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「カメラが欲しいんだけど、どれを買うのがいい?」的な相談に対する小生の回答

Hasselblad(ハッセルブラッド)社のX1D II 50Cというデジタルカメラを購入した。普段フィルムカメラを使っているせいか、友人・知人に「なんでそれ買ったん?」と理由を聞かれるので、僭越&不遜ではあるがそれについてお応えする。本稿は小生のカメラの選び方をお伝えすることが趣旨であり、X1D IIのカメラレビューではない。予めご了承いただきたい。

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(Rollei 35)

小生は趣味で写真を撮っているフツーの人で、主に家族の写真を撮っている。カメラ遍歴について全てを書き出すと切りがないので省略させていただくが、35mm〜中判・大判まで、いわゆる有名なカメラ(フィルムもデジタルも)は概ね使ったことがあると思われる。特に使用頻度の高かったカメラを抜粋すると、Nikon F3・Rollei 35・KYOCERA SAMURAI・Hasselblad 503CWと903SWC・Rolleiflex 3.5F・Fuji ga645zi・Linhof Master Technika・Leica M9-P・Phase One P45+だろうか。抜粋した割にそこそこの数である。たぶんバカなんだと思う。

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(Linhof Master Technika)

フツーの人ではあるが、その割にはカメラと写真にちょっと詳しいので、「カメラが欲しいんだけど、どれを買うのがいい?」的な相談をしばしば受ける。それに対する小生の回答は、「あなたが心から欲しいと思うカメラをお買い求めなさい」である。いきなり極論&暴論を吐いているがそれにはちゃんと理由がある。

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(Hasselblad 903SWC)

なぜなら、「いい写真」を撮ることとカメラやレンズの性能は無関係だからである。ある程度の綺麗さを求められる仕事写真やコンテンポラリー・アートの場合は横に置くとして、撮影という行為は、「綺麗に撮ること」よりも「なぜそれを撮らなければならなかったのか?」ということに重心がかかっている。これについては専門的な勉強をしたことのある人なら賛同していただけるのではないだろうか。猛烈に偉そうなことを申し上げているが、自戒の念を込めて発言しているのでご容赦いただきたい。

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(Rolleiflex 3.5F)

ここで終わってしまうと「は?カメラもレンズも関係ない?なに言っちゃってんの?これ書いてる奴なんもわかってねーなw」的な異論が殺到しそうなのでもうちょっと続けさせていただく。

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(FUJIFILM ga645zi)

写真は、撮るという行為のあとで、その写真を見たり見せたりすることで本来の性能を発揮すると小生は考えている。

(KYOCERA SAMURAI)

「なぜそれを撮らなければならなかったのか?」という問いに、ひとつの回答として、撮影者の思いや考えを言葉で伝える方法がある。ただそれは雑誌・WEB・広告などのメディア様に任せておけばいいと思っているのが小生の本音である。が、言葉を使うことを否定している訳ではない。言葉による説明は最小限でよくないですか?というニュアンスである。

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(OLYMPUS PEN FT)

ではどのようにして撮影者の思いや考えを伝えればよいのか。それは構図やピントや明るさや色や組み写真などの技術的な手法に尽きる(綺麗に撮るという意味ではない)。フィルムカメラやデジタルカメラやオールドレンズや最新レンズなどのあらゆる選択肢は、先で投げかけた禅問答のような問いに応える道具ではあるが、一部分であって全てではない。

釈迦に説法で恐縮だが、なによりも重要なのは撮ることだ。

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(Hasselblad X1D II 50C)

そー考えているので、小生がカメラに求めることは、いつでも肌身離さず持っていたいと思えて、このカメラだから撮りたいと思えて(アフォードされる感覚)、わたしにとってのそれは、①カメラ&レンズのデザイン ②シャッターボタンを押した時のフィーリング ③シャッター音の心地良さ の3点であり、描写力の優先度はかなり低い。そしてX1D II を買ったのは、④ISO感度を上げて暗い場所でも気楽に撮れるから だ。

(Hasselblad X1D II 50C)

という訳で、「いつでも肌身離さず持っていたいと心から思えて、世界に触れて感動したとき、思わずシャッターを切ってしまうカメラをお買い求めなさい。それがあなたにとっての“いいカメラ”ですよ」。

(Hasselblad X1D II 50C)

もちろんここで言う「いいカメラ」とは、「高価なカメラ」という意味ではない。くれぐれもお間違えなきようご注意ください。


2022年4月6日(水)

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