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ライフスタイル | 家の床がきれいになった件について

ひとつ前の家は打ちっぱなしの壁や黒のアイアン階段、海外のような段差のない玄関。とにかくスタイリッシュでおしゃれなつくりだ。

私はもともとインテリアも服も基本的に暗めのトーンが好み。この家の床はひとつづきのリビング・寝室・キッチンはダークブラウンのフローリング。廊下・洗面所・トイレは黒のツルツルとしたタイルでできていて、まさに理想的な空間である。

しかし、嬉しかったのは束の間だった。

私は整理整頓はだいすきだが、掃除はあまり好きではなく、ほぼワンルームの家の床掃除を休日に週1回しか行っていなかった。ダークトーンの床というのは髪の毛や汚れが比較的目立ちづらいため床掃除をしたくない自分をさらに後押しした。

我が家は掃除機を買わない方針なので、クイックルワイパーで掃除をしている。クイックルワイパーであればどれくらい床のごみや汚れを回収できたのか、一目でわかるのでちょっとした達成感を味わうことができるのだ。


ところで、たった40㎡ちょっとの家を1週間掃除しないとどれくらい汚れるか想像がつくだろうか。

暗い色をした床によって隠されていた髪の毛でクイックルワイパーは毛の生えたモップのよう、シートは真っ黒だ。

もはや達成感というより悲壮感漂うシートを毎週目の当たりにしながらも、私の床掃除をしたくないという気持ちは揺るがなかった。

というのも、私は慢性的な運動不足で、小さな家の中を数分間クイックルワイパー片手にひとまわりしただけで、ちょっとした腰痛を発症し、疲れ果て、せっかくの休みを台無しにするほどだった。

床掃除をしたい気持ちは山々なのだが、体力も気力もなく、悩む日々が続いた時、突然思い立った。

床掃除を家事ではなく、運動とみなそう

超絶面倒くさがり兼三日坊主な私だが、何もかも続かないことに嫌気がさしていた時期でもあり、何が何でも1ヶ月は続けようと固く決意した。

具体的には

  • 掃除をするのは朝、仕事が始まる前に行う

  • 所要時間は家全体で10分弱

  • 水曜日と土曜日はクイックルワイパーストロング

  • それ以外の日はドライシート

といった具合だ。

朝の貴重な時間を気の進まない床掃除に充てるとは、かなり厳しい戦いになるはずだった。

なんとか1ヶ月...のはすが、実際は2週間ちょっと経つ頃には床掃除をしなければ気持ち悪くていてもたってもいられなくなっていた。

週1の頃は毎回腰痛と疲労に悩まされていたが、毎日繰り返していくとそれもなくなり、ただただ気分が晴れた。(もちろん運動不足が解消されるまでには至っていないが)

はじめは面倒くさいと腰が重かったが、毎日こなしていくと、歯磨きのようにやることが当たり前になり、驚くほど行為へのハードルが下がっていった。

もうひとつ驚いたことがある。毎日掃除しているというのに、毎日シートがそれなりに汚い。

週1時代の掃除後のシートは引くほど汚いと感じていたがたぶん、それでも取りきれていなかったのだろう。
毎日毎日こんなに髪の毛が抜けていると思うとゾッとするが、これを何日も放置していたと思うともっとゾッとする。

いや、毎日それなりに汚れが取れるからこそ、達成感があり半年以上経った今でも続けることができているとも思えるので、毎日落ちていてくれる髪の毛や埃たちに感謝すべきだろうか...。

とにかく、毎日の床掃除で床は綺麗になり、運動不足による劣等感が少し和らぎ、総じて私のちっちゃな自尊心は今日も保たれている。

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