愛しい人と遠く離れ・あこがれの人のまわりに・もうなにも感じない

3.『愛しい人と遠く離れ』 サルティ作曲 Lungi dal caro bene

ピアノ伴奏の美しさ、清らかで流れるような旋律、大好きな歌です。歌詞では、「私は生きていけない」「苦しみの海の中にいる」と言っていますが、音楽は明るくて爽やかなんですよね。

「恋することって、辛いけど、大好きな人のこと考えるとドキドキしちゃうわ。今度はいつお目にかかれるかしら…」という感じでしょうか。                         

1781年に作曲されました。18世紀後半で、最も有名だったオペラで、当時イタリアやフランスなどの6~7か国でよく上演されていたそうです。

18世紀後半の音楽は「古典派時代」と呼ばれ、この頃音楽は大きく変化していきます。大きく変化していく社会的な出来事はというと、「フランス革命」と「産業革命」ですね。「バロック」から「古典派」へ変化している真っただ中。この曲は「バロック」特有の堅苦しさがなく、ロマンティックな旋律が生まれていますね。


4.あこがれの人のまわりに チェスティ作曲 Intorno all’idol mio

オペラ『オロンテーア』の中で、女王オロンテーアがアリドーロへの想いを歌うアリア。17世紀のイタリアオペラの中でも極めて人気のあった作品だったそうです。

「愛しい人から遠く離れて」と同じように、近くにいない好きな人への想いを歌うのですが、曲想は全く違って、この曲は悲しみがひしひしと伝わってきます。「この秘めた情熱」と歌っているので、片思いなのでしょうか。もしかしたら「許されない恋」なのかもしれませんね。


5.もう何も感じない  パイジェッロ作曲 Nel cor più non mi sento

『美しい水車小屋の娘』《La Molinara》の中のアリアで、パイジエッロの作品としては最も知られています。

この曲には、ベートーヴェンが変奏曲『「わが心もはやうつろになりて」による6つの変奏曲 』、パガニーニが変奏曲『「虚ろな心」の主題による変奏曲』を作曲しています。その他にも、多くの作曲家がこの曲の変奏曲を作曲しています。それくらい、今の言葉でいう、いわゆる「キャッチ―」な曲なんです。




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