変化が始まる語り集
「福祉現場で役立つ動機づけ面接入門」No19 チェンジトークの種類
今日は、本書より、チェンジトークを引き出す質問をいくつか紹介します。チェンジトークとは、相手の人が望む変化の語り。
1.準備の表明
クライエントの心の中で、変化に対する準備を始めた時に現れるチェンジトーク。
①願望を表すチェンジトーク
例えば、「早く仕事に復帰したい」「一人暮らしをしたい」など、「◯◯したい」という発言です。
②能力を表明するチェンジトーク
「サービス申請は一人で出来ます」「酒はいつでもやめられます」など、「◯◯出来ます」という発言。
③理由を説明するチェンジトーク
「(勉強をしたいのは)試験に合格したいから」「(介護を続けるのは)恩返しをしたいから」など、変化の理由を説明する発言です。
④変化の必要性を語るチェンジトーク
「子どもの生活を守る必要がある」「私が健康でいなければ…」というような発言。
ここで注意したいのは、これらのチェンジトークが必ずしも変化に直結しない、ということ。準備の気持ちが理解できたら、支援者は、先を急がず、その気持ちをもう少し掘り下げると良い、本書では述べられます。
出された料理にすぐ手を伸ばすのではなく、じっくり観察してみる感じでしょうか。
2.変化に取り掛かっているサイン
より変化に対する気持ちが強くなってきたクライエントの発言です。具体的にどのような行動をしていくかを話し合う段階。「どのようにやっていきますか?」と尋ねても良いとされます。
①変化へのコミットを語るチェンジトーク
「必ずやります」「申請に明日行きます」という発言。「やります」という発言は、「やろうと思います」という発言よりも強い気持ちの表明。
②気持ちが固った、というチェンジトーク
「今週中にやります」「申し込む準備は出来ています」という、行動まであと一息の発言。この時は、強制や皮肉は控え、じっくりその気持ちを尊重しつつ、「いつ頃行かれますか?」等とより具体的にしかし控えめに訊いてみる。
③次のステップへの進行を表すチェンジトーク
「朝、走り始めました」「申請に行きました」というような発言。これは、実際にクライエントが変化に向けて進み出したことの表明とされます。ここでも、「もっとこうしたら?」と言いたくなる気持ちを抑えて、支援者は、ゆったり後押し。
そう、我々は、弱く、すぐに後戻りしてしまうから、その人なりの歩みを尊重して関わる!!
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