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永井孝尚『MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた』 考察

著者紹介:永井孝尚
 慶応義塾大学工学部を卒業後、日本IBMに入社。マーケティングマネージャーとして事業戦略策定と実施を担当。さらに人材育成責任者として人材育成戦略策定と実施を担当し、同社ソフトウェア事業の成長を支える。2013年に日本IBMを退社して独立。執筆の傍ら幅広い企業や団体を対象に新規事業開発支援を行う一方、毎年2000人以上に講演や研修を提供し、マーケティングや経営戦略の面白さを伝え続けている。

この著作ではMBAを修得するためには欠かせない経営戦略や起業、マーケティングに関する多くの書籍から永井氏が50冊選定し要約したものである。一見すると自分の人生には関係のないことばかり書かれていると思われがちだが、仕事だけにとどまらずこれら知識は日常生活を潤すためしゅだんとしても応用が可能であると言える。その中でもわたしが興味をもった本を2点紹介したい。

『競争優位の終焉』リタ・マグレイス

一発芸でブレイクを果たした芸人はそこから仕事を獲得し続けるのはかなり難しいということはテレビを見ているとよくわかる。永井氏からすると芸人が新しいギャグを生み出し続けることと、マグレイス氏が述べる企業が一時的な競争優位性を獲得し続けることは生命線を維持する点において類似しているという。つまり、企業にとどまらず、個人でさえも変わり続けるないしは進化し続けることが生き残ることへの条件なのである。そして変わり続けるためには目標に伴う挑戦、失敗を繰り返すことが必要であると述べている。人はしばしば失敗を恐れて行動を起こせないことがある。その結果チャンスを逃し、挑戦したものへと手柄が渡ってしまう。リスク管理も大切だが、迅速な判断もまた変わり続けるためには必要な武器となる。ではどのようにしてその判断力を養えばいいのか。マグレイス氏によると大切なのは『問題発見力』と『課題解決力』の2つであるという。これらは義務教育における人格形成のための目標でもある。だが、実際これらを完全に習得している人は国内にどれだけいるだろうか。我々はいま1度文科省の出す学習指導要領に懐疑的になる必要があるかもしれない。

『アントプレナーの教科書』スティーブン・G・ブランク

これを選んだ理由は副業に対する考え方を改めることが出来たからである。これまでの副業に対する個人的な価値として、「余暇でお金を稼ぐ」「お金を稼ぐためにやる」という収入を主体とした考え方であった。しかし、それでは本業が忙しくなった時に容易に放棄してしまう可能性があった。それから私はどのような副業が長く続けられるものなのかということを考え始めた。
本著でスティーブン氏は「成功する商品は顧客が価値を認識して買う」と述べており、さらに、「全ての顧客のニーズを理解することは出来ない」と述べている。つまり極端な話、全ての人間に理解してもらおうとするのではなく、本当に困っている人に対してその商品ないしはサービスがより輝いて見えればいいということである。大事なのは新しい商品やサービスの開発よりも顧客の開発であるというスティーブン氏は言う。
顧客のニーズというものは常に変化し続けるものであると考える。冷蔵庫が欲しいというニーズは手に入れることが出来れば別のものに移るし、映画も見てしまえば別の映画へとニーズが移る。副業において大切なのはいかにその時々のニーズを察知して行動に落とし込めるかという点にあると考えている。故に永続的に安定した収入を得れる副業はないと言えるし、生活基盤を支えるそれらの柱はいくつか用意しておいた方がいいと考える。


今回の考察では自論が多くなってしまいましたが、ひとつの書物でも考え方や視点を変えるだけで様々な事柄にフォーカス出来るということをお伝えしたかったためです。この他にも48冊の本が紹介されています。自分に合った1冊が必ず見つかると思いますので是非自分の目で頭で確かめてみてください。

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