見出し画像

相手が、動き始めたら

「福祉現場で役立つ動機づけ面接入門」No24 EPEという手法

 おはようございます。今日も晴れそう!!桜がきれい。

 ということで、本書もクライマックス。まとめに入ってきました。本日は、クライエントが変化を志向し、実際に変化に向かって歩み始めた時の技術について見てみます。

EPEという手法

 EPEとは、Elicit-Provide-Elicitの略であり、「引き出すー提供するー引き出す」ということになります。動機づけ面接が主に福祉現場で使用される上でこの手法は有効です。なぜならば、福祉現場においては、制度や仕組みにクライエントさんを乗せることが支援の大切な目的になっているから。

 変化したい気持ちをチェンジトークとして語り、そのための行動を始めようとしているクライエントさんに、実際にその行動をサポートするような制度や仕組みを紹介する、その時に使える方法です。

はじめに、引き出す

 引き出すと言っても、ここでは”許可を求める”という表現がされています。まず、「少しお話よろしいですか?」などとそもそものコミュニケーションの許可を求め、Yesを引き出し、次に、伝えたい情報について相手がどれだけ知っているかを聞きます。「生活保護については知ってしますか?」のように。もちろん、いきなり”生活保護”にはならないですよね。そこに至るプロセスが動機づけ面接の真骨頂ですので、以前の書き込みや下の図をご覧ください。

 最初の引き出しで、クライエントがどの程度、これから歩む道について知っているかを引き出します。もちろん、知らない事の方が多く、逆に、支援者側には知識と経験がある。

次に提供する

 そして、提供です。クライエントが知っている情報がどの程度なのかを引き出したら、必要な行動に向かって有効な手段や方法についての情報を提供します。先ほどの例であれば、生活保護についてクライエントが知らない部分を説明します。

そして、また引き出す

 ここで大切なのは、一通り情報を提供したら、そこまでのクライエントの理解の程度を探り、理解した結果今後どのようにしていきたいか、その気持ちを引き出していくこと。例えば、「ここまではご理解いただけましたか?」と問い、ある程度の理解が得られたら、「この情報はどのようなことに役立ちそうですか?」などと尋ねてみる。

 もちろん、最終的にアドバイスを受け入れるかはクライエント次第ですので、そこは無理強いしない前提で、しかし、チェンジトークを語ったクライエントが、変化のための具体的な行動を取っていくためにEPE。これで更に変化への気持ちが盛り上がっていきますね。

ピラミッド


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?