Stomach ache

2019年4月頃、The Novembersの高松さんがSandy DriveⅡへ興味を持ってくださったことが発端となり連絡を取るようになり、6月頃に当初はスーパーローブースターを作れないか?という提案から“Stomach ache”の計画は始まりました。
低域だけを強調、ブーストするのであればアクティブイコライザーを使用するのも方法としてはありですが今回はより自然なものを作ろうということに(ブーストしている時点で自然ではないですが...笑)。

自宅にて試作を繰り返し、8月頃に試作機第一号を高松さんの元へ。
最初の感想は「結構地味だな...」というのが正直なところだったようですが、弾いていると「なるほどな」という感じになったとのことで一安心。

ちなみにこちらが一号機

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その後改良点、改善点を伺い試作機第二号を製作。
塗装やノブなど外観はこの頃決まり、回路構成も大まかに決まったのでダイオードやコンデンサ、抵抗を差し替えつつテストを。
当初はゲルマニウムダイオードを使った個体もありました。

最後の方まで一番悩んだのが低域の帯域と高域の帯域をどこにピークが来るようにするかというものでした。
ベース単体で弾くといいけれどバンドで合わせると少し埋もれてしまう等の問題点は第一線で活躍している高松さんに協力していただいたからこそいい塩梅で決められたかなと思います。また、ポットの可変も当初はBカーブでしたが急な可変になってしまうためCカーブのポットを使用し、より自然な操作感となるように変更。そして今回抵抗はタクマン電子のREX抵抗を使用し、WIMAやPanasonicのコンデンサを使用しています。

三号機↓

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最終的な仕様としてはVolume/Saturation/Dull/Sharpという四つのコントロールとDeep Switchとなっています。
Volumeはその名前の通り音量調整用で、Volumeを最大にして他のコントロールを最小にするとバッファとしても使用できます。
Saturationは飽和感を付与するコントロールとなっており、上げることにより中域もほんのり出てきます。
Dullは低域~超低域をブーストするコントロールとなっており、Deep Switchを下に倒すと、より低い帯域をコントロールできるようになっています。
Sharpは中域~高域をコントロールできるもので、輪郭を強調することが可能です。

上記画像にあるサイドスイッチは製品には無いのですが、Sharpの調整用スイッチとなっていました。

高松さんプロデュースとなった今作はベースにお勧めですがギターにも非常に合う仕上がりとなっており、クリーンでアルペジオを弾く際にとても相性がいいです。また、1995fxのweb等を担当してくれているspringman(PAM/トリコンドル)によるとDullとSharpをフルテンにしてDIを通したラインの音がAmpegを通した質感がある、と気に入っているようです。


今回北海道と東京という距離感の為一緒にスタジオに入り...という作業はできなかったのですが非常に勉強になることが多かったです。昔対バンさせていただいた際にはこんな未来を想像していなかったので人生はなにが起こるかわかりませんね。
もう既に第二弾の製作にも取りかかっているのでそちらもお楽しみに!



Stomach ache ¥25,000+税
4月末発売

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