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【雨上がり決死隊解散報告を見て】テレビとネット/組織と個人

業界の露呈とニーズの多様化

2019年にお笑い芸人による闇営業が世間を賑わした。芸人・大手事務所・芸能界それぞれの体制が露わになった。

この件を切っ掛けに【テレビ出演または大手事務所に属すること】【インターネットを中心とした個人コンテンツの配信】と芸能界を生き抜く上で差別化が測られるようになった。

視聴者もテレビとインターネットコンテンツとの岐路に立ち、年齢に応じ視聴層が分かれるようになった。

アメトークを見て

闇営業問題がどうとは言わないが、今回の解散はは蛍原さんの言う「相方がYouTubeを始めたタイミング」これに対する不審が全てだったのだろう。

これから社会に対し誠意を持って償い、ゼロからやり直そうとする蛍原さんと、同じ気持ちを持ちつつも、不安や焦燥、ご自身の性格から「待ってはいられなかった」宮迫さんとの間で生まれた隔たりのようだ。

これについて狩野英孝さんは「宮迫さんの気持ちもわかる、僕も謹慎を受けた際、日々活力を失っていた」と発し宮迫さんの背景に心を乗せられた。

解散報告を迎えるにあたる、両者の心構え

結論

・蛍原さんは【今日までの迷惑の責任を果たし、区切りをつけたい!】という意思。

・宮迫さんは【こんな形にはなったけど諦めていない!芸人だから明るく笑って終わらせたい!】

と言う番組に対する両者の心構えの違いが見えた。故に随所で両人のすれ違いを感じた。打ち合わせもなかったろうからダイレクトに【個人の性質】が表現される姿となった。

両人の態度については【どちらに意見を寄せるか】で見解も変わるだろう。テレビ番組やニュースを中心としていれば前者、YouTubeなどコンテンツで現況を追えば後者なのかもしれない。

しかし本放送は

・誰の為にやっているのか
・何が切っ掛けでこうなったのか

という前提を踏まえるべきだと感じる。
番組や解散を決断をした本人に意思を預けるのが筋だと感じた。番組の終始で【笑い】を必要としない部分があったと私は感じたが、最後まで笑いと爪痕を残したい本人がいた。

組織が弱く、個人の発信が強くなった時代

SNS→ブログ→動画→コンテンツ配信と個人の主義主張を通し人に影響を与えられる時代が加速した。それだけで収益を得るようになり、所謂「好きなことをして生きていく」時代が到来した。

組織はこの不景気から賃金は下がる傾向にあり(業界によるが)個人の主義主張が強い時代から、社員の帰属意識を育てられなくなった。
もちろんこれは資本主義の本質からこれまでに情報を制限した仇とも言えるだろう。今は様々なインフルエンサーが自由を謳い、その生活を発信する。これら文化を得て育つこれからの若者が終身雇用を願うまでもなく、大手企業ですら早期退職を促している。こうした世代間の認識の違いが本件の見解に様々な意見を生んでいる。

個人コンテンツは尚も強まる

個人的にはYouTubeないし【個人コンテンツが勝る時代】がくると思っている。もちろん大きな組織でしかできないことはたくさんあるが、組織も人材の在り方について進化を求めて苦戦している。

この件は【組織や礼節】を大切にする蛍原さんと【個人の意欲や主義】を尊重した宮迫さんとの意思の違いをテーマにしているが、これは両者だけの問題ではなく、個人レベルまた社会全体の兆候ではないだろうか。

組織や会社が絶対ではない昨今、テレビ業界とてそのニーズは全盛期に及ばない。個で優良なコンテンツを作れる能力があるなら独立した方が強いのだ。つまり番組を離れることは必ずしもリスクではない。(これは宮迫さんを肯定する訳ではなく、これからの変化を差す。)

組織は巨大且つ力もあるが、権限・規制・忖度が多いのも事実である。これは昨今の様々ニュースを見てもそうだろう。

個人コンテンツは【今はまだ】荒野のように無秩序だが、ゆくゆくは業界のような秩序が流れ込んでくる。そして次の覇権を取り、コンテンツの巨大化と共にデメリットが強まり、また次世代コンテンツが生まれる。これまでがそうだったように、これからもそうだ。

その中で大切にしたいこと

とは言え、本件の【礼節】の心は人が欠いてはいけない大切なものであると思う。【流行ってるから、儲かるから、楽しそうだから、社会が嫌だったから】と個人の感覚だけで猪突猛進に行動するのはどうか…。

組織やその中で育ててくれた人への感謝は常に持っていたい。また組織も人を労働者として剰余価値を搾取するのではなく、尊重の気持ちを持っていて欲しい。そうでなければ個人は個人で力もを持ち、帰省性を持たない。

進む未来は異なり、どちらに希望があるか、それはそれぞれの性質によるものだろう。必ずしも一つの価値観で是非は問えない。

しかし…

今日まで大好きだった番組が不意に形を変える。時代と言ってはみたが、この寂しいという気持ちは【感情】が生んだことだ。

双方に同じ気持ち抱えるも、相容れない。

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