デザインもアートも積み重ね
2021年5月17日
武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論 第6回
【講師】チームラボ株式会社 取締役 堺 大輔さん
講師プロフィール
チームラボ株式会社 取締役 堺 大輔さん
1978年生まれ、北海道札幌市出身。東京大学工学部機械情報工学科、東京大学大学院学際情報学府修了。大学時代は、ヒューマノイドロボットのウェアラブル遠隔操作システム関する研究を行う。チームラボでは、ソリューション事業を担当。
https://www.rstone-jp.com/voice/teamlab2/
チームラボとの出会い
わたしがチームラボを知ったのはanother skyでした(確か4〜5年前)。
シンガポールのマリーナベイ・サンズでのイベントについての番組だったのですが、その美しさとともに日本のプロダクトが世界で賞賛されている姿を見て興奮したのを覚えています。
チームラボのHPでも紹介されています。
https://www.team-lab.com/news/futureworld2016/
チームラボのオフィス
まずは堺さんから、チームラボのオフィスのご紹介でした。
かなり色彩豊かなオフィスで、オフィス自体がもはやクリエイティブ作品かのようです。
オフィスのユニークな工夫として以下のものをご紹介いただきました。
メモデスク
打ち合わせのデスクが紙になっていて参加者が各々アイディアを書きながら議論できます。ホワイトボードは一人で書いてしまうので書き手の意見が濃く反映されてしまいますが、メモデスクはみんなで書いていくのでアイディアを生み出しやすくなるそうです。
https://www.teamlab.art/jp/w/memodesk01/
砂
なんと打ち合わせスペースに砂が置いてありました。何か砂で作りながら議論するのにいいらしいです。
マッサージボール
打ち合わせのデスクがマッサージボール(ボールに突起が付いていて手で握ると気持ちいいもの。)で埋められています。それを触りながら打ち合わせすると良いらしいです。一回やってみたいです、、
メモデスクは使いやすそうなので、自社にも是非導入したいですね。初めてみましたが、流行りそうです。
チームラボのビジネス
続いてチームラボのビジネス概要についてご説明いただきました。
チームラボは自分等のことを「ウルトラテクノロジスト集団」と定義しているようです。レベルの高いエンジニアやデザイナーを中心にさまざまなスペシャリストがいらっしゃるようで、職人集団とも言い換えておられました。
ビジネスとしては以下の2つが中心になります。
①Digital Art: テクノロジーを活かしたデジタルアートを制作
②Digital Solution: クライアントの課題解決のために、UI/UX等の提案から実装までを実施
それぞれ解説していきます。
Digital Art
デジタルアートは"Body Immersive(体ごと没入する)"をテーマに作成されているそうです。代表作は以下になります。
チームラボ ボーダレス
「迷い込んでみる」というテーマで制作されている作品。日本以外にも上海、マカオ、シンガポールなどでも展開されているそうです。
光が動いたら反応する仕掛けが美しく、一度体験したいです。今はコロナで休館中なので、再開されたら行きます。
チームラボ プラネッツ
体ごと没入することをテーマにした作品群。参考動画だけでも引き込まれる感じがします。こちらも同じく休館中。
Digital Solution
知らなかったのですが、チームラボはDigital Solutionとして、さまざまなアプリ開発等をおこなっているとのことです。代表作として以下をご紹介いただきました。
りそな銀行のインターネットバンクアプリ
日本の企業は「機能が多い方がすごい」という固定観念がある(例はテレビのリモコン)」そうで、りそなのアプリはそうならないように優先順位をつけて機能を絞ったそうです。
実際のUIを見てみてもシンプルで非常に使いやすそうです。使っていて気持ちよさやワクワク感が感じられるアプリだと思いました。
ちなみに本アプリは2年で60回もアップデートされたそうです。金融機関に所属している身からしてみると異常なスピードです。
acure pass(アキュアパス)
駅で見かける自動販売機acure passもチームラボが手掛けられているそうです。
「自販機はデータが集まらないので、データを収集できるようにして予測して商品ラインアップを作れるようにする」というコンセプトで作られたそうです。
言われてみれば当たり前ですが、acure pass登場以前は自販機でデータ収集することは誰も考えていなかったことだと思います。自販機のイノベーション、非常に面白いです。
所感・まとめ
堺さんは、クリエイティブやアートは0→1でなければならない、という固定観念がある。チームラボはそれを是とせず、
「積み重ね(アップデート)を重視している」と仰れられていました。
本当の0→1は少なく、たいていは誰かの過去の経験から来ているということだと推測しました。チームラボはメンバーの知識やノウハウを共有して、アップデートしていくことでクリエイティブしている点が非常に強いと感じました。
これを個人に置き換えると、色々挑戦して引き出しを増やし続けることが重要なんだろうな、、と。
今後も自分をアップデートできるように色々挑戦していきたいです。
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