リクライニングチェアーと本と照り返し

出勤時間が午前3時なので、休日でも4時、5時には目を覚ます。ハマってるゲームなどがあると2時には起きて、コーヒーと甘味を食べながらプレイする。夏だと5時半にもなると、外がうっすら明るくなってくる。そうするとだいたいゲームへの集中力が切れている私はベランダへリクライニングチェアーを出してはそれとなしに本を読み、日光が射してくるとリクライニングチェアーを折り畳み、コーヒーカップと本を持って、遮光の効いた部屋へと帰っていく。しかし、今日はなんだか気分が違った。太陽を感じながら本を読みたいと思ってしまった。魔が差したのだ。

午前11時に家の屋上へ、いつものリクライニングチェアーと本とキンキンに冷えたコーラの入ったコップを持って登っていく。何故いつものベランダにしなかったのかというと、歩道を挟んだ向かいの会社の窓がコロナ対策なのか開けっぱなしになっている所が数ヶ所あり、そのうちの2つがトイレの窓で、手を洗う人と目が合ってしまうし、スマホでボサノバなんぞを流しながら、リクライニングチェアーでリラックスしながら本を読んでいるのを見られるのが怖かった。

私たちは仕事しているのに、なんだアイツは、無職のボンボンなのか。と蔑まれていそうで怖かった。そのうちファイナルファンタジー10のティーダがシーモアに「スカしてんじゃねーよ」と放った口調で「気取ってんじゃねーよ」と怒鳴られそうで怖かった。という起こることはないであろう理由が頭をよぎって屋上にしたのだ。

そして、読書開始して秒で後悔する。暑くて眩しいのだ。本のページは進まず、コーラだけが減っていく。空になったコップをもって部屋に戻りコーラを足して戻ってくるを繰り返しただけの数十分だった。そんなお昼だった。

部屋に戻ってゲームして、昼寝して午後4時過ぎに目覚めた。また魔が差したのだった。午後4時過ぎだから日も傾いてるし、会社員達も定時直前だから私を蔑んでいる暇などないだろうと踏んだのだ。今度は面倒が勝ってベランダにチェアーと本を準備して読書開始。また秒で後悔する。隣の会社の壁がホワイトで日が照り返して来て眩しいのだ。仕方ないので部屋へ戻りゲームすることにした。また魔が差さないことを願いながら。