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年齢に抗いすぎずいたい

”人生、60(歳)まではリハーサル”

”人間、40(歳)からが勝負”

上が故・佐藤弘樹さん(元 α-station DJ)、下が私の師匠の言葉だ。

師匠は今日、誕生日を迎えた。このご時世になる前はたまに会いに行けたが、今ではそれが難しい。忙しいのは変わらないと思うが、元気にしているだろうか。

不老(不死)はあり得ないので、誕生日が来れば必ず歳を重ねる。抗っても抗いきれるものではない。一般論的に言えば、特に女性は(私も女だ)いつまでも若々しくいる(その状態を保つ)ことに、一定の価値を見出しやすい。美容、ファッション、食生活…。その手の情報があちらこちらに散らばっている。私も、例に漏れていない部分がある。

しかし、その一方で歳を重ねることで、それを自分の魅力にできる人がいる。良い年齢の重ね方をしている人に憧れがある。

たとえば、ダニエル・クレイグ様(最近、何かにつけてダニエル様な私)。007の第一作目の頃は30代後半(40歳前)だったが、五作目の今は50代前半である。

「カジノロワイヤル」の頃も十分に格好良かったが、「No Time To Die」の今にしかない魅力というものがある。

たとえば、先日宝塚歌劇団を退団された轟悠さん。

タカラジェンヌさんは年齢を公開しないことになっているが、それのおおそよの推測はできる。36年ものあいだ、歌劇団を背負って舞台に立って下さった方である。大多数のジェンヌさんより、確実に年齢を重ねられていた。

ダニエル様も、轟さんも、分野は違えど芸能というある意味特殊な世界で活躍されている方々だ。その方々を一般人のそれと比較するのは話が違うが、そこはご容赦を。

このお二人、無理やり年齢を隠そうとされない点が素敵なのである。男性と女性という生物学的な違いはあるが、そこが一つの素敵な共通点である。顔に現れる皺やほうれい線、声の変化などを隠さず、表舞台に立たれている。

それこそ化粧で隠そうと思えば隠れるし、若く見せようと思えば(いくらでも?)見せられる世界にいらっしゃる。しかし、変に隠さず「そのまま」見せて、観る者はその皺やほうれい線をも含めて格好良いと思うのである。

師匠も似たところがある。出会った時は40代前半で、ルックスも派手だった。最初は面を食らったが、片っ端からモテることもあり、私の眼にも格好良く映ったものだった。徐々に年相応のルックスへと変わっていったが、それはそれで(と言うよりそっちの方が)格好良い。一言かつてのように「格好良い」と言えば喜んでくれるのだろうが、今さら、こっぱずかしくて言えないので黙っておく。

カギは、年齢を重ねることで現れる変化を味方に(魅力に)できるか否かなのだと思うが、どうすればいいのだろう。「若けりゃいい」とは、私は思わない。むしろ、師匠のように「年齢を重ねた姿の方が素敵」だと自分で思えるような歳の取り方をしたい。

”人生、60(歳)まではリハーサル”

”人間、40(歳)からが勝負”

これらの言葉が真ならば(そうだと思っているが)、私はまだまだ「リハーサル中」で、人生の勝負もこれから迎えることになる。

年齢との競い合いは、その匙加減が極めて難しいと実感する。抗い過ぎず「格好良く」いたいものである。


師匠、お誕生日、おめでとうございます。

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