鎖~繋がれた絆~ chain2-1
「あかん!もう人生詰んだ!おれお疲れさん!」
「タカちゃんっていうやつとっ捕まえて1億回収するしかねーだろ!!」
「見失ったら俺らは終わりだ!!拓也!急げ!!!」
俺はアクセルをベタ踏みにする。ハイエースが大きく縦に何度も揺れた。
「もうワイルドスピードやん。日本版ワイルドスピードとは俺たちの事やん。」
「日本版はハイエースかよ。」
こんな状況でも和泉は騒がしいやつだ。ヤザもすかさずツッコミを入れるが俺はそれどころではない。
テンテンテテン♪
「マイムだ!ヤザ電話スピーカーにして!」
「もしもしマイム?」
「ん?ヤザ?久しぶりだなぁ!」
「おー!元気してるかマイム!今どこ住んでるんだ?」
「今神奈川に居るよ、ヤザは地元か?」
「俺は地元だよ。神奈川海が多いよな〜」
「海の話はいんだよ!!!」
俺はヤザとマイムの会話をぶった切った
「マイム!ヤベェ!!金が盗まれた!!今追ってるとこ!!!助けてくれ!!」
「はー!!!!?1億だろ!!?海の話してる場合じゃねぇじゃねぇかヤザ!!」
「マイム?ハッピー?」
「和泉ウルセェ!!とりあえず拓也!絶対に金を回収しろ!!高平組はヤベェぞ!!!何かあればすぐに人を殺すような超武闘家集団だ!!!ぜってぇ回収しろ!!」
マイムは冷静に応答してくれる。とても頼りになる。ヤザと和泉は海の話をしていた。
「くそぉー!!!マイムこっち来てくれよ!この2人じゃどうにもなんねぇ!!」
「お前が呼んだんだろうが!降ろせ!俺は帰るぞ!工場が待ってる!坂口なんかに任せられるか!」
「俺はテキーラでも飲むかな。こうゆう時はショットでガツーンと!」
和泉はポケットに入れた小さなテキーラボトルを開けショットで一気に飲んだ
「クゥーーーーーー効くね〜!!拓也いく?」
ヤザは助手席のドアを何度も体当たりして降りようとする暴君。
和泉は後ろでテキーラを呑んではガツン!と言って頭がおかしくなってる酒馬鹿。
俺は完全に連れてきた奴らを間違えた。
「うおおぉおおおおおお!!!!!!!誰か助けてくれええええー!!!!!!!」
車の通りが少ない大通りをとにかく走り続けた。
俺はいくつもの感情を全て右足にぶつけてアクセルをべったり踏み込んだ。
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