オペラ『後宮からの逃走』 “コンスタンツェよ、再び会えるとは” “どんな拷問が待ち受けていようと”

『後宮からの逃走』より第1幕 ベルモンテのアリア“コンスタンツェよ、再び会えるとは”  第2幕のコンスタンツェのアリア、“どんな拷問が待ち受けていようと”

1782年モーツァルト作曲のジングシュピールオペラです。ジングシュピールオペラとは、台詞と音楽で構成されているオペラのことで、有名なのは『魔笛』ですね。

モーツアルトのオペラはでドイツ語は『魔笛』と、この『後宮からの逃走』だけです。

物語は…海賊にさらわれてトルコに連れていかれたコンスタンツェは、太守セリムの後宮で奴隷として生活しています。コンスタンツェを助けるために、婚約者のベルモンテはトルコに向かいます。救出はあと一歩のところで失敗に終わりますが、太守セリムの寛大な行動によって皆解放される、という物語です。

8.第1幕 ベルモンテのアリア“コンスタンツェよ、再び会えるとは 

さらわれたコンスタンツェの居場所を必死に探していたベルモンテ。トルコにいるという知らせを受けトルコに向かいます。もう少しでコンスタンツェに会えるのだ、という熱い気持ちを歌います。

9.第2幕のコンスタンツェのアリア、“どんな拷問が待ち受けていようと”

この曲は、いわゆる超絶技巧の歌。こういった超絶技巧の歌を歌うのは…15年ぶりぐらいでしょうか…ベッリーニ「清教徒」「夢遊病の女」、ロッシーニ「セミラーミデ」、ドニゼッティ「ルチア」などなど、技巧的なカデンツァなどを入れて歌っていた時期がありました。

Marten aller arten, aller arten mogen meiner warten
どんな拷問が待ち受けていようと 
Ich verlache, ich verlache,ich verlache Qual und Pein
私は苦痛にも拷問にも負けません 
Nichts, nichts,nichts soll mich erschuttern,
私が恐れるものは何もない 
Nur dann, nur dann wurt’ich zitteen,
私が恐れるのはただ 
Wenn ich untreu,untrue, untrue konnte sein.
操を失うことだけ

Laß dich bewegen, verschone mich;
情けをお持ちなら 私に同情してください 
Des himmels segen belohne dich! Des himmels segen belohne dich!
天の祝福があなた様にありますよう 

Doch dubist entschlossen. Doch dubist entschlossen.
でもあなた様は、お決めになっていらしゃる 
Willig, unverdrossen wahl’ich jede pein unt not
喜んで、変わることなく 
Wahl’ich jede pein, jede pein unt not.
私はどんな苦しみも拷問も選びましょう
Ordne nur, gebite, ordne nur, gebite,
命令し、言いつけてください
Larme, tobe, wute,
ののしり、怒鳴り、怒ってください 
Zuletzt befreit mich doch der Tod, zuletzt befreit mich doch der Tot, der Tot,
最後に私を救い出してくれるでしょう きっと死が


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