読んでいただきありがとうございました。


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