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「ヤジと民主主義 劇場拡大版」をめぐる個人的な感想

 「ヤジと民主主義 劇場拡大版」には、2022年7月3日、岸田総理が、選挙の応援演説で札幌に来た時の映像も含まれています。

 あの日あの場所に、私も居ました。
 友人は、『くたばれ! 「伝統的家族観」』『マイノリティの人権を大切にしろ!!』『「アベノミクス」を総括しろ!』などと書かれたプラカードを掲げ、総理大臣に抗議していました。

 しかし、完全にアウェイです。
 後ろからは、「邪魔だ」という声が聞こえたりしています。
 その雰囲気にひるんでしまい、私は抗議の姿勢を示すことが出来ませんでした。

 こんな空気でも、しっかりと抗議した友人や、その3年前、当時の安倍総理にヤジを飛ばして抗議した大杉さんや桃井さんたちは、本当に勇敢であり立派だと思います。

 演説後、岸田総理が聴衆のもとへと歩み寄って来ました。
 私の目の前にもやって来て、このまま何もしないのも癪なので、総理の目を見て「同性婚を認めてください!」と伝えました。
 そうすると、聞こえなかったのか「はい?」と聞き返されたので、「同性婚!」と叫びました。一応、「はい」と返答されましたが、聞いていたのかどうか。
 その後、岸田総理は国会で、同性婚を認めると「社会が変わってしまう」と答弁しましたので、私の声を「聞く力」は発揮してくれなかったようです。

 ちなみに、総理大臣に同性婚の実現を要求する直前、私はカバンからレインボーフラッグを取り出しました。
 そうすると総理の横に立っていたSPらしき目つきの悪い男が、ピクッと反応しました。
 カバンの中から取り出したものを、総理に投げつけるかもしれないと警戒したのでしょう。
 爆発物でも何でもない、ただの旗なのに大袈裟な反応だなとは思いましたが、これが要人警護というものなんでしょうね。

 まさかこの5日後、元総理が銃撃されて死ぬなんて思いもしませんでしたよ。
 あの事件と、ヤジ排除事件を絡める言説もありますが、山上はヤジなんか飛ばしてません。
 どうして、背後から忍び寄る人物を、きちんと制止しなかったのか。
 聴衆がカバンから物を出す程度のことでも警戒するのが、要人警護でしょう。
 警備の不備を、ヤジ排除事件のせいにされるのは、本当に迷惑な話ですね。

 札幌駅での演説後、大通公園でも演説会があり、私たちも移動しました。
 この時も、友人はプラカードを掲げて抗議していたのですが、自民党関係者に勝手に写真を撮られたりしました。自民党というのは、本当に野蛮ですね。

 この演説の際には、大杉さんは岸田総理にヤジを飛ばしたり、桃井さんはプラカードを掲げたりしていました。
 しかし、この時の演説会では誰も排除されることはありませんでした。

 岸田総理や自民党支持者らも立ち去った後の大通公園で、大杉さんや桃井さん、友人たちで芝生の上に座って語り合ったりもしました。

 暑い日でしたが、「これもひとつの、民主主義の実践かな」とさわやかな気持ちになったことをよく覚えています。

 私にとっても思い出深い「ヤジと民主主義 劇場拡大版」ですが、ひとりでも多くの人に観ていただきたいです。オススメですよ!

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