私、黒帯のオンナ

私は浅くて薄い黒帯のオンナ
2017年にM-1予選で見て、「吉本にもこんなまったりしたいい漫才師がいるんや」と思った。
それもそのはず、松竹から移籍してきたそうな(のちに自らを脱竹と命名される)
その時てらうちさんは黒髪でなんだかわからないピンクのシャツを着ていた。
折に触れて見る機会はあるが、なんせ出番が少ない。
別の推し目当てに祇園花月に行ったら、前説をされていた。
「今日、前説黒帯や。ラッキー」という薄めの嬉しみ。
後で聞いたら、2人はこの前説が嫌で嫌で仕方なくてマネージャーに「やりたくない」と言ったら「なんでそんなこと言うんですか!」と怒られたらしい。
キーホルダー合戦では、譲りも沢山あり、「黒帯もありますけど」「まずまず好きですよ。下さいな」というノリで譲り受けて、おかきの缶に入っている。
その後、コロナ禍に突入し、劇場はクローズ。暫く配信も無い状態となって私の娯楽が縮小した。
黒帯は前々から細々とやっているYouTubeチャンネル黒帯会議があって、以前から気が向いたら聞いていた。
コロナ禍をきっかけに動画を出すようになり、ほんの半年だけ黒帯イチオシの時期が訪れた。
てらうちさんがイメチェンをして、黒帯の印象付けをしたのはとても良かったと思う。
劇場が再開して、彼らの出るライブにも何回か足を運んだ。やはり好みだな。
黒帯会議でグラバトでいかに勝つかという作戦を客に見せて、本当にランクインするという演出(?)もかなり秀逸だった。
M-1も準々決勝に勝ち上がり、やっぱり、いい漫才師は結果も出すもんだな、と思った。

ところが、昨日の出来事。
あれだけ毎年自動的に黙ってたら手元に来ていたキーホルダーが無い。どこにもない。
何千円にも値段を釣り上げられて売られている。
はあ、こうなっちゃうんか。変なファンも付く運命…
グラバトの昨日のネタ。
笑ったよ。面白かった。
でも「やってんな」と思った。
昔のロジックの効いたまったりしたテンションのよく出来たネタが私は好きだったんだ。

私は今、大西さんの綺麗な一重瞼だけで吊り下がっている隠れ黒帯のオンナ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?